劇場公開日 2023年11月3日

「この世界の片隅で、彼たちは」ゴジラ-1.0 かめなくさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5この世界の片隅で、彼たちは

2023年12月26日
PCから投稿

主人公の敷島のリベンジについての物語なのだと思う。
戦中に、同僚や銃後の人々を失った事。戦後も又、家族を失いそうだった事への。
それらの敵を討ってみせようと、自身の臆病さを消し去った主人公(神木隆之介)
の演技は意外だ。役者のイメージは、2,5次元的なフワッとしたものだと思っていたが
復讐心にかられた姿は、ドスが効いてて、ナカナカのものである。
彼が終盤に、戦闘機で出発する場面でかかる音楽が、「風の谷のナウシカ」で後半
ナウシカがペジテの飛行船から、グライダーで飛び出す場面の音楽に少し似ている。
山﨑監督が、「いずれナウシカの実写化をしたい」と、テレビで言っていたが
何か、関連するものがあるのか?と思う。(どちらも巨大生物を誘導するし)

あと、闇市や建て直された家、銀座など、セットやCGを使い、背景を構築しているが
やはり、架空の過去の出来事ということで、トイボックス的な世界観だと思う。
ワダツミ作戦の説明時に使ったゴジラと海の模型ののような、である。
シン・ゴジラは現実の背景が中心的になっていたが、同作とおなじく
「スクラップ アンド ビルト」後の都市の姿は未定。
主人公の復讐は行われて、架空の過去はクローズするが、ゴジラ以後の東京は
どうなって行くのか、少し興味が有る。
そして、典子(浜辺美波)が、絶望的な破壊から生還していても、私は疑問を感じない。
トイボックス的な世界の中で、主人公の「救いの天使」のような役柄だからです。

かめなく