ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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生きて帰ってこいって言ったじゃないですか…
正直、ゴジラにはあまり興味がないのですが山崎監督の作品はALWAYS三丁目の夕日や永遠の0が好きというのと出演されてる役者さんが好きな方ばかりだったので予備知識なしで鑑賞。
とにかく迫力がすごかった!という言葉が感想のはじめにうかぶほど迫力に圧倒されました。
物語は戦後、徐々に復興していくなかでのゴジラ襲撃の話しですが、戦後とゴジラが上手く120分でまとまっているなと思う反面、少し物語が急足のようにも感じました。
それでも戦後で生き延びた人達のやり場のない怒りや「自分は生きてていいのかな」という罪悪感。
「生き延びたからこそ強く生きなければ」という力強さが描かれていて、どんなに恐ろしくても得体の知れないゴジラに立ち向かうのは、生き延びたからこそ大切な人のいる場所を未来を守りたいという想いの伝わる映画でした。
余談ですが、敷島(神木さん)が典子(浜辺さん)に名前を聞く際に"あなたの名前"とかではなく"君の名前"と言ったので一瞬「君の名は」が頭にうかんだのはわたしだけではないのでは…笑
山崎監督の遊び心だと面白いなと思います。
ゴジラに興味のない方でも楽しめる映画だと思います。
是非、劇場のスクリーンでの鑑賞をおすすめします。
一番好きなゴジラモノかも
戦争
神木君の熱演良かった
のっけから大戸島ゴジラとか、話の軸とか、思っていたより良かった。
あまりにも存在感のない政府やあれだけのことをされても何もしないアメリカとか、作戦の怪しさとか、生きてるのとか、あのTVスタッフとか、細かなツッコミどころは色々あるけど、それは山崎作品だし織り込み済みだったので、綺麗事でまとめるんだろうと思っていた範疇だったけど、神木君の熱演が良かったので満足でした。
ゴジラ映画なの?
ゴジラは良かったけどなあ・・・
神木隆之介と浜辺美波という「らんまん」コンビが主演を務めたゴジラ70周年、かつ日本制作の実写版として通算30作目の記念すべき作品でした。前作の「シン・ゴジラ」は現代日本を舞台としていましたが、本作は大東亜戦争敗戦直後の日本を舞台にしており、その点非常に対照的でした。というか、1954年に制作された第1作は同時代を舞台にしていましたが、それ以前の日本を舞台にしたゴジラは初めてだったそうで、そういう意味で「−1.0」というのは、「敗戦で全てを失ってゼロになった日本を、ゴジラがマイナスにする」という意味だけでなく、時系列的に「バージョン−1.0」という意味も込められていたんだと気づいたところです。となると、本作の終わりから第1作までの時代設定で「ゴジラ ゼロ」が次回作なのかも知れないなと思った次第ですが、これは気が早過ぎでしょうか。
さて本作の感想ですが、ゴジラそのものの迫力とかカッコ良さは大いに評価できると思います。敗戦直前、特攻隊員だった主人公の敷島浩一(神木隆之介)が、お馴染み”大戸島”で出会った(襲われた)時のゴジラはまだ子供で、その後敷島が復員してから東京を襲ったゴジラは大きく成長しており、この辺りの芸の細かさは出色の出来だったと思います。そして無類の強さで東京を蹂躙するゴジラの姿も上々でした。
ただ残念だったのは、ゴジラの登場時間がちょっと少なかったかなと感じられたこと。ゴジラの活躍よりも、「らんまん」コンビを中心とした人間ドラマの方に重心が置かれていたようで、この辺り個人的にはあまり賛同できないものでした。
また、敗戦直後の東京の街の外形的な再現というのは、(実物を見ていないので正確な評価は出来ないものの)そこそこ忠実に行われていたんだと思います。しかしながら、外来語を織り交ぜる言葉遣いとか、”民間主導”でゴジラ退治をしようというGHQ及び日本政府の対応というのが、あまりに現代風というか、時代考証もへったくれもない感じで、鼻白んでしまいました。さらに言えば、その日食べるご飯にも窮する極貧状態という設定なのに、神木隆之介や浜辺美波のお肌がツヤツヤで、(大袈裟に言えば)日本におけるメジャー俳優での映画創りの限界を感じました。
そんな訳で、ゴジラそのものは良かったものの、登場シーンが思ったより少なかったことや、時代考証的に納得できなかったことから、評価は★3とします。
でも、ゴジラ映画の幅は拡がった。
5日前に「シン・ゴジラ オルソ」を観たので、どうしても比べてしまうけど、ご容赦を。
ゴジラはヒレと体格、足が大き過ぎだったかな。顔も犬顔で、モナークが出て来そう。熱線吐く前のヒレの動きも生物的ではない。…と、個人的好みはともかく、ラストの海中シーンを観ても「あれが1954ゴジラにならんだろ」と冷める終わり方。
あと、最後に典子の首にあった黒い筋は何?まさかシン・ゴジラのラストみたいに典子が1954ゴジラに⁉︎
ゴジラの頭が吹っ飛んで、船上の皆はなぜゴジラに敬礼してたの?そんなに思い入れできるような関係性出来てたかな?(パンフレットには、光芒の中崩れていく荒ぶる神への畏敬のような説明を見つけましたが。)
「銀座」と聞いただけで、ゴジラに咥えられた列車→川の中→何故かゴジラの進行方向の大通りに戻るという「エクストリーム移動」した典子を見つけた敷島とか、やはり「?」と感じる部分が多い脚本。
水深1500メートルの相模湾沖でいきなり立ち泳ぎし、駆除装置の巻き付けを待つゴジラとかもね。
それでも、素晴らしいVFXや劇伴(伊福部は言わずもがな、佐藤直紀氏は永遠の0感高いけど)、音響は、現時点で国内最高峰ではなかったか。また、艦船や兵器、ゴジラ駆除装置もカッコ良く、特に震電が飛び回る姿にニヤニヤしてた。映画館で観るべき作品とは思う。
キャストも良かったのですが、流石に一月前まで毎朝のように観ていた(最終話で涙まで流してしまった)二人を見ると、あいみょんが脳内再生される。時期の問題なんだろうけど。
自分史上
一番怖くて、容赦の無いゴジラだったと思います。今までは少なからず人間の味方的な感じもあったと思いますが、今回は違いました。現代でも勝てないのに、戦後すぐの時代では倒すのは難しい事だと思いますね。
怪獣映画に人間ドラマは必要か
シン・ゴジラが庵野監督によるゴジラの2次創作だとしたら、今回の作品は正当派シリーズと2次創作の中間といった感じか。
今作が過去作と大きく違うのは、物語の「主役」が存在し、その主役を中心に物語が描かれていること。
これまでも一応物語の主役的な存在はいたが、それはあくまでゴジラと対峙する人間側の代表的な存在であって、人物の物語が描かれることはほとんど無かった。
それが今回は、神木隆之介演じる敷島が「戦争で生き残ったことへの苦悩」を持つきっかけから、それを乗り越えるまでが描かれている。
まずここに抵抗を感じるかどうかで映画の評価はガラッと変わる。怪獣映画に人間ドラマを求めないファンは一定数いるだろうし、実際ハリウッド版ゴジラ(2014)のドラマは個人的にめちゃくちゃノイズだった。
個人的に今作では、その人間ドラマがノイズにならないギリギリのバランスで、なおかつゴジラと上手く絡められており、抵抗無く最後まで観れた。
単純に「帰還兵の苦悩」とゴジラを絡めるという発想が凄いなと感じたし、これなら今作の舞台が戦後間もない日本である理由も納得できる。
ただ、それを描くなら「ゴジラである必要はないだろ」という意見もあるだろうし、それは本当にそう。ここはもう山崎監督作品だからと割り切るしかないと思う。
肝心のゴジラの描写に関しては、CGゴジラの中ではハリウッドも含めても過去最高だと思う。CGになってから、昔の特撮にはあった怪獣の「重厚感」が失われてしまっていたけど、今回はそれがしっかり表現されていた。そこは流石VFXのプロという感じ。
もう少し暴れ回るゴジラを観たかった気もするけど、戦わずにただ暴れるだけのシーンって意外と間が持たなかったりするので、それは仕方ない。ゴジラの造型もミレニアム以降で1番カッコいいと思うし、このゴジラで続篇が観たい。
1つ残念だったのは、シン・ゴジラに続いて今作でもゴジラがクリーチャーみたいな生物として表現されていたこと。回復が早いとかは良いんだけど、流石に裂けた口が爆速で治るのはうーん…
最後の最後もサービス的な意味合いも含めて復活を予感させたのだと思うけど(絶対やると思っていたし)、粉々に崩れたなら流石に復活にも違和感。
ゴジラは生物として最強であってほしいけど、生物を超えた存在にはなってほしくないなぁ。
その他、軍艦の異常なスピードでの調達や、「ダンケルクか!!」と言いたくなるような民間船の参戦からの爆速数珠繋ぎ、そして最後の展開などご都合主義やツッコミどころも多い作品。
だけどまぁそもそもファンタジーだし、典子の生存は敷島が戦争を乗り越える上でやっぱり必要だったのかなぁと思う。賛否あるのは間違いないが、あれはあれでとても良かった。
色々な考察も早速出ているが、正直今回は映画内で描かれていないところの伏線みたいなものは無いと思う。山崎監督があまり裏設定にこだわっているイメージも無いし、庵野作品のような「実はあれは…」みたいなものがあるとは思えない。何より邦画のお約束みたいな展開が好きな監督だし。もちろん考察は自由だけど。
「シン・ゴジラ」という大当たりした作品の後ということもあり、ゴジラ映画のハードルもかなり高くなったと思うけど、個人的に「シン・ゴジラ」より総じて楽しめた作品だった。怪獣映画を観たいなら、お勧めできる作品。
やはり
これはゴジラ映画か?
まず最初に断っておくと、おそらく自分はターゲット層ではなかったのだろうな、と漠然と感じているところです。
以下、感想。
あまりにも「シン・ゴジラ」に引っ張られすぎている。
監督がゴジラを撮るにあたって、過去作品が好きなのは構わないが、あまりにも直近の作品と類似してしまうのはどうなのか、とは思う。
そも、山崎貴監督作品が苦手だとという前提もここに添えておく。
今回のゴジラは「ゴジ泣き」なるワードを推しているようだが、根っからの天邪鬼なもので他人に「泣きなさい」と示されることが滅法嫌いで、映画においては自然発生的に泣きたい面倒くさい思いがある。
その点、泣けなかった。
(というか、ゴジラと感動は最も程遠い場所に位置してそうな気がするのだが……。)
正しくは、泣けそうなシーンは多々あるのだが、その度に山崎貴監督の(余計な)シナリオが水を差してきて、涙が引っ込んでしまうのだ。
シーンごとの落差が大きく、感情の分断がすごい。
海溝よりも深く深く分断されてしまう。
例えば、もうラストシーンだが、敷島と坊主が港に戻ってきて熱い抱擁を交わすシーン。
あそこは良かった。
ウルッと涙腺が緩んだ瞬間、果たして作中におけるネームドキャラクターとして存在する意味が薄い安藤サクラ扮する澄子が登場し、典子が生きていることを伝えにくる。
あ、うーん。
涙ひっこんじゃう。
さらに遡って、銀座で典子がゴジラに襲われるシーン。
さながらSASUKEのごとく一人電車に取り残され、絶対絶命、さあどうなる……!?
いや……あの……
そ う は な ら ん や ろ。
そしてその直前のシーンで「自分は絶対に生きなければならない」と言いながら、ゴジラに接敵した後は生きる方策をとっているように見えない。
(あまりにも巨大な存在に価値観を打ち砕かれたとも見えるが)
熱光線のシーンは敷島がどうにか助かっている点から、もっとこう、やりようがあったでしょ!? となる。
さらに、敷島の「自分の戦争が終わってない」という言葉、それは確かにそうだろうが、だからと言って、じゃあ何をしているのか。
キャラクターの言動や行動理念が理解できない瞬間がある。
だから、話が入ってこない。
さらに、安藤サクラや佐々木蔵之介といった錚々たるメンツではあるが、こと今回のゴジラにおいては異物にしかならなかった。
安藤サクラ扮する澄子は、戦争で子供を亡くしてしまい、アキコを育てる手助けをする口は悪いが心は優しい隣人だが、どうにも台詞回しがいちいち奇妙。
「バッド・ランズ」ではその軽妙な口調はひどく堂に入っており凄みを感じたが、今作の背景美術の中でその演技をすると、如何ともしがたく異物感が生まれる。
また、佐々木蔵之介。
こちらは、最後まで「どのポジションの誰」なのかわからない。
ちょいちょい名台詞っぽくカッコ良さそうなことを言うが、あまりにも唐突なのと演技演技しすぎているせいで、頭に入ってこないのだ。
こちらも安藤サクラと同じように演技が絶妙に軽い。現代劇なら良かろうが、元軍人然とした人たちに混じって飄々とした態度と口調で存在しているので、それもまた違和感を得てしまう。
この二人は役者ありきで役があるような、そんな邪推が立ってしまう。
例えそうでなくても、そう思ってしまって作品を観る邪魔になるのだ。
結局、ゴジラに余計な朝ドラのような脚本は要らない。
戦争(終戦)を描きたいのか、ゴジラを描きたいのか、朝ドラがしたいのか、全てが片手落ちのように思えてしまい、せっかくの良いシーンが全部勿体無い出来になってしまった。
最後に、色々書いたが良かったシーンは以下。
ゴジラの全部。
ゴジラ登場から戦闘、それら全ては格好良く絶望的なまでに強く、とてもよかった。
お決まりのBGMは映画音響で最高の出来だし、テンションぶち上がる。
戦艦高雄との海上ファイトなんて二度と見られないであろう画作りで、これまた素晴らしい出来映え。
だからこそ、本当に惜しい。
悪くない。
悪くないのだが……。
自分が求めていた「終戦直後の復興に向かっている日本にやってきたゴジラの映画」とは違うものが作られたな、というどうしようもなくなった感想はこれにて終わる。
結論、これはゴジラ映画ではない。
「神木隆之介・浜辺美波のW主演映画」でしかないのだ。
ほんのちょっとのスパイスとしてゴジラを添えて。
あと、これで本当に最後にするが、山崎貴監督作品の演技指導というか、演技の作り方が苦手。
いわゆる「自然な会話」を好まない監督なのだろうな、と思う。
常に「演技している感じ」を求めて、「大仰さ・わざとらしさこそ最良」とする作品作りに終始している気がする。
(今回でいえば「これからの時代、お前たちに託すぞ」的なセリフ。何コレ?)
うーん、苦手だ。
ゴジラのブランド
大ヒットした庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』のあと、山崎貴氏がゴジラ映画の監督を引き受けるのは、相当勇気が必要だっただろう。いまさらお子様映画には戻せないし、だからといってリアル路線は庵野監督が突き詰めてしまったからだ。そこで山崎監督が考えたのは、基本的にはリアル路線を踏襲しながら、時代設定を終戦直後にして差別化を図ることと、主人公・敷島浩一元海軍少尉(神木隆之介)の背景を深掘りして「身近な人を守るためにゴジラを倒す」という動機を明確化することだった。
狙いはほぼ当たったと思う。ゴジラ討伐に「科学特捜隊」的なちゃちな組織や「オキシジェン・デストロイヤー」的な架空の物質を登場させないのはよかった。逆に、木造掃海艇、実在の重巡洋艦「高雄」や駆逐艦「雪風」「響」、局地戦闘機「震電」を活躍させたのも秀逸。VFXも見ごたえ満点だ。
もちろん細かいことをいえば気になる点はいろいろあって、いくらソ連を刺激しないためといっても日本政府や米国政府がゴジラ討伐を民間(シヴィリアンという意味?)に丸投げするとは思えない。野田健治(吉岡秀隆)が考案した方法で推定体重2万トンのゴジラを相模湾に沈めたり再浮上させたりすることが科学的に可能なのかも疑わしい。2隻の駆逐艦の推進力だけでゴジラを引き揚げるのが難しいとき、多数の民間船が助っ人に駆けつけるのだが、あっという間に牽引ケーブルを駆逐艦に接続するのも不自然だ。日本のほぼ全閣僚を一瞬で殺してしまった庵野監督の非情さに比べて、山崎監督はラスト、浪花節に流れたなという印象も受ける。
しかし、日本の誇るゴジラ映画のブランドは守られた。一見の価値はある映画。
山崎監督、やっと打てましたね!
泣かそう泣かそうとしてくる感じが鼻につく
やっぱり山崎作品は肌に合わないんだなってのを再確認した映画でした。
クサくて先の読める本とクサい演技がしんどくてしんどくて…。途中から早く終んないかなって思って観てました。展開はほぼほぼ予想通りというか予定調和というか、見え見えの伏線は予想通りの結果に帰結します。わかりやすく作ったのかもしれませんが、意外性は皆無でした。
唯一そう来たかって思ったのは震電の脱出装置の存在を予め知らされてたってとこですね。爆弾の安全装置と言われてたレバーが実は脱出装置だった、という展開だと思ったんですけど。あとは割と予想通りの展開でした。
あと色々細かいとこ気になる点が沢山あったんですけど、多分粗探ししちゃうくらい物語に没入出来てなかったということかと思います。
ゴジラの放射線発射シークエンスはカッコよかったです。あと、ゴジラの大きさの演出とかゴジラによる絶望感とかは見事でした。
「ゴジラ-1.0」派?「シン・ゴジラ」派?自分はシンゴジラ派
本作と「シン・ゴジラ」、好みは人それぞれだとは思いますが自分は後者の方がお気に入りです。
別に本作を貶すつもりはないですが、「シン・ゴジラ」の内閣総辞職ビームを劇場で見た際の衝撃を本作では感じなかったので。
初代ゴジラのオキシジェン・デストロイヤーといった対ゴジラ特効薬を使わず、手に入りそうな素材を組み合わせた対ゴジラ戦の評価は、人それぞれでしょう。
(個人的にはイマイチ)
ついでに言えば、ご都合主義は結構目ににつきます(整備主任の描写はちょっとひどい)
でも冒頭の特攻クズレをそのままアル〇〇ドンみたいな解決策にしなかったのは良かった。
(伏線が大きすぎてまさかそんなことはしないよね、するなよ、と念じながら見ていました。)
山崎貴✕戦争✕ゴジラ
=山崎貴の戦争(を題材とした作品)はまだ終わっていないのだと…。"ALWAYS永遠の貴"でゴジラ作品というより山崎貴作品になってしまって"ゴジ泣き"なるか?という鑑賞前の心配は正直な話、実際見てみて全くの0(ゼロ)ではなかったけど、思ったよりも全然楽しめた。人間ドラマ・パートの退屈(タル)さなど、山崎貴作品らしい悪いダメなところはそのままだけど、肝心のゴジラ・パートがワクワク楽しめるものになっているから、ご都合主義もまだ愛でられるうち。設定は時代設定的にも妥当で、そのテーマとしての分かりやすさと普遍さみたいなものが嫌いじゃなかった、理に適ったプロットとキャラ設定。"生きて贖え"じゃなく"生きて抗え"、疑似家族を形成していくのも現代らしい。
CG・VFX頑張っていた。ゴジラのビジュアルに、海中からの熱線や対ゴジラ決着の付け方など、決めカットになるような格好良いカットも所々あって、楽しく面白く見ていられた。満足いく破壊シーン!スピルバーグ味もそこそこに『ジュラシック・ワールド(炎の王国)』『ジョーズ』『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング(これは公開時期的にも偶然)』『ダンケルク』など他作品が頭を過る瞬間もあった。やっぱりJJ。そして、あのテーマソングが流れたら無条件で圧倒的高揚感に包まれる。『シンゴジ』における"背中ビーム(背ナビー)"のような、今回作り手が足した"+1"は見てのお楽しみ。あれ、フィギュアで再現してほしいし、なんなら海賊危機一髪みたいなゲームにもできそう。
神木くんは髪を切ると当時の人に見えてきた。浜辺美波は、『シン・仮面ライダー』と本作ですっかり特撮の人?やっぱり由緒正しき東宝シンデレラの系譜か。あと、始終演技のテンションが周囲より浮いていた佐々木蔵之介の暑苦しい演技(友人の言葉を借りるなら"ずっとウンコしたそうな顔")。普段はむしろスーツ背広着た官僚側のイメージのほうがあるのに体制に楯突く側の現場感。誰かが貧乏くじを引かなきゃいけねえんだよ!情報統制はこの国のお家芸だよ!白い歯も眩しい山田裕貴と山崎貴組常連・吉岡秀隆は安定。結局、ピンチを乗り越える胸熱くなるような展開は、"予期せぬ援軍"しかないね。他の何処でもなく此処日本で。
P.S. 予期せぬ早々の退場で途中から、とある出演者のファンは、MCU『エターナルズ』"マブリー"ことマ・ドンソクのファンのように、"無"になっているのではないかと心配した。『ゴジラ-2.0』いつですか?
ジリ貧
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