劇場公開日 2023年6月2日

  • 予告編を見る

怪物のレビュー・感想・評価

全648件中、1~20件目を表示

4.0ビッグバウンス宇宙と怪物

2023年6月4日
iPhoneアプリから投稿

 どうしてこうなってしまったのだろう。
 昨日観終えた直後は、軽やかな疾走感と美しい緑、そして心に沁み入る音楽に包まれ、不穏な2時間を経て穏やかな気持ちになれた。けれども、一日経って日常の中で思い返すと、子どもたちは行ってしまい、大人たちは置いてけぼりにされたという思いが、じわじわと迫ってくる。朝ごはんを食べながら、小学生ふたりに尋ねてみたら、「…やっぱり、−−ということだと思う。」という返事。あまりにもあっさり反応が返ってきて、少し愕然とした。大人になってしまった私は、決定的な何かを見落したのかもしれない。
 母親、先生、子ども。それぞれの視点で物語が語り直されるたびに、印象が反転する。後からは何とでも言えるのは承知だけれど、母親は押しすぎ、先生は流されすぎた、のかもしれない。とはいえ、その時々の焦りや軽々しさは誰にでもある。母親は、学校に行くために何度も仕事の折り合いを付け、深夜の通院の翌朝も日課をこなしたのだと思うと、何ともやり切れない。さらには、序盤では怒りさえ感じた校長先生に、終盤に至って救われる気持ちになるとは、思いもよらなかった。
 誰かが意図したわけでもないのに、事態が絡まり悪化した大きな要因は、いくつもの噂や、無関心の連なりだろう。そして決定的な打撃になったのは、幾度となく繰り返された、手近な材料での辻褄合わせだ。彼らは、もっと何かあるかもしれない、何かを見落としているかもしれないと考えるのをやめ、あっさりと結論を下してしまった。すぐそこに待つ不吉な予感にさえ、目をつむって。
 湖そばの公園の塔で、子どもたちがビッグバウンス宇宙について話すシーンが美しく、忘れ難い。宇宙が閉じた場であれば、いつしか宇宙は膨張から収縮に転じ、時間は逆戻りするという。創造と破壊が繰り返され、大きく循環するなかで、わずかなゆらぎから、銀河のもとととなる突起も無数に生まれ得る。ならば、映画に描かれた人びとの世界が、本作を観る私たちの世界と反転するのは、良くも悪くも、ごく当たり前のことなのかもしれない。そして、怪物もまた、自在に姿を変えながら跋扈し続けるだろう。
 帰り道、「親に気を遣って大変だねー」「大変だよ、自覚しなよ」と子とやり取りできたのが、ちょっとした救いだった。

コメントする (0件)
共感した! 23件)
cma

3.5Japan's Burning Tire Pit of Adolescence

2024年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

Just what Japan needs: another film to show the hardship of raising a child as a single-mother. Koreeda as one of Japan's best auteurs of the moment shows a perceptible disparagement to public education admins, perhaps something audiences understand all too well. The strongest point is the emotionally hypnotic soundtrack by Ryuichi Sakamoto, his final before his death prior to the film's release.

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Dan Knighton

4.0人の目線には死角がある

2023年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

長野の諏訪市を舞台にしているのだが、真ん中に湖のあるのがいい。特に夜、俯瞰で街の全景を何度か見せているが、夜には湖がぽっかりと開いた黒い大穴のように見えて、その闇に吸い込まれそうな気分になる。あの闇には何があるのかと考えたくなる。
「怪物、だーれだ」という問いかけがなされるこの映画は、誰かを怪物と思いたくなってしまうその心象こそが怪物であり、街にぽっかりと開いた闇のようなものだと、そう問いかけられているような気がした。
同じ事件を3つの視点から描き直すこの映画を観ると、一度信じたものを崩され、どんな人にも見えない死角があることを自覚させられる。視覚効果による表現である映画は、カメラの向きは一方向を向くので、どれだけ真実を透明に映し出しているように見えても死角が存在する。これは、その映画の弱点に自覚的だから作れる作品だと思う。あの街の真ん中の闇のように見ようとしてもなかなか見えないものが、社会にも人間関係にも必ずある。そのことを忘れずに世の中を見つめることの大切さと難しさが見事に表現されている。

コメントする (0件)
共感した! 69件)
杉本穂高

4.5是枝裕和監督と同時代に生き、作品に触れられる僥倖

2023年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

坂元裕二氏が脚本を手掛けているだとか、今回は子役に脚本を渡して撮影に臨んでいるだとか、そういった部分はきちんと取材をしたインタビューをご覧ください。
ここでは多少の主観も交えながら……。これはいつからだったか、是枝監督と同時代に生き、作品に触れられる幸せというものを、噛み締めるようになりました。
黒澤、小津、溝口など、日本映画界に燦然と輝く名匠たちの作品にも数多く触れてきましたが、やはり同時代を生き、時には撮影現場で取材をしながら息をのむ瞬間を目の当たりにすることが出来るのは、幸せなことだと再認識しなければなりません。
ほかにもシンパシーを感じる同年代の監督たちとの出会いも含めて。

是枝監督は、「これが是枝監督の集大成」みたいな表現を嫌がります。当然ですよね。監督ご本人が「これが僕の集大成」と発言するのならばともかく、他者が決めつけることではありません。今回も「集大成」ではなく、是枝裕和という映画監督の通過点であると考えるべきです。この先、もっともっと世界中の映画ファンを楽しませてくれることを切に願いながら。

それにしても、田中裕子さんの演技にはたまげました。
是枝組の常連であった樹木希林さんとは対極の位置から仕掛けてくるアプローチに仰天させられます。安藤サクラ、永山瑛太の芝居も、堪能してください。

コメントする (0件)
共感した! 72件)
大塚史貴

5.0怪しくて やがて哀しき 藪の中

2023年6月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

知的

安藤サクラが演じるシングルマザー・早織が、小学生の息子・湊が担任の保利(永山瑛太)からモラハラと暴行を受けていると確信し学校側へ説明と謝罪を求める序盤のかなり早い段階から、心臓のあたりがぞわぞわするような、なんとも不安で不快な気分が長い時間続いた。

坂元裕二による脚本がカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したことを報じる記事などで言及されていたように、本作の物語構成は、芥川龍之介の小説「藪の中」、またその映画化である黒澤明監督作「羅生門」に似て、真相がわからない一連の出来事を複数の当事者の視点から語り直す手法が採用されている。この「怪物」においては、主に早織、保利、湊の視点の順で(ほかに田中裕子が演じる校長の視点も少し入るが)、学校での数日間に起きたことや、湊と同級生の依里(より)とのかかわり、台風の一夜の出来事が多面的に語られ、当初は不明だった事実が徐々に明かされていく。

だが、坂元の脚本と是枝裕和監督の演出は、“たった一つの真実”が存在しそれを明らかにしようとするのではなく、むしろ各人の考え方感じ方や立場によって事象のとらえ方が変わってくる、言い換えるなら“認知のゆがみ”が生じうることを示唆しているのではないか。たとえば序盤、早織に感情移入して観るなら校長や教員らの心のこもらない釈明や謝罪は役人の答弁のようで腹立たしいことこの上ないが、保利先生ら学校側から語り直すパートでは早織がモンスターペアレントのように映る。

得体の知れない存在や体験したことのない状況を怪しむ、恐怖する感覚は太古から受け継がれてきた自衛本能だ。自分の命やアイデンティティー、家族やパートナー、よりどころになる家庭や職業・職場が何ものかによっておびやかされると感じた時、その何ものかが“怪物”として映り、自衛のため必死に抗おうとする。だがそうして抗う自分もまた、自分のことをよく知らない相手から“怪物”に見えているのかもしれない。

認知のゆがみが「事実でないことを私たちに見せる可能性がある」という理解に基づくなら、ラストシーンも見た目通りのとらえ方とは別に、180度異なる解釈もありうるのではないか。その解釈に思い至ったとき、改めて坂元裕二脚本の深遠さに震えた。

コメントする 2件)
共感した! 194件)
高森 郁哉

4.5是枝裕和監督作品の中で「テンポ」は最も速い。「深さ」についての感じ方は人それぞれか?

2023年6月2日
PCから投稿

是枝裕和監督作品と言えば、大きな特徴として「何気ない日常を切り取る」というのがあります。
そのため、物語はゆったりと流れていくような傾向がありますが、本作では矢継ぎ早に物事が動いていきます。これは、デビュー作以外では監督自身で手掛けてきた脚本を、「花束みたいな恋をした」などで知られる坂元裕二に任せた面が大きいと思います。
もしかしたら、これまでの「是枝裕和監督作品を見る」という姿勢でいると違和感を持つかもしれません。
それは、何の予備知識もなく作品の世界に身を置くという姿勢でいると、珍しく「時系列」が行ったり来たりするため頭が混乱するからです。
親切な作品であれば「(安藤サクラが演じる)母親目線の場合」「(永山瑛太が演じる)担任教師目線の場合」といった切り替えのタイミングを明示してくれますが、本作では似たトーンで映像が続いていきます。
要は「コンフィデンスマンJP 英雄編」などと似た構造にあり、様々な視点から眺めると物事の見え方が変化していくといった手法で、私たちに「種明かし」をしていきます。

「今は誰の目線で、どの時間を描いているのか」を的確に探り当てる、シーンの切れ目を自分で見つける必要があります。
これのヒントの1つはビルの火事でしょうか。
近頃ニュースでは似たようなビル火災が続きますが、本作では「ビルの火事は1回の出来事」なのがポイントです。
さて、そのような映像上のトリックを見極めた後は「結局、どのような全容なのか」を把握するために、組合せを頭の中で行う必要があります。
その結果、どんな物語が見えてくるのか?
私は、結局のところ「是枝裕和作品」という印象でした。
ただ、本作では「理由のない嘘」が少なくなく、これを連発すると「真相は藪の中」となり、やや気になる点でした。
良い点は、クセの強い人物が多く登場し、「この人物はどういう人なのだろうか?」と気になる独自性があり、その優れた「人物像構築」などで第76回カンヌ国際映画祭で「脚本賞」を受賞したのは納得できます。

コメントする (0件)
共感した! 73件)
細野真宏

3.5世界は主観でできている

2025年3月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

タイトルのせいもあって、誰が怪物なんだと先入観を持って見てしまった。
最初は母親の視点、次は教師の視点、、、と。
視点が変わるたびに、なんなんだこいつは!!と思ってしまう。
最後のみなとくんの視点で世界がつながって、これまでのみんなの態度に納得していく。

映画だけでなく、普段の生活もそうなんだと思う。
やっぱり一面的にものごとを決めつけるのはよくないとおもった。
実世界では一面的にものごとを決めつけている人が不利益をこうむってはいないのがくやしいけど。
一番の被害者は決めつけられた人か。。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
くり

3.5高畑充希

2025年2月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2025年2月25日
映画 #怪物 (2023年)鑑賞

母親、子ども、教師それぞれの視点で羅生門のような感じですが、怪物だ〜れだ?のフレーズからみんなが怪物の様で怪物ではないという話かと思ったら、母親はぜんぜん怪物じゃないよな

嘘つく子どもと飴舐める教師と隠蔽する学校がムカついた映画だった

コメントする (0件)
共感した! 0件)
とし

3.5思ってたのと違った

2025年2月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怪物とはどういう意味なのか?主要人物各々の視点から徐々に真実が暴かれていく構成。その様はなかなかよくできていて、興味深く見ることが出来た。

ただ、肝心なところは包み隠したまま、物語は少しの余韻とともに終わる。描ききらないのは理解できるし、そうした手法はいくらでもあったのだが、最後のパートから映画のジャンルごと変わっしまったような唐突な印象を受けた。しっかりと最後にゆり戻せばもっとスッキリとした結末を迎えられたのではないか?と思ってしまった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
マルボロマン

4.5じんわり響く

2025年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

三者三様の主観で同じ時間を紡ぐという、旧くは「羅生門」で用いられた手法ですが、非常によく練られた脚本とカット割りでぐいぐいと引き込まれます。美しい構図やトーン、カメラワークも秀逸。

主人公の心情や映画のテーマはとても繊細で表すことが難しいにも関わらず、説明的なシーンは一切なく観る者にしっかり伝わります。そしてエンディングには満足感で心がじわじわするのです。いい映画をありがとうございました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Japanese_Idiot

3.0無知故の残酷さ。

2025年2月20日
iPhoneアプリから投稿

自分のことしか考えられていない。
自分をどう取り繕うか。
自分をどう、よく見せようとするか。
好きな人から嫌われたくない。
正当化したい。
よく思われたい。
そういう心で動いたひとつひとつは、とても卑怯で自己中心的だと思った。
自己中心的であって、なおかつ自分に芯がない。
なりたい自分ではきっとない。
自分を正当化させようとする卑怯な考え方なんだ。

昔を思い出しても良い思い出がなくて
なんて腐った人間なんだろうと自分のことを思ってしまう。
なんてダメなやつなんだろう。
なんで本当のことを言えなかったんだろう。
なんでちゃんと言葉で説明できなかったんだろう。
心配してくれてる大人はいたのに、信用できなくて、どうせ自分なんて、自分が悪いんだと決めつけて、他の方法がある事を知ろうともしなかった。
全部自分で頭の中で悶々と考えて
他の考え方を知ろうとしなかった。

無知からくる闇というか、
自分のことで手一杯で何も見えてない感じ。
井の中の蛙。

そういうものを考えさせられる作品だった。

作品は違うけど、鬼滅の刃のひえじまさんのセリフでこんな言葉がある。
「子供というのは純粋無垢ですぐ嘘をつき残酷なことを平気でする。我欲の塊。
自分のことを考えるしか余裕がない。
普段どれほど善良な人間であっても土壇場で本性が出る。」
子どもって無邪気で素直であるからこそ、時には残酷でもあると思った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
みー

4.5受験前に見るもんじゃなかった

2025年2月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

この作品のことばかり考えすぎで課題も勉強も手につかない。
課題が間に合わなかったら責任をとってほしい。
そう思わせるぐらい凄い映画だった。
何処が凄いかなどは散々語られているからあまり言及しないが、本当に凄い映画だった。
一度見てみることをおすすめする。
また、みた後は解説などをみた方がより理解が深まるので解説を見た方が面白くなると思う

コメントする (0件)
共感した! 0件)
切れた絵の具

4.0あたりまえなんてない

2025年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

無意識、偏見、自分、他者、あるいは環境を守る行為によって他者を傷つけることが社会にはあると考えさせられた。
自分のルールやモラルを他者に強要する行為は例え相手のためを思っての行動であっても他者のためにならない可能性があるけど、他者を傷つける行為は咎めなければならないし、難しいなと思った。
本音と本音のコミュニケーションを取ることは家族や友人であっても稀なことで、ましてや生徒と教師なんてほぼ不可能だろう。
愛という感情は人間が判断を下す上でのウエイトがすごく支配的なので、間違ったジャッジをしてしまう、愛する人のため、息子のため、あるいは環境のため、自己愛が強すぎる人は自分のため。
人間は皆怪物なんだと思った

強いメッセージを内包しつつ、単純にサスペンスとしても面白かった。脚本が強引すぎるのは好みではないけど諏訪子の映像とラストの色彩との対比は感動した。是枝監督の映画はやっぱり間違いない

コメントする (0件)
共感した! 0件)
@R3X

5.0心にすむ怪物

2025年2月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

スタンドバイミーを見ているようで、人の疑心に注目したテーマになっている。今思うとあの映画も怪物という物語であった気がする。安藤さくらさんが良い女優になってます。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
まさ

4.0人は考える生き物です

2025年2月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

真実はひとつ
だけど人の思いはいろいろ
いろんな人の思いが交差して真実がわからなくなるけど人を大切に思う気持ちはやっぱり大切ではあると思う
人間って難しい生き物
それがよいところでよくないところなのだろうと思う

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ふるふる

4.0痛い

2025年2月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

悲しくて痛くて
すごい映画でした
途中やめようかなぁと
学校側の無機質さの映画かと思いきや
凄まじかった

子供は…
駄目な親のところに産まれたら
どうすればよいのだろうか
従うことしかできず
心を壊していってしまう
それを待つしかないのだろうか
逃れられないあの歳なら
赤ちゃんなら…

これは
物語だけれど
実際にもありえて

もう痛々しくて
でも美しくて強くて

すごい映画でした

コメントする (0件)
共感した! 2件)
コアラ0413

4.0素直に感動だが…

2025年2月3日
iPhoneアプリから投稿

映像が綺麗で、音楽も綺麗で、脚本も構成も演出も良く、素晴らしい映画だった。

とはいえ、少し冷静になってみれば色々と美化しすぎなような気もして、若干嫌な気持ちにもさせられる映画でもあった。そういうことを考えずにフィクションとして割り切れば満点だが、題材が題材だけにそこはあまり譲るべきところではないのかもしれない。

後になって本になっている脚本を買って読んでみたら、映画とは結構印象が違った。坂本裕二のわざとらしさが程よく中和されていて、監督の力をまじまじと感じた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
まるまる

3.5怪物は誰の中にも棲んでいる。じっと存在を潜めて深く静かに・・・

2025年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

男の中に女が棲み女の中に男が存在している。それは無意識の中だけれど確かに存在し人それぞれに潜在する意識下から顔を出しパニックを起こさせる。自我と自己を理解せずに野放図に飼い慣らしてしまうと周りの人間を巻き込み奈落の底へ導く。それは人間にしか起こりえない事象なのか症状なのか病気なのかまるで見当がつかない。この映画を観て怪物探しをしても無意味だろう。怪物は登場人物一人一人なのだから。
映画がはじまり安藤サクラ以外の人々がすべて狂っている人のように思わせる。しかし映画が進行するに従いみんな良い人に思えてくる。それはおかしなことはす訳が用意されているように作られている。その理由がなんとも幼稚だ。だから映画がダレてしまう。観ている者が容易に思いついてしまう。もしくは先読みをしてしまうからだ。しかしひとつだけ解き明かせないと感じさせるよう意図されているのがひとつのこされている。男が男を恋する気持ち。少年は子供ではない。とっくに子供たちは気づいている。ただ認めたくないだけ。そんな気持ちを大人は解ろうとしない。辛抱が足りない親や教師は短時間で理解しようとする。人の気持ちなんてわかるはずがない。そう断定してもいいのだろう。今は・・・・待ちきれない大人たちは子供を不幸にするだけなのに。本当は夜空や雨や風の匂いや諏訪湖の湖面の変化について一晩中でも話しあっていたら、多分とても幸せな気分のひとときが味わえたろうに。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
はる

4.0初見ではよく分からなかったけど…

2025年1月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

悲しい

興奮

アマプラで視聴。

家で映画観る時は基本酒飲んでるので、眠くなってしまい最後まで観きれないことが多々あるのですが、これは飽きずに観れました。

お母さんと瑛太先生の印象が、途中でガラリと変わるのが面白かったです。

少年達の微妙な心の動きがうまく表現されていて、ピュアな心を思い出す作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
しろちゃん

5.0僕たちの愛

2025年1月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

最後の1分で、あのふたりは愛を語り愛を受け入れ愛に絡め取られていく。ふたりだけの愛の園で温かい笑顔と強い歓びの声で永遠になった。
エンディングで僕は涙を抑えられませんでした。彼らふたりは年齢を超え僕に迫ってくる。「誰も知らない」で彼らがやったように、そこには年齢を超えた愛がありました。そして今回はもしかしたら性別も超えたのかもしれないと。
台詞ではなく映像で表現しようとする監督の努力に拍手です。色々言われている技法どうこうではありません。愛していることを絵にする、愛していることを絵にできる監督がいることに敬意を払います。
良い映画を有り難うございました。
観れて良かった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ひで