怪物のレビュー・感想・評価
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届け!子供達へ
一人の母親の視点では、保利はモンスター教師だが、一人の教師の視点では早織はモンスターペアレントだ。教師の視点から見ると湊と星川君はいじめっこといじめられっこかもしれないけれど、湊と星川君は互いに互いを大切に思ってる。観客からは、校長先生が無情に見えるし、保利の婚約者は薄情に見える。しかし、それは観客の視点から見ているだけに過ぎない。
人間は、○○という単純な一言で片づけられるはずがない。もっと、多面的であると思う。
しかし、私達は普段の生活でもモンスター社員、モンスター上司、モンスタークレーマー、毒親、親ガチャと、いわゆる怪物探しに勤しんでいる。自分に辛いことがあれば、身近な怪物のせいにすれば良い。知らない怪物が出てくる事件が起これば、メディア越しに怪物を見て、炎上したりする。
つまり、私達は他者は怪物だと思わされる社会に生きている。多数派と違うだけで怪物になってしまう。
湊と星川君はそんな嫌な世界から楽しい世界へと冒険を始めたのだろう。それは、決して死を意味するものではないと思う。だから、子供達は安心して自分達の世界を壊されずに仲間達と冒険をして欲しい。そして、本作がそんな子供達に届いて欲しいと思う。
表現が難しいモヤモヤ
映画館にて鑑賞しました。
かなり正直に言うと、CMで見た情報からなんとなく想像していた「こんな話なのかな?」感は超えなかったように思えました。
登場する大人達(湊の母親や、担任の保利先生などなど)の性格や行動原理は「たしかにこの人ならこんなことするかもな」と、ある程度納得はできました。
ただ、人物描写がリアルなだけに、学校側の描写や、事態を解決に向かわせようとする人物が登場しないこと(というより事実関係を確認しようとする人物が母親以外にいないこと)に、ストーリー展開にはリアルさを感じられず、人物描写とストーリー展開のリアルさの差異を感じてしまい、違和感を覚えました。しかし、そもそもとしてストーリー自体が、母親・保利先生・湊の視点で描かれていくので、あくまでそれぞれのキャラクターが受け取った真実だと仮に考えると、認知のズレがある可能性もあるため、なにがどこまで事実なのかは正直分かりません。そう考えると、自分が感じた違和感や劇内での本当の事実は映画で描きたかったことにはあまり関係がないのかもしれません。
湊と依里の関係性や掛け合いはとても良かったです。依里の若干の距離感の近さは、依里の人物像をとても表現できていたと思います。
怪物は誰の中にも
坂本裕二脚本、是枝裕和監督って面白くない訳がない、ワクワクして鑑賞した。ストーリー展開、目線を変えて同じ日時を立場毎に描く手法、徐々に明らかになる隠れていた部分、それらが上手く紡がれて、予想もしなかった展開へ。隠れていた事が少しずつ見えて来て、でも何故?という疑問が徐々に解けていく過程、そして戸惑いと迷い悲しみが複雑に絡み合ったその情景に唖然とする。怪物の影はきっと誰の中にもあって、そしてお互いを受け入れることで、その見えないものが見えてくる。
とてもせつない気持ちを受け取った作品だった。坂本龍一のピアノが静かに心の機微を表現しているようで、とても自然にシーンにマッチしていて泣きそうになった。
ちゃんと親元に帰れたのかな?
最初の母親視点だと、空気読めないにも程がある担任が謝罪の場面で唐突に飴食ったりw
校長はじめ先生方が不気味で不信でしかない状況。
担任視点だと何考えてるか分からん生徒達や不気味な校長達に彼なりに頑張ってたのに学校辞めさせられーの、新聞に載りーの、軽薄な彼女に捨てられーの散々な状況の中ホシカワ君の縦読みならぬ横読みで何かを悟る。
子供視点で色々不思議だった点が明るみに、、、、。
一つの事実でも当人同士の主観で随分印象が変わるんだなと当たり前ではあるが多角的な視点が大事ではあると改めて思った。
親やクラスメートに虐められてもニコニコしてるホシカワ君が可愛すぎだけど放火はアカンよw
怪物はいない
それは単なる子供同士の喧嘩から始まった…
小学校で起きた単なる子供同士の喧嘩だったが先生が虐待をしたと勘違いで親だけではなくマスコミにもされ騒動となりました。
その後二人の子供が秘密基地(電車)から抜けだし走りゆく姿が衝撃でした。
監督はどんな想いで「怪物」としたのか。それを知った瞬間に注目となりました。
怪物だーれだ。ですね。
子供の悪意のない、恥ずかしさからのウソから発展していく現代の闇を、見た気がします。こうして、祭り上げられてしまった被害者って、リアルにいるんじゃないかなぁーと、だれも、悪くないし、色んなものを守る為に必死になった、結果。子供のリアルが見えなくなる親、悪者に仕立て上げられた先生。学校を守る為に必死な学校。なんとも、哀しいお話でした。人間と人間で話がしたいっていうのは、今の時代とても大事だなぁーと思いました。
映像と、坂本龍一さんの音楽で、とても素晴らしい作品でした。
真実という名の怪物
カンヌはモヤモヤがお好き?
予想外の館内貸切だったので全裸で鑑賞
貸切の時は全裸で挑みたくなります
そんな僕も怪物です
通報しないで
嘘です
是枝作品は「海よりもまだ深く」が1番好き
他は…薄味か、後味モヤモヤか、イラッと後味か…あまり是枝作品とは相性が良くないですが、過去10年の監督作品はほぼ全て観てます
僕の妹も、小学生の時に今作と似たような経験がありました
昭和も令和も学校にまつわる怪物は同じ…
安藤サクラは華は無いけど、リアルな存在感
役に溶け込む自然な演技
ハスキーボイスなので、張り詰めた演技が圧巻
序盤の怒り狂う目が怖い…
夢に出そうなキツネ目の怪物
ハマり役だが少し違和感のある瑛太先生
前半と後半では、完全な別人?
視点を変えただけなのに…
ふて腐れた態度が後半で消えたのは演出効果抜群だが、やりすぎて少し違和感あり
新聞の第一面に暴力教師と掲載されても、書類送検されない、ややご都合主義な展開
昨今の保育士は逮捕までされるのに…
行動が怪しすぎる怪物
色気ムンムン高畑充希
植物図鑑が1番好き
どんぐりまなこの怪物
タイムリーな吸血鬼は怪物なのです
時々魅せる田中裕子ワールド
全部持ってく…
真の怪物女優は貴女なのです
大仏顔の怪物
安定の芸人俳優 角ちゃん
酒乱な怪物
しれっと女優化 野呂佳代嬢
ゴッドタンから出世したなぁ…
結婚したら色気が無くなったのが残念
あまり痩せないでほしい
適度なポチャ感が魅力なのです
成りあがりの怪物
「西田ひかると結婚します」
是枝監督の願望演出ですか?
初めての共感シーン
僕も昔は同感でした
フルーチェのポスター持ってます
カレーマルシェが懐かしい
こぶ平に抱かれた理由が解らない平成アイドルの怪物
こぶ平はアイドルキラーの怪物
消えて無くなれ…土下座しろ!アッチョンブリケ!
ショックでフルーチェやけ食いしたらトラウマに…
そしてフルーチェの怪物誕生
牛乳と混ぜてると脳裏をよぎる こぶ平の顔
前半は胃が痛くなる展開
久々にずっとヒリヒリ…苦痛で見入る
ホラー映画より怖い
中盤から急速に失速感が…
緩やかで、ややくどい伏線回収
穏やか過ぎて集中力ダウン…
色んな事を考えてしまった
旧国鉄時代?の廃棄放置車両って実在するの?
車両基地って広い平地にあるんじゃないの?
終盤は小学性あるある
自慰行為を覚える前の、男子小学生あるある
LGBTとは少し違う気がするが、中性的な美少年2人なので、なんとも言えない…監督の狙いの様な気もする
見終われば、ザ・是枝フィルム
モヤモヤ感が重くのしかかる…
モヤモヤして理解出来ない観客が怪物なのか?
思い込みで決めつけた人物が怪物なのか?
受け止め方は人それぞれ
ほぼ毎回の様にラストで問題定義する是枝監督
数年後の殆ど内容を忘れた頃に、改めて鑑賞したい
脚本は良いんだと思うけど
嵐
吹き荒れる嵐が過ぎ去ったような気持ちになった。
物語が進んでいくたびに、
心を掻き回す。掻き回す。掻き回す。
嵐が過ぎ去った空は、明るく晴れやかで、まるで何事もなかったかのような青空が眩しくて、少し寂しかった。
そして、この物語をもう一度見たいと思った。もう一度見たときに気付いたことが、これからの心の支えになるんだろうと感じた。
そんな作品でした。
インタビューで脚本家の坂元裕二さんが、話していたことが忘れられないんです。
坂元さんが運転をしていて青信号になった。しかし前のトラックは動かない。クラクションを鳴らしてみると、老人が横断歩道を渡りきれてなかったので老人が渡り切るのを待っていたとの事。
この時、人は気付かぬうちに加虐していることが有ると気づいたそう。こういった気持ちを作品にしたかったとの事。
このお話のクラクションを鳴らす事自体は間違いでは無かったと私は思う。それでも大事なのが、そのクラクションが、誰かを気付かぬうちに傷つけているかもしれない、と気づけるかどうか。正しいことをしたなと思っていたことが、足元を掬う事もあるし、大きなクラクションの音が別の誰かを救う事もある。
それに気づくことは難しい。そんな普遍的なことに気づかせてくれる傑作映画になっている事は間違いないでしょう。
素晴らしいキャスト陣の張り詰めていく演技と、美しいカットの数々、細やかな生活音、そして坂本龍一さんの美しい旋律。
特にラストシーンはとても眩しかった。子役の2人は圧巻でした。
こんな日本映画が世界に広がっていくのは、日本映画の良い事に繋がって行くと思う。
良い悪い含めていろいろあると思うけれど、それも含めて2023年の劇場案件ですね。
彼らには”行動”する他なかった
監督が~~、脚本家が~~とか抜きにして予告編が面白そうだったので鑑賞。
映画館のスクリーンで見るべきか迷ったけど大正解。
【あらすじ】
息子が学校の先生にいじめられているという疑惑を持った母親は学校にかけ合うも取り合ってくれない。しかも息子が他の生徒をいじめているとまで言われる始末。
事の発端は、真実はなんなのか、本当の怪物は誰なのか?
全員演技じゃねえ・・・マジもんだぜ・・・
映画館で見ると没入感がえげつない、自分もそちら側にいる気分。
全然物語の趣旨とは違うけど、「本物のサイコパスはだ~~れだ?」って感じで最初は見てたな。
その後作品の主軸に気がついてみる角度を変えたりして、能動的な映画だった気がする。
[羅生門スタイル]という複数のキャラクターの目線からストーリーを紡いでいく手法でした。小説だと「告白」に代表される湊かなえさんが近いかな?
大抵この多角的に物語を進める手法って、”真実”を映しがちなんだけど
今回は全員信用ならない感じがある。
”事実”であっても”真実”が見えてこないので全員疑わしいし、終始不穏な雰囲気。
・子供を信じ、守り抜きたい親目線(安藤サクラ)
・真面目で実直すぎる教師目線(瑛太)
・自分の心と葛藤する子供目線
基本的にはこの3人がメインだが、周辺を取り巻く先生や校長、親や彼女など
が問題を複雑にしていき決して”ただの映画”として見せず、他人ごとではないように感じさせる。
作品自体の構成はもちろんなんだけど、各シーンに”メタファー”的要素が散らばめられているので何度か見ても発見がありそう。
(特に”消す”、”綺麗にする”というアイテムが多い気がした)
それとラストの展開、真実に関しては”オチ”と捉えるにはちょっと雑だと思います。
「怪物」が伝えたかったことってそこじゃない。
いくら優しい人間でも、誰かの人生では悪役になるように
誰しも”怪物”になってしまう(見えてしまう)ってことなんじゃないでしょうかね…
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ネタバレ含むかも
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この作品を通して気がついたことが3つあります。
①人は見たいように見る
[羅生門スタイル]のおかげで自分がいかに一つの視点でしか物事を見ていないかに気がつく。
本来は色々な要素を加味して”真実”にたどり着くべきが、自分の欲しい情報だけを無意識に取りに行っているんですよね…バイアスってやつです。
②子供は行動する他ない
小学生ぐらいの子には、大人の事情や言葉の意味をストレートに受け取ってしまうが故に板挟み状態に陥りやすいように感じた。
なのにその心境を説明する、納得させるほどの言語化能力がない。
その結果”行動する”ことによって感情の発散や整理に繋がるんだなと気がつきました。
③知らずに価値観を押し付けているかも
どのキャラクターも一見普通に真面目でれも”怪物”には見えないけど、
それぞれ深層には刷り込まれた価値観があって、それが子どもたちを圧迫していた気がします。
左派系 母が 闇雲にかき回さねば、もう少しマシな結末になった
是枝監督の新作なので、観ました。
あるあるな教育現場 なのですが、登場人物のそれぞれが それぞれの世界感と価値観で生きている事を
うまく表現できている点が素晴らしかった。
序盤のおぞましいばかりのモンスターペアレントぶりに、僕は幻滅したが、
映画的には母目線で進行するので、鑑賞者の多くは母親に感情移入して
母親を同情し、教育現場を愚弄するだろうが、
これは映画的に解りやすく 切り取り表現している のであって、あえて それに載る必要はない。
しかし中盤からの"先生視点"が加わり、 全鑑賞者の見方が変わる。 とても素晴らしい脚本展開です。
いろいろな視点が映画に加わることにより、単純ではないこの世の"社会構造"を再確認させられ、
けして世には 善・悪人が 存在しない事を知る映画に仕上がっているのは、素晴らしかった。
しかし 鑑賞者に何かを考えさせ
問題定義をされるが、けして結論に導かない是枝監督作品。
そろそろ主張をした映画作りに移行して欲しいと願います。
LGBTQ映画なのかもしれないが、思春期の子供たちの心は いろいろ雲の様に動き回る ので...
「豚の脳みそ」を告白する 夜の坂道、良いシーンだが 画面端にカメラマンの影が入ってしまっているのが残念。
気にする方がおかしいし、良いシーンだから、別テイクを使うのも もったいないのだが。。。気が付いた 自慢
映画「イングリットバスターズ」の酒場でもやっていた、"誰だゲーム" 面白そうだから、やってみたい。
とにかく 答え合わせばかりの映画なので、
時系列が産雑になりがちなのを、
混乱しないような 道しるべを置いてくれたので、過去と現在の時間の流れを間違う事はない。
脚本家とその編集した編集者は素晴らしい。 「脚本賞」
前夜にたどり着いた後の、ラストシーンなのだから
そういう結末です。 セリフ通り。
こういうラストシーンを描ける監督が、アニメ界以外の日本に居た事に感動した。 「監督賞」
音楽は特記特別記載事項はないが 坂本龍一さん。
次の是枝監督作品も必ず観ます。
映画ではないが、いじめ問題での漫画「聲の形(全7巻)」を読むことを進める。
一番闇ってるのはアノヒトですよね?
是枝監督だし話題作なので正直期待して観てきました。
最初は子供が問題を抱えたシングルマザーに同情しかなくて、でも徐々に担任が気の毒で仕方なくなり、最終的には子供達のスタンドバイミー。
一番闇ってるのは校長ですよね。ヤバいですよ、あの人。こんなアンドロイドみたいな人が校長してていいの?
そもそも、最初からきちんと学校側が真摯に事態を把握していたらこんな事にはならなかったのです。
考えたらすごくシンプルな話。
堀先生が気の毒すぎる。恋人も薄情やし。
そしていつの世も大人に振り回される子供達が不憫だ。
ストーリー展開は思ったよりエモーショナルではなかったけど、子供2人(特に佑里役の子)の演技が素晴らしく、それだけでも観た価値ありでした。
音楽もとてもいいな、と思ったら坂本龍一さん。
ラストシーンでなんでか涙ポロポロ出ました。
子供たちには幸せでいてほしいから。
大人になって、保守的になったかなあ
母の言う家族(子)を持つことが幸せだと言うのなら
なぜ生まれてきたのか?と悩むミナト。
幸せは誰にでもあるもの、が主題なのか...
皮肉にも感じてしまう私は、子供のまっすぐさを忘れてしまったのかもしれない。
忘れてしまった子供の頃の秘密基地を覗き見させてくれる本作。
是枝監督の撮る情景が好きな者としては、坂元脚本は脳フル回転でちょっと疲れる笑(ミステリ好きにはむしろいいのかも)
怪物は噂のことかな。
ずっと胸が締め付けられながら観た。「藪の中」とは作りが違う。元気なときに見に行って下さい
誰かの嘘、誰かの憶測、誰かの噂、誰かの保身、誰かの憂さ晴らし、そういった大きいものから小さいものまで、色んな人の色んな闇がどんどん、どんどん積み重なって、怪物をつくって行く。誰の中にもあるそういった闇が怪物なのかもしれない。その怪物は弱い人、少数派を追いやっても行く。ずっと胸が締め付けられながら苦しく見た。うつ映画なので、元気なときに見に行った方が良い。
序盤に展開するストーリーから、これは何があったのだろう、誰が何をしたのだろうと、一種のミステリーになって真実は何なのか気になってしょうがない。見終わった瞬間は星4.5かな、と。ただ、思い返すと気になるところが出てきて、少しマイナスしました。
誰かの目から見たらこうです、ある人の目から見たらこうです、真実や如何に?という「藪の中」とは異なり、後半、徐々に見えていないことが明かされて分かる1つの真実。認識の違いというより、人間には見えていないことも多い、そして、それは捉え方を一変させることもある。
「藪の中」「羅生門」とは異なり、誰かの語り、つまり主観が入った状態で話を知らされるのではなく、観客は客観的な事実として話を追っていくため、前半と後半のある人物の違いは、ミスリードを狙い過ぎではないだろうか。他の方がコメントされていたが演出ミスではとも思えた。
また、真実が分かったときに、それぞれの事情から、そうかあの行動はこういう理由だったんだね、それはやむを得ないよね、と思えるところと、その部分が弱いところがあり、少しマイナス。もっとピースが全部カチッとハマり、おおお、さすがカンヌ脚本賞!と思いたかった。特に校長は、人物造形に一貫性が感じられず、田中裕子さんのぬめっとした演技に寄りかかってるところが大きい。まあ、現実、そんな貫通行動で一貫性のある人はいないから、リアルなのかもしれません。
子役の2人はとてもとても良く、次代の柳楽優弥さんを期待させました。
日本映画らしさ
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