劇場公開日 2023年6月2日

「音楽と脚本と、監督と。」怪物 MOONさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0音楽と脚本と、監督と。

2023年6月5日
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私はずっと是枝裕和監督の作品が好きです。
そして坂本龍一さんの音楽も好きで、坂本裕二さんのドラマも好きです。
その超一流の3人が一緒に作品を作られるという事で、ずっと公開を待ち望み、そしてまた、その才能がぶつかり合い混沌とした作品になってしまうのでは?と一抹の不安もよぎりました。
しかし映画の終演後、その3人のあまりにも美しい協奏に、震えが来るほどに感動しました。

坂本龍一さんのAquaやhibari、と言った楽曲が好きで、「怪物」という名の映画で、もしかして怖いシーンに使われたらどうしよう、などとも考えましたが、それはそれは美しいシーンでこれらの曲が流れ、私はより一層これらの曲が好きになりました。

そして俳優陣の演技も素晴らしく、特に子役の子達の演技は、さすがの是枝演出といったところなのか、あまりにも自然で、あまりにも秀逸でした。

坂本龍一さんの最後の映画作品としては、大変素晴らしい作品を遺されたと思います。
タイミング的に、坂本龍一さんが亡くなられた後だった事、台風が通り過ぎた翌日に観た事なども相まって、この映画に感情的な奥行きを感じました。私は心から、この映画を皆さまにおすすめいたします。

追伸
本作は「カンヌ」「是枝裕和」「坂本裕二」「坂本龍一」と言った、名前先行で観に行った方々を吹き飛ばすような、骨太で本物の作品でした。上映開始1秒前までずっとうるさくお喋りをしていたカップルの女性が、終演後にすっかり黙り込んでいたのには、なんだか不思議な爽快感がありました。

MOON
humさんのコメント
2023年6月12日

フォローいただきありがとうございました。美しくせつなく記憶にのこる作品でしたね。

hum
みかずきさんのコメント
2023年6月6日

フォローありがとうございます。
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私、10年位前から、キネマ旬報、kinenote、Yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報掲載です。こちらのサイトには昨年2月に登録しました。
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本作、事件を複数の当事者の視点で捉えることで真実の多面性に鋭く迫った作品でした。多面的な真実の背景に性的マイノリティ問題があり、性的マイノリティーに対する日本社会の不寛容さにも迫っていました。
ラストは、作り手のイメージだと思いますが、救われた感じがしました。グッドエンドでした。

ー以上ー

みかずき