「ブチョヘンザ」キラーカブトガニ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ブチョヘンザ
2年くらい前にTwitterでぽろっと流れてきた殺人カブトガニの映画、上陸を心待ちにしており、しかも劇場公開までこぎつけてくれたエクストリームには感謝が尽きません。
そして作品も80分の尺を全く無駄にせず、軽快に殺人カブトガニと人間との戦いを描く傑作になっていました。
カブトガニが遠慮なく人の顔面や体やアソコやらを噛みちぎっていくので、グロさはR15+に相応しいものだと思います。いきなり顔面を食いちぎって跡形も無くしたり、目玉でろーんな状態に仕上げたり、体のパーツを分け分けしたりとパターンも豊富なのも良いです。
理由はよく分かりませんが、巨大化して人間サイズになって人を襲いまくるのも面白かったです。挙げ句の果てに怪獣サイズになって暴れまくるもんですから、古き良き特撮映画を観ている気分に浸れました。街中で遠慮なく死人が出まくりますし、ぐちゃぐちゃにされる様子は不謹慎ながら最高と思ってしまいました。こういうタイプの作品を楽しんで観る自分は常識人の皮を被った狂人なんだなと改めて自覚しました。
カブトガニたちの行動も面白いです。バーにいた人間をまとめて襲った後に、浴びるように酒を飲んでいますし、サーバーから直でいくとか人間でもやらん事をやるのでバカバカしくて最高でした。カップルのビーチSEXを眺めていますし、AV観て興奮してたら踏み潰されますし、好きな音楽が流れてたら縦ノリしますし、気に入らなかったらDJ殺しますし、最終的には自分で曲を流しながらニット帽かぶってDJになるという頭の良さ。ペットにして飼いたいくらいです。
主人公が自身の足を治すために作った機械の知識を活かして巨大ロボットを作り上げるという、工程からは全く想像もできないものが出来上がりますが、そこに脈絡を求めたって仕方ないんです。勢い任せに突き進んでいくストロングスタイルが好きなので。取り外し可能な尻尾で攻撃とか訳わかりませんが好きです。絶対勝てんだろという状況でも兄と弟の黄金タッグで危機的状況を乗り越えるのもなんだか心に沁みました。
その後もカブトガニが巨大化して街を襲っているみたいですが、まさかの日本に上陸して街を破壊している描写が映されてエンドロールへ向かうという突拍子もない展開、監督は日本にこういう作品を好む人間がたくさんいる事を知っていてこのような場面を作ってくれたと思うと、困惑よりも感謝が勝ちます。ぜひ2作目は日本でも撮って欲しいです。クラファンやるなら出資します。
キャラも立っていましたし、感動できる場面は感動できて、笑える場面も多い、スケールもちょうど良く今年一本目のクリーンヒットが出た気がします。ピアース・ペロルゼイマー監督は追いかけないといけない監督になりました。
鑑賞日 1/24
鑑賞時間 16:35〜18:00
座席 E-12