「これはパイプではない」メグレと若い女の死 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
これはパイプではない
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ジョルジュ・シムノンのメグレシリーズとはもともとあまり相性が良くない。論理的に謎を解くというよりは、もっとふわっとした感じであいまいに帰結する感じ。シムノン自身がプロパーの推理作家というわけでもないので、いたしかたないのかもしれないが。
被害者と瓜二つの女の子を見つけるとか、終盤その娘を見てジャニーヌが被害者と同じ行動に駆られるとか、偶然の要素が多すぎる。
ジェラール・ドパルデューはしばらく見ないうちにとんでもない巨漢になっていて、びっくりした(特殊メイク?)。あれならネロ・ウルフやドーヴァー警部もやれそうだ。
メグレがパイプを指して「これはパイプではない」と言い、ベルギーのジョーク云々というくだりは、おそらくベルギーの画家ルネ・マグリットの「イメージの裏切り」に依拠したものと思われる。
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