「まさに機を見るに敏」M3GAN ミーガン うにたん♪(人手不足の業種はつらい)さんの映画レビュー(感想・評価)
まさに機を見るに敏
世間が本格的にAIに「仕事を奪われそう…」「人間より賢くなる」「文章も絵も綺麗に書く(描く)」と言い始めたタイミングにピタリとハマって大ヒットの本作品。
予告編もバッチリで奇妙なダンスにあの動き、ホラーユーザーのみならず、それ以外のライトユーザーまで惹き付けた。
「ターミネーター」や「ブレードランナー」から人工知能をどう考えるかと言う作品が作られてきた。どストレートの「AI」、「アイ、ロボット」など様々な見せ方をしてきた。
そしてとうとう…ここまでやってきた…『ミーガン』登場である。
ケイディの両親の亡くなった経緯やジェマと姉の希薄な関係など、ちょっと変わった家族関係を見せる流れから、“ちょっと変”な親族だ。ジェマなど研究以外の事が出来そうにない。ケイディも社会生活をちゃんとしていないから人間関係の構築が出来ない。
出来ない、苦手…で済まない事を学ぶのが社会だが、実母と居たときからホームスタディで済ましていたケイディはそれが出来ない。
ジェマもミーガン任せで身内らしい感情を持ってないので状況は悪化。
進んでいく状況、“アレ”をオモチャと言うには攻撃性が高すぎる(笑)
次第に行き過ぎた行動が始まっていく過程で、ミーガン依存のケイディも異常な様子になって「こりゃ参った」なのだが、ミーガンの恐ろしい所は試行錯誤で賢くなっていく部分であるが、もっと根源的な部分…つまり、人が機械に越えられる不安、人より優れた存在に怯えさせられる事にあると思う。
今や人間は便利道具の虜になり、あらゆる機械、道具がネットに連動している。パソコンでどんなに気を付けてもネットワーク上から乗っ取られる事を考えれば、ミーガンのポテンシャルは軍事兵器に匹敵する。
120㎝の小柄さでこれだから、もうちょい大人サイズだと…ターミネーターそのものである。
ラストから当然2は期待される。作中で死んだカートが引き出したデータから余所の企業で製作されるのだろう…。
ホラーとして恐くて仕方ない作品では無いが、見せる年齢の幅が広いだけに当然、残酷なシーンは控えている。耳を千切る部分も変に伸びてて(笑)だし。
劇場公開版の評価はライトなホラー作品であり、とてつもなく恐い作品ではないが時流にも乗っており、佳作と言える内容。グロさも抑えレーティングも下げて観られる層を増やせるようにもしている点は営業的にも考えられている。
まぁ安い模倣した作品がたくさん湧いてきそうである。
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今回DVDでの観賞したので、劇場公開版とグロさをカットする前のバージョンもあったので観賞、劇場公開版よりも僅か程度に人体損壊や出血する部位の映像がしっかり映っています。
耳の千切れるシーンも微細に映っているし(劇場公開版では伸びてるシーンから引いて千切れた感じに)、隣のオバハンの皮膚が剥ける(劇場公開版では皮膚は剥けず、流れる液体にミーガンが写り血液のみが流れていく演出)。上司に突き刺さる裁断の刃物はより深く貫通し、エレベーターを血まみれにし、ヘボ部下カートの喉を切るシーンも激しい出血を見せている。(劇場公開版では出血シーンは無く、刺さった刃物はちょっとだけ上司の胸から飛び出す程度、その時はエレベーター内には血は飛び散ってない。カートの喉も切ろうとする動作だけで血飛沫は出ない。)などの相違が見られた。
この少々グロいシーンが無くとも成立する演出を挟んでおり、レーティングを下げた形でも結果の想像はできるし、この程度のグロシーンは無くてもイケそうではある。
しかしながら、普段からホラーでグロいものを見ているユーザーには「あれっ?見せないんだ?ここ?」となるのは仕方ないと思う。しかしこのミーガンの怖さは人類を超えそうな存在が現れる事への恐れだと思うので、血飛沫や残酷さを事細かに見せなくても作品の質が落ちるものではない。但し流行りものには賞味期限がある。10年後にエポックメイキングな作品として取り上げられているほどの作品では無いように思う。