「内から蝕まれつつある黒づくめ」名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン) movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
内から蝕まれつつある黒づくめ
劇場版コナンがハズレ続きとなってから距離を置いていたが、本作がランキング1位と知り久しぶりに鑑賞。
オバケ体力小学生と化したコナンの活躍は変わっていなくてこの作中でもさっきまで海中で気を失い灰原に人工呼吸されていた身が、すぐにブイを蹴飛ばす猛ジャンプキックを繰り出すのだから驚きだ。
コナンのキックはもっといくらなんでも不可能だろと思わされた、異次元の狙撃手でご都合主義すぎて引いてしまってから久しい。
が、しかし、シンガポールでテロリストさながらの紺青の拳が全て酷すぎて日本人として恥ずかしいレベルだったので、今作を普通に最後まで見られたことで、かなりコナンのリハビリができた。
黒づくめ、ピンガとかいう仲間増えてるのか。
そして、老若男女システムで正体がばれた灰原哀はピンガに攫われるし、老若男女システムを作った直美も攫われるが灰原哀の子供時代に2人は知り合いだったとか。
色々ふーんと思うが、世界中の防犯カメラ映像を繋いでAI解析できる海中拠点パシフィックブイは爆破されありえない巨額損失が出るだろう。
防犯カメラで追われると都合が悪いことばかりの海外逃亡当然組織黒づくめがシステムを乗っ取りたいのは納得しかない動機だが、黒づくめは相変わらず、レーダーに映らない潜水艦など軍事的に相当な投資と技術を持っている。なのにベルモットの工作により老若男女システムは失敗とあっさり興味をなくす。
変なの。
犯人候補がもともと4人しかいないので、誰だ誰だと思いながら見るが、カップに付いた口紅を拭う無意識の仕草が仇となる。が、その女性グレースの正体は、男性ピンガ!!5年もシステム組織のブレインメンバーとして潜伏しているうちに、女性仕草が無意識に出るようになってしまったのか?
意味不明だが片ピアスにこだわりがあったり、人の死に慣れすぎて同僚を殺しじっくり観察するなど、個性が強いキャラであり、灰原哀とコナンの正体に気付いたのだから黒づくめのジンの役職を狙うには相応しい仕事ぶりではないだろうか?システムにも長けている。
だがしかし、コナンにジンそっくりでチンピラもどきだと煽られすぐに激昂する幼稚浅はかな人格でもある。
今作でジンに処分され、正体を明かされてはまずい灰原哀とコナンにとっても都合が良いと、観ている者がある意味ホッとしてしまう、人間の感覚の恐ろしさ。
コナンを救助するため灰原哀はコナンに人工呼吸したが、灰原は蘭にも人口呼吸されにいき、コナンの唇は蘭に返したと言っている。
うわぁなんだその理屈!間接キスの嵐!
ブローチ整理券を知らずにベルモットに譲ったから、元シェリーの灰原哀の命が見逃されるようベルモットが動いてくれたのか、おそらく同じ若返り薬を飲んでいるベルモットにも老若男女システムは正体バレのリスクがあるので黒づくめの手に渡ると都合が悪かったのか?
いずれにせよ、ベルモットと、黒づくめに潜入捜査中の2人のおかげで、灰原哀も直美も助かった。
潜水艦を空中狙撃させるため、花火サッカーボールで海中から照らしまくり、撃たせることに体力を使い果たしてコナンは殉職しかけた。
こんなに潜入捜査官達の力も大きいのに、なぜまだ捕まえられないのか?
じわじわ黒づくめの内からの裏切り弱体化が進んでいるようだ。
そろそろやんなっちゃうよと毎回思うのに、コナンシリーズは金のなる木ゆえ、ずーっと泳がされる黒づくめ達とずーっと小学生のコナンと、ずーっと待ち続ける蘭と、ずーっとやきもきさせられる日本国民。