「シン・ゴジラとの比較やゴジラへの対抗手段はいかに?なんて気持ちで観...」ゴジラ-1.0 hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
シン・ゴジラとの比較やゴジラへの対抗手段はいかに?なんて気持ちで観...
シン・ゴジラとの比較やゴジラへの対抗手段はいかに?なんて気持ちで観に行きました。
自衛隊(火力)も無く、政府もまだ立ち上がれていない時代背景は、政府・官僚主役のシンゴジラとは異なり、戦争で”日本のため"に戦い、生き残った(生き残ってしまった)民間人たちが、今度は”未来のため”に死を覚悟してゴジラに抗う物語。とにかく出演者たちが気持ちイイくらいアツい。そのアツさに私は当初想定していなかった”涙腺が緩む”という事態になっていったのでした。
主人公・敷島浩一演じる神木隆之介さんはもはや「好演」という言葉では足りません。物語冒頭→典子と暮らしだしてから→そして終盤とシン・ゴジラの如く3ステップで変わっていく敷島を上手く演じてくれました。私が観た神木さんで代表作になってしまいそう。そして安藤サクラさん、最後のあなたの演技に私の涙腺は崩壊、無言なのに言葉を発するよりなんて強いメッセージなんだろう。嗚咽までいきそうでしたが、映画館なので堪えました。
とはいえ、「ゴジラ」ですからゴジラ映画としての期待は裏切りません。ボロが出やすい海上のVFXも違和感なく、戦艦との戦い(やられ役ですがよく健闘した)、そしてあの口から出す例の「アレ」もゴジラ史上最も迫力あったのではないでしょうか。
ゴジラ的な映画って街を壊しまくり、阻止するために戦うまではエンターテイメントとして楽しめますが、その後どうする?っていう終わらせ方が難しいと思います。今回は電車ぶつけたり、凍らせる(シン・ゴジラ好きですが)より現実的で「なんじゃこりゃ(笑)」にならなかったのと、人間ドラマとしての面でも温かくまとめ上げられたことも良かったと思います。(少しきれい過ぎたけど)
いやーしかし、ゴジラで泣かされるとは思わなかった。その点でシン・ゴジラを越えた感もあります。