「最初は怪物探しをしていたが…」怪物 太公望さんの映画レビュー(感想・評価)
最初は怪物探しをしていたが…
一見明るい教室でも、目元、口元、その人の影や仕草でおどろおどろしさや不安を強調する是枝監督の最新作。
ネタバレなしであらすじを語るのであれば、前半は一人息子の異変から怪物の登場で徐々に生気が抜けていく、さながら完成した塗り絵から色が抜かれていき、ふちどりした白紙の絵に戻っていくように虚しくなっていく。そして終盤に明かされるそれぞれの心情によって色を僅かに取り戻す。白紙の塗り絵には新しくニ色が入り完成する。分かりにくい言い回しかと思いますが、観たい後押しになれれば幸いです。
このタイプの映画は見る人によって見解はもちろん違うのだけれど、テンポが早く注目して欲しい部分が明確ですっきりと観れる仕上がりでおすすめです。
そして本当の怪物は自分の後ろの席で、何故というタイミングでくすくすしていた男性なのかも知れない…
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