メグレと若い女の死のレビュー・感想・評価
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ほのめかしにすぎる。
1922年。パトリス・ルコント監督。1950年代のパリ。不釣り合いに高級なドレスをまとった若い女が刺殺体で発見された。メグレ警視は女性の身元を探るうちに、地方からパリにやってきて苦労する若い女性に若くして死んだ自らの娘を重ね合わせて、という話。 ジェラール・ドパルデューがすっかり老け込んだ肥満気味の警視。原作を想起させるための小ネタを随所にちりばめてファンをくすぐりつつ、なんらかの感情が湧き上がってくる予感をほのめかしつつ、しかし、決定的な場面、しぐさ、身振りが決定的に描かれるということはない。どこまでもくすぐり、ほのめかす。 愛情と性癖、格差と搾取、結婚と財産、などといったミステリの定石を扱っているのだが、怪しさが中途半端で恐ろしかったり、どきどきしたりしない。若い女性に独特の興味を持つ初老の主人公の視線だけでも、庇護者的なものと性への渇望的なものとが混じり合っているか混じり合っていないのか、でどきどきできたと思うのだが、そうなっていないのは残念。
推理する犯人を当てる要素はでも
犯人当てを期待して行った僕には、物足りなさを感じつつも、どこの国でも若者は夢を抱いて都市に出るんだ等々変わらない そこ(都市部)にある魅力とは…そこには夢と共に危険も潜んでいる その危険に巻き込まれたプラスその無念を紐解くメグレが、時代背景や自分の境遇を交えながら犯人を導きだしていく ミステリー好きには少し物足りないかも
23-046
ミステリー小説原作らしく、 映像、音楽、セリフ回しも抑えめのトーンで静かに進む。 そのせいで前半はウトウトしてました。 後半の展開の変化、真相へ進む展開は、 小説原作らしく練り込まれたもの。 人間の醜さは歪んだ偏愛の中に潜む。 ヤダヤダ😩
メグレの丸めた背中が語るもの
原作シムノン、監督ルコント、主演ドパルデューでメグレ警部ときたら、フランス映画ファン必見ですが、出来はまあまあな感じでした。お話し自体はそんなに盛り上がるわけでなく、淡々とメグレの聞き込みや取り調べが繰り返され、ややもするとサスペンスとしては単調です。むしろ、脇筋とも言えるメグレとベティの交流がドラマに深みを与えていて、メグレ夫人とベティとの短い会話から、メグレが彼女の中に死んだ自分の娘を見ていることをさりげなく観客に分からせる演出は上手いです。最後に彼女を見送るシーンで、がらんとしたバスの車庫の中で佇むメグレの巨体が小さく見えるのも、彼の孤独感を表しているようで、しんみりとします。また、モノクロかと思えるくらい色調を抑えた映像は素晴らしく、曇天ばかりのパリの雰囲気や陰影感のある室内での役者の表情が見事に捉えていたと思います。役者では、久々の主演作のジェラール・ドパルデューが、いつもの情熱的な演技でなく抑えた演技を貫いているのが素晴らしい。ベティ役のジャド・ラベストは全く知らない女優さんだけど、眼力と低い声の台詞回しが印象的でした。
若い女性に言い寄られても 落ちない所が偉い。
それがしだったら あの場面と あの場面で 100%....落とされてしまうわ。 あの体系だし 役には立たないと思いますけどね。 雰囲気も 捜査も良い感じでした。
画面が素敵
ミステリーとしては特に複雑だったり奇をてらったりということはない。古い小説だしね。 少し昔の時代劇として見るととても良い。暗めの画面に、建物、衣装、道路、路地等、佇まいがとても素敵で説明台詞もあまりなく、品がいい。 雰囲気に浸りたいひとはぜひ。
来た目的は?
身元不明の女性が遺体となって発見されるが手掛りは皆無。何やらこの年頃の娘に因縁をもつメグレ警部…いや、メグレ警視の物語。 内容としては王道のミステリー作品といった所でしょうか。 序盤から何やら不穏な空気。そして早速死んでしまい、メグレの聞き込みが始まり、真相に近づいていき… と、ポンポンとテンポよく進み、非常に見易い展開になっており◎。 登場人物は皆どこか怪しげ・・・だが、そもそも人数が少ないので、誰が犯人かというよりは、何故そうなったのか、そこに至るまでの過程は?というのを楽しむミステリーですね。 時間も90分弱とコンパクトで集中して観れるし、小難し過ぎずとも、登場人物皆の一言一言の隅に何か引っかかるものもあり、考察しながら観れてとても面白かった。 でも、最後ちょっとあっさり過ぎたかな…。 まぁ予想通りと言えばそうなので、改めてじっくり説明してもらう必要も無いと言えば無いが、少し寂しかったかも。 んで、犯人さん。ルイーズのこともそうだが、そもそもそんなことやってたなら遠からずダメになってたと思うけど。報酬ありとはいえ足なんていくらでもついちゃうよそれじゃ。。 ツッコミどころもちょっとあったし、結局よく分からないままな所もあったように感じたが、ミステリー映画大好きなので、この王道な物語は大いに楽しめました。 メグレさんの背景ももっと見てみたかったですね!
パトリス・ルコントが描くメグレ警視
大好きな映画「髪結いの亭主」のパトリス・ルコントが監督。 名優ジェラール・ドパルデューがイメージよりもだいぶお年を召したメグレ警視を演じるだけあり、今回は冒頭からメディカルチェックのシーンがあり、体調を気遣い代名詞のパイプはお預けw。 ある日若い女性の遺体が発見されたことから捜査が始まるが、自分自身も娘を亡くしており、いつも以上に捜査への執着心が強く、過去に医学を学んでいたため遺体の解剖にも積極的に立ち会うなど、メグレ警視の有名なプロフィールを漏れなく忠実に表現しているところも嬉しい。 時折り挟んで来る夫人とのシーンもほのぼのしつつも、宿無しの少女を自宅に泊めるなど捜査のためなら公私の別をわきまえる事なんか全然なし。 地道で堅実な聞き込みと少しだけトリッキーな囮捜査で徐々に遺体の素性と真実が解き明かされて行き、意外性や派手さは無いものの燻し銀の面白さが随所に散りばめられており楽しく観る事ができた。
ルコント作品だからこそ。
個人的にミニシアターに足繁く通い始めた、そんなきっかけを作ってくれたのが初期ルコント作品だったように思う。久々の新作が日本で観られるということで、ストーリーなどチェックせず鑑賞。 久々のルコント以上にインパクトがあったのはドパルデュー。あのデカさには驚いた。アパートの階段を6階まで上るシーンの先に、心臓発作で捜査が行き詰まるのではないかと心配になった。
ポクポク警視
1953年、モンマルトルの広場で発見された20代未満とみられる女性の遺体が発見された事件を捜査する話。 原作未読どころかメグレ警視も知らずに観賞。 被害者は高級なドレスを着ているけれど、アクセサリーも靴もそれ以外の所持品は安物ばかりという状況から、身元の特定と事件の真相を追っていくストーリー。 冒頭ドレスを着させて貰う若い女とちょっとしたいざこざ的やり取りもあって、というかそれ以外にフリがなくて、まあその辺が答え合わせで掘られて行くのですよね、という感じではあるし、ひたすら話しを聞いていく展開だし、オチがイマイチ盛り上がりに欠けたけれど、なかなか面白いサスペンス、というかドラマだった。
純粋にミステリー。
最近、こういう落ち着いたミステリーって少ないから新鮮だしじっくり見ていられる。当時の時代背景もわかるしやっぱりこういうミステリーって好き。クリスティーの新作とかもまたみてみたいなー。
どこ切っても絵になる
若い頃観たルコント作品は芸術的すぎてなかなか難しいと思ったけど、これはストーリーもわかりやすくて面白かった! 色んな人の色んな欲が絡まってこんがらがった事件。 衣装も背景もお洒落で素敵。 サスペンスだから血も出るけど、何というか色々芸術的。 暗めの照明、色気のある演出が私の記憶の中にあるルコント監督の作品と同じだったけど、推理ものなので起承転結がはっきりしていて物語がわかりやすく面白かった。 ドレスや小物も可愛くて、上流階級も庶民もどこで切っても絵になる感じ。 美しかった。 シリーズにして!とみんなが思う気持ちもわかる。 私も次回作を希望。
目暮警部ではない
2023年2月27日 映画 #メグレと若い女の死 (2022年)鑑賞 #ジョルジュ・シムノン のミステリー小説の映画化です。オーソドックスな展開ですが、#ジェラール・ドパルデュー 演じるメグレ警視が渋くって、そして人間臭く真相に迫っていくところが見所です @FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
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