「面白かった。そして泣けました。」ゴジラ-1.0 けいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった。そして泣けました。
札幌にできたばかりのTOHOシネマズで轟音シアター初体験はやはりゴジラでしょう、ということで観てきました。素直に面白かった。そして僕は何度も泣けました。ゴジラ映画でもあるけれど、むしろ戦争映画としても十分に楽しめるクオリティーでした。日本人の心を揺さぶります。オススメです。今年の実写の邦画では一番良かったです。
神木くん、吉岡くんと二人の有名子役から俳優になった、世代の異なる二人が共演するのは感慨深いです。浜辺さんと共演だと朝ドラと同じですが、こちらの神木くんのほうが良いです。
(以下は僕の心の琴線に触れたことを書かせてください。ある意味ネタバレですがご勘弁を。)
十八試局地戦闘機「震電」が飛行する映像を観れたことは、VFXの名手山崎貴監督にただただ感謝したい(永遠の0での空母赤城にも感動しましたが)。僕は非常に心を揺さぶられました。ただ空母赤城と異なり一般的にはほぼ無名な試作戦闘機なので、映画館にいたお客さんでどれだけのひとが「しんでん」を局地戦闘機「震電」と理解したのかは不明ですが。
「震電」は終戦末期に空技廠と九州飛行機で共同開発された、先尾翼迎撃機、しかもなんと後退翼で、先細の機首にもかかわらず飛燕に代表される苦手な液冷ではなく、旧日本軍得意の空冷エンジンで(空気取り入れ口はまるでジェット機のように胴体両脇にあり、プロペラが後部にあるため重武装が可能(予定では30mm4門)で、さらに当時日本で唯一、火薬発射による脱出装置が取り付けられてたとされ、おそらく時速700km近くでたのではないかとも推測される、極めて先進的な設計思想の機体であるものの、試験飛行が終戦3日前の昭和20年8月12日であったとされる幻の局地戦闘機です。試作機はおそらく1機か2機だと思います。
太平洋戦争には間に合わなかったものの、ゴジラによる日本の危機を震電が救ってくれるなんて、それだけでも涙ものです。また射出装置が正常可動したことも涙ものであり、そもそも零戦を含め他の機体では風防を手動で開けての脱出なのだから、そんな余裕はないはずであり、山崎監督が神木くんを「生きさせる」には射出装置のある「震電」を選ぶよりほかはなかったとも思いました。
あの前翼プッシャ型の機体フォルムが好きすぎて、飛行機のこと何も知らないのに2回ぐらいプラモデル買って作った幼少期の思い出。
大人になってあらためて調べたりしましたが、震電、夢のある機体でしたね。
震電についてのコメント、ほお〜となりました。零戦の20ミリでいける、いけないも含めてちょっと調べないとちょっと判らないところも有りました。20ミリで死なない生物は、いないみたいなセリフもあったし。でも、一撃で死なないと尾や足が吹っ飛ん出来てやられるだろうし。想像が膨らみますね。