「哀ちゃんの活躍で「得した気分」。」名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン) ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0哀ちゃんの活躍で「得した気分」。

2023年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

とても楽しめる作品になっている。テンポと展開が良く、「コナン」の話に詳しくなくても、自然に引き込まれる。アクション的な見せ場が多く、ストーリーもとてもよくできている。アクションの面では、特にコナンの海中での大活躍には、今まで見たことがないような新鮮な爽快感を感じる。なぜインターポールの施設が八丈島沖の海中にあるのか、悪党が潜水艦に乗っているのかという素朴な疑問が湧くが、すべてはコナンの海中での見せ場を演出するための設定だろう。
ストーリーに心が動かされるのは、登場人物の強い思いが伝わってくるからである。特にコナン(新一)、哀(シェリー)、蘭の3人の関係が面白い。コナンと哀は運命を共にする同志的な信頼感があり、新一と蘭は恋愛関係だがコナンは正体を明かせないもどかしさがあり、哀は新一に好意を持っているが彼の蘭への強い思いを分かっていて見守っている。そんな不思議な三角関係が良く描かれていた。海中でのコナンと哀のシーンは、そんな三人の微妙な関係が現れていて心打たれる。
この作品の面白さは、「コナン」の原点に戻っているからだろう。コナンと哀がこどもの姿になった理由や黒ずくめの組織との因縁、コナンが阿笠博士の協力があってできる超人的な活躍などが「コナン」の原点の面白さだと伝わる。それにコナンだけでなく、哀の物語もクローズアップされていてとても得したように感じる作品でした。

ガバチョ