VORTEX ヴォルテックスのレビュー・感想・評価
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人生は夢の中の夢 =映画の中の映画
老いるのがすごく怖くなった。という意味で、へたなホラー映画よりずっとホラー。最後まで見てもまったく救われない。
唯一無二のフィルモグラフィーを築いている鬼才ギャスパー・ノエ監督らしい画面二分割。たまに両者の動作が一致することもあれば、実際の距離を超えてまるで相手を見ていたり、その逆も然り背中を向け合っているように見えたりもする。また、同一カット内で突然瞬きのように黒コマがインサートされる瞬間があったが、それが徐々に片方の画面だけで起こるようになって、まるで両者の間を隔て断絶する黒い線のように、心の距離のスレ違いや歩みの速さ、過ごす時間の一致していかないさまを表現しているようだった。そうした2画面ならではの対比や表現が画作りやクロスカッティングばりに生きていた、と思う(ex. ドラッグとドラッグ)。
正直、見るのがツラかったが、不思議と見ているときは画面から目が離せなくなるように見ていた自分もいた。
テラスで一緒に食事していた時は幸せそうだったのに
リアルすぎる老老介護
老いた夫婦の最期の日々を淡々と描いた作品。
ある程度年を重ねた方には身につまされる内容…
夫婦ともにインテリ層だっていうのに、どうして老老介護を選んでしまうんだろう?
自分たちの思い出で溢れた部屋、物や記憶に縛られてしまったとしか言いようがないか。
彼らの決断も、映像を見ているから言えることで、
実際自分の事となると、同じような事になってしまうのだろう…
と、妻の徘徊のように、ぐるぐる考えてしまう極めてリアルな老老介護映画。
妻の徘徊シーンがちょっと長すぎてしまって退屈に感じる場面もあったけれど、
二人それぞれの世界を画面分割で見せてくれる効果が、良くもあり、戸惑いもありました。
さて、普通に生活が出来ているうちに、ちゃんと終活考えとかなくっちゃ。
舞台になっている不思議な間取りのアパートメント。
中庭で軽い食事が出来たりして。
いいな、こんな部屋に住んでみたい。
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