劇場公開日 2023年6月2日

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怪物のレビュー・感想・評価

全653件中、621~640件目を表示

4.5嘘に傷つく人々の闇が深い

2023年6月3日
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カメラワークや編集は是枝作品ではあるが、坂本作品と言って過言ではない。
カンヌで脚本賞も納得。
クィア・パルム賞も獲得したということで、LGBTに振ったorそれが主題の作品なのかしら?と思って観に行ったのだが、鑑賞後にはそれは構成するごくごく一部の要素であって、主題ではなかったように思った。
いわゆる「ラショーモン・アプローチ」「羅生門メゾット」といわれる、同じ出来事を三者それぞれの視点で繰り返して描く三幕の構成で、それによって「何が、誰が怪物なのか?」ということをあぶりだしていく。
何を言ってもネタバレになっちゃうので、ほかには何も書けないのだが、実に「闇の深い」重たい作品であった。
たぶん海外の賞で高評価を得られると思うが、日本での興行成績的にはやや不安。
個人的にはものすごく興味深いものの、かすかな表情やセリフ、出来事から意味を感じ取り理解する、脳をフル回転して観る必要のある作品でもあるため、観て爽快感はなく、積極的かつ単純に「面白い」と言いにくい。
作文のシーンなど再確認したい気持ちはあるものの、観るとどっと疲れるのでリピートは難しい。

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コージィ日本犬

4.5

2023年6月3日
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台風豪雨の中、初日に鑑賞。
台風豪雨の中でも初日に観たいという魅力が是枝作品にはある。
まず、安藤さくらの母親の身になってだんだんと不安が募ってくる。学校の先生たち、特に校長の態度に我慢がならなくなってくる。(よく角田さんつれてきたなぁ、まさに適役)
次に瑛太が演じるホリ先生、田中裕子の校長の視点から描かれると、謎解きのように面白くなってくる。(今の時代、教師にはなりたくないなぁ)
ミナトとヨリの子どもたちのパートに移り、そうだ、これは是枝作品だ、ミステリーではないんだ。
わかりやすい感動の結末が待っているわけではない。
坂本龍一さんのピアノの調べのように強く深く哀しみの中にも光が見えてくる。
(子どもたちはいい顔してたなぁ。)
是枝作品には台風豪雨の中でも観に行って良かったと思う光があった。

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大吉

4.0ぶっ壊れた家族の、絶望。

2023年6月3日
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今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞。クィア・パルム賞も受賞。まあ、そういう香りも漂うが、思春期前の性が未分化なお年頃の話である。奇しくも同様なテーマで『クローズ』という作品が7月の公開を待っているが、こちらもカンヌでカメラ・ドール賞を受賞している。
構造が『羅生門』(黒澤明監督)を連想させるとして、様々に語れるだろうが、そのあたりはプロの映画評論家に任せる。
「家族」であることをギリギリ耐えて維持してきたこれまでの是枝監督が「家族を諦めた。」のかもしれない。

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t2law

3.0先入観

2023年6月3日
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悲しい

小学5年生の息子の異変に気づき本人から話しを聞いて担任を糾弾するシングルマザーと糾弾される担任、そして息子の話。

断髪に水筒にと違和感を見せ始めたと思ったら、でかけたまま帰って来ず耳にケガをしているは走行中の車から飛び降りるはと奇行ラッシュの息子。
そして息子の話しを鵜呑みにし担任による不当な扱いと決めつける母親に、まともに調べもしなければ議論もせずとりあえず無機質に謝罪をする学校という不快な流れから始まって行くけれど、気付けば時間を巻き戻し実は…そしてまた実は…。

見えているものや印象と真実との乖離というところをみせていくのはわかるけれど、最初の実は…は概ね想定ないというかそりゃあそうだろうね。

子供を題材にしている作品ながら、なかなかショッキングな展開は意外だったし、そこからの実は…はきくらか意外性もあったけれど、こういう作品でもやっぱり性自認ネタ入れるんですね。
正直最近の何でもかんでもLGBTQネタは正直食傷気味。

言いたいことはわかるし、重くし過ぎない様にこういうつくり何だろうけれど、結局怪物は…。

この手の作品で飽きさせずに観せてくれたのは大したものだし、面白くはあったけれど、実はの部分にガツンと来る程のギャップがなかったし、悲しさややりきれなさもマイルドだし、何より決めつけることの恐ろしさはあまり感じなかったかな。

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Bacchus

3.5深いような。うっすいような。

2023年6月3日
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ふっかい様な
うっすい様な。
どこにでもありそうな
誰にでもありそうな話な様な。

怪物とは何だったのだろうか。

子の為に必死な母親は
先生にとって怪物。

学校を守る為に嘘をつかせる
校長も怪物。

放火する怪物。

虐待する怪物。

校長の夫らしき人物との
面会シーンでの
お菓子泥棒?のくだりは
何だったのだろうか。

雰囲気や演出に
ドギマギさせられて
観てました。

それぞれの視点が終わったら
また最初の視点に個人的には
戻って欲しかった。

エンドロールの「ゆってぃ」が
目に付きました。
どこかに出てたのかな。

追伸、観終わってから日にちが
経つと何かジワジワきますよ。

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丘の上ホライズン

1.0自分と是枝監督とはどうも合わない。良かったのは「誰も知らない」だけ...

2023年6月3日
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自分と是枝監督とはどうも合わない。良かったのは「誰も知らない」だけです。カンヌも日本も彼を過大評価しすぎているような気がする。まあこの作品をきっかけに実写映画にも客が入る様になれば良いのだが。

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モロボシダン

4.5トロンボーンとホルンの音色は彼を救ったのか?

2023年6月3日
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終わってみると色々と疑問が湧いて来て、答えが出るものも有り出ないものも有り。まあそういう風に作られている作品です。
トロンボーンの下りは特に色々な事を考えさせられました。

ともあれ観ている間はとにかく最初から最後まで面白く「最高の映画を観ている」という多幸感に包まれていました。
余白の有る映画が好きな人にはお勧めです。

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亞光速

4.0子役2人の演技力が怪物

2023年6月3日
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鑑賞方法:映画館

 黒川想矢と柊木陽太のとんでもない演技力が、監督や脚本家の企みを破壊してしまっている。2人に気を取られるあまり、作品が問いかけようとしている命題が気にならなくなり、ラストに至っては、ホントにどうでもよくなった。
 もう、2人の物語でよくない?

 最初は、母親の視点で始まり、途中から幾人もの視点で、時系列を前後して物語が語られていく。進んでいくにつれて、解像度が上がっていき、真実の輪郭が見えてくる。
 ようやくわかってきたところで、「ここから先は、見ているあなたが物語を完成させてください」と、突き放されてしまう。

 人間が目にする情報だけでは、真実を捉えることはできない。それは、わかる。違った視点から起こった事象をトレースしていくと、別な真実が見えてくるが、それも一部でしかない。
 シュレーディンガーの猫のように、見る行為で客体が決まる。そう考えた方がいいのかもしれない。

 安藤さくらに田中裕子の演技力が過剰に発揮されるがあまり、ピースのハマり方が鮮やかすぎるあまり、嘘くさく感じてしまうきらいはある。
 そんな気持ちを吹き飛ばしてしまうラストでございました。

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bion

4.0すごいな。えぐい映画。

2023年6月2日
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あれはどうなんだといろいろ考察したくなる映画。
役者陣がうますぎる。

けなしたかったけど、
坂元脚本と、坂本音楽にやられました。

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ボケ山田ひろし

4.5怪物になれるくらいないとダメなのかも・・・

2023年6月2日
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悲しい

怖い

興奮

母子家庭、モンスターペアレント、家庭内DV、イジメ、教師の学校での立場、学校の隠蔽体質、高齢者の誤操作による運転事故など、日本が抱える様々な社会問題を描いているわけですが、母親、教師、子供たちのそれぞれの視点から物語を重複して展開する構成が素晴らしいと思います。坂本龍一さんの音楽も、登場人物それぞれの心情を表現していて印象的です。結局人間は自分自身を守るため、大切な人を守るため、嘘をつき通すため、自分に都合よく物事を運ぶため、いつでも怪物になれるという事でしょうか。ラスト、嵐が過ぎ去り、子供たちが駆ける場所は天国・・・?

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活動写真愛好家

5.0大人と子供の境界

2023年6月2日
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どこで分からなくなるのだろう。子供の世界に共感し、大人の世界に同調する自分がいる。
Blu-ray買お。

見終わって涙を流してる自分に驚いた。

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Oyster Boy

4.5是枝×坂元+坂本

2023年6月2日
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これは、なかなか見応えがありました。もう絶対にネタバレ厳禁だと思います。ネットニュースのタイトルだけでもネタバレしてたので、何も知らずに観られてとてもラッキーでした。誰もが「●●●」を想起すると思いますが、それとは別に「●●●●の●●●●」もふと思い出しました。カンヌで脚本賞受賞も納得でした。正直、冒頭からしばらくは「…」だったのですが、それが後に効いてくるんですよね。近頃は、ファスト映画とか早送りという映画の見方も珍しくないようですが、今作はワンカットさえ見逃せないですね。バラバラに見えた日々のシーンがパズルのピースのように散りばめてあって、終盤にピースがはまってくると「怪物」の正体が見えてくるという本当に見事な脚本であり、演出であり、演技であり、そして、坂本龍一さんのピアノがさりげなく鳴っているという極上の映画体験でした。あのラストシーン、心の奥の方に突き刺さり、爽やかな涙でいっぱいになりました。「ベイビー・ブローカー」(22)がマイベスト是枝作品でしたが、今作がさらに好きになりました。

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赤ヒゲ

3.5無事でいてくれて良かった⁇

2023年6月2日
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難しい

是枝裕和監督が、
脚本家・坂元裕二によるオリジナル脚本で描くヒューマンドラマ。

音楽は、
2023年3月に他界した作曲家・坂本龍一で、
彼は微かに響く法螺貝音で首尾一貫してこの話を紡いで完結させた。

脚本は、
脚本賞を受賞しただけに大きな期待をして鑑賞。

その世界は、
不条理で不実な社会に翻弄されて育つ児童が、未成熟で不調和で不安定な出来事を引き起こして行く姿を克明に紐解いて行く。
それは見事だ。

そして監督は、
困難な作品を纏めてあげてくれたが、
最後に無事でいてくれて良かったと思えるほど無邪気な明るさが足りないことが残念だったなぁ

^_^

でも、
もう一つの視点「先生と母の捜索」の結果なら…

今回は考えないで置こう…

大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。
そんなある日、学校でケンカが起きる。
それはよくある子ども同士のケンカのように見えたが、
当人たちの主張は食い違い、それが次第に社会やメディアをも巻き込んだ大事へと発展していく。

そしてある嵐の朝、
二人の少年がこつ然と姿を消してしまう。

登場人物それぞれの視線を通した「怪物」とは何か?

是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一という日本を代表するクリエイターのコラボレーションで描く。

^^

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カール@山口三

4.0たしかに、怪物。。だな。

2023年6月2日
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第一位は、何と言っても田中裕子

そして、高畑充希、何気に良い仕事してます。

つらくて複雑な環境なのに、子供たちがキラキラして、本当に愛らしく美しい。

脚本賞、確かに!

あっ、それから、
ほり先生、ごめんよ。。

どんな表情もその人自身なんだなと、誰もが怪物であるなど。

観終わったあとに、考察し放題な作品に巡り合うと、単純にうれしい

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ムーミン

4.5パズルのような巧みな脚本だけど是枝作品

2023年6月2日
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是枝裕和監督、坂元裕二脚本、坂本龍一音楽
是枝監督初の自身の脚本ではないのはどうなのかと観に行ったけど、ちゃんと是枝作品になっていた。
家族と社会と子供の世界を3つの時間軸を並べることで繊細な人の機微のようなものを浮かび上がらせる丁寧な物語になっていた
安藤サクラ、永山瑛太。田中裕子うまいけど、特に主人公の2人思春期前の少年がいい。
脚本のパズルのはまっていくようなな巧みさがすごかった
坂本龍一の遺作になってしまった音楽は既存曲もいれつつオリジナル曲は優しいいい曲だった

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サート

4.0怪物は誰だ?

2023年6月2日
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誰でも心の中に怪物が潜んでいる
良かれと思った言動が誰かを傷つけてしまう
あなたの普通は私の普通ではない

湊と依里がとても魅力的だった

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m m

5.0何が怪物って 是枝こそが怪物やん

2023年6月2日
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見事です。 予告やCMで予想した内容を遥か遥かに凌駕する作品。 こりゃ脚本賞取るわねー。
是枝組に集結された方々も 怪物 です。

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すったもんだだよ

3.0巨匠の凡作

2023年6月2日
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前作のいかにも巨匠な自らのシマで取ったような退屈さはないけれど、かといって圧倒されるほどでもない映画。君は良い子のような圧倒的な演技と全く思わない。
タルコフスキーのストーカーが好きなのはよくわかった。先週観たtarでもオマージュしていた。いじめられっ子と裏でつるんで、助けないような子供は大人になってもそんな人になるんだろうな。子供の同性愛とかより、そこが気になってしまう。助けてくれない男を彼氏にしてもしょうがないと思うがどうだろう。

後半40分ぐらいの答え合わせがつまらない。依里君がいわゆるフェミニンなセンスであることから、トランスジェンダーという認識で合っているのか。私の小学生時代からフェミニンなファッションはメンズに充分浸透していたので、恐らく親のセンスとしてフェミニンな服を着ている子はいたので、判断が難しい。このように判断をすること自体が差別的だと思う人もいるだろうが、映画の表現力のなさを観客が慮る必要はない。息子のクィア性に気付かない安藤サクラより、はっきりとその事を知り、動揺して恐らく虐待をしている中村獅童の視点の方を導入したほうが、子供の性をどう観ればいいのかという、更に踏み込んだ論点に進めるのにしないで、聖なるLGBTとしてふんわりと置きっぱなしにする。この映画の男子同士のキャッキャに同性愛を感じられなかった。これぐらい誰でもありそうなのに。だからこそ、予告でLGBTを描いた映画というのは伏せて置いたのかな。

好き嫌いは置いといて、tarやエゴイストは同性愛者の権力性や商品としての性に踏み込んで、聖なるLGBT像を打ち壊そうとしているが、この映画では子供というのを足して、聖なる子供・LGBTにしてしまっている。天国としてのラストにも二人とも天国に行けるような人間だったかと疑問が残る。安藤サクラの息子は地獄に落ちるべきである。最初の段落に戻るが、自分はいじめっ子グループとつるんで、自分が可愛くて表向きには助けてくれない男を彼氏にしてもしょうがない。体操着袋に当たるんじゃなくて、いじめっ子に殴りかかりましょう。

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タカシ

4.5自分には、青春映画でした

2023年6月2日
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本日、東京雨。
原作小説は未読。

「怪物」というタイトルから、
「見る位置によって誰でも『怪物』たりえる」
という勝手な解釈をしていたのだが
それを飛び越しての「青春映画」という一言に尽きてしまった。
東野圭吾さんの「レイクサイド」的な展開になるのかと思いきや…

相変わらず、子役のキャスティングは完璧。

鑑賞後、外はまだ雨だったが、ラストシーンの彼らとなんかリンクした気持ちだった。

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ねむ

4.5子供は怪物!

2023年6月2日
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僕自身は子を授かることは無いのだけれど。
子を持ってる同年代や若パパママ、苦難いろいろあるだろけど、乗り越えて欲しい。
子供たちは、想いが伝わらないこと、イジメや陰口、ウワサ話に早とちり、いろんな苦難あるだろけど、どうか、怪物のパワーで生き抜いて欲しい、そんなように思った。

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ドッペル(たけ)