「凝りに凝った構成 まさにあっぱれ」怪物 いけいさんの映画レビュー(感想・評価)
凝りに凝った構成 まさにあっぱれ
是枝裕和監督作品ということと、様々な賞を受賞した作品ということで、かなり期待して鑑賞。
あらすじは全くチェッせずに観始めたため、前半のいじめや虐待をおもむろに匂わせるシーンの連続に気持ちが相当沈む。
この気持ちのままでラストまで観きることができるのかと不安を感じ始めたころ、中盤に入る。えっ、そういう構成だったの…。
これはあっぱれ!全然下調べなしの状態からのこの流れはあまりに見事で、テンションは一気に最高潮へ。
そしてそこから衝撃のもう一回転。
ラストシーンの、悩みから解放されたが如くはしゃぎまくる2人の幸せあふれる姿には、自分でも嬉しいのか悲しいのか判別できないまま高ぶった気持ちを抑えきれず思わず落涙。
さすがは是枝裕和監督。尊敬です。
そしてエンドロールで「音楽 坂本龍一」。心の深いところに染み渡るのだが、下手に目立たせない絶妙な天才的メロディー。教授、これまで本当にありがとうございました。
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