「美しい戯れ」怪物 nemoさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい戯れ
序盤のほう、なんなんだ安藤サクラ以外、みんな傀儡のような世界観は…胸糞悪いな…と思っていたけど。。。
同じ時間軸で起こっていたことを視点違いで、いくつか見せられて、ああこういうことだったんだと伏線を回収していく構造。
子供2人が仲を深めていくシーンは性の匂いのしない天使が戯れているようで美しかった。
それが恋愛だと本人たちは鑑賞者はどの時点で感じていたのだろう。
子供が秘密を誰にも言えなくて、どんどん抱えきれなくなって大きな災いに発展する感じ。秘密を打ち明けられる心理的安全性を担保した関係性をどう構築するか。何を打ち明けても、愛する心は変わらないという確信をどう持たせるか。自己開示できず苦しんでいる硬い殻を母親として教師としてどう向き合っていくか。どうすればよかったのか問題提起をされている気分だ。
最近有名人でもカミングアウトする人がいる。それをいうことにどれだけ勇気がいることなのか、この映画を通じて少しわかった気がする。今まで築いてきた関係が失われることの可能性や、「結婚して子供を作る」という多数派の期待に応えられない罪責感を考えると本当に憂鬱になる。
勝手な期待をして、その人の進む道を当たり前のように押し付けていないか。もし私に大切な人ができたならば、いろんな選択肢があるうえで、どれを選んでも不変の愛をもつことの姿勢を見せたい。
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