「ミーガンの音楽の趣味がいい」M3GAN ミーガン kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ミーガンの音楽の趣味がいい
AIが暴走する映画といえば「2001年宇宙の旅」を連想する。コンピュータが恐怖を覚えるという展開は、実はもう現実に起こりうる状況なのかもしれない。ちなみにAIが暴走する話って、AIの知能が発達して人間を不要なものと判断するか、与えられた指示を杓子定規に従ったために徐々に指示したことからズレていってしまうかの2つに分かれる気がする。本作は後者。自己成長したがゆえに起こる問題も含まれるけど。
人形の表情ってどうやっても人間のそれには及ばない。だから表情の乏しさって、人間には恐怖に感じてしまう。人形が絡んだ怖い話が多いのもそんな理由だと思う。ミーガンはそんな表情の乏しさをうまく演出していて普段から微妙に怖い。何を考えているのかわからないから。
でも、ミーガンの言っていることはそんなに間違っていないから厄介だ。危害を加えてくる者には対抗しなければならないけど、限度ってものがある。それがわからないとあんな犯罪行為につながる。これって凶悪な犯罪を犯す人の思考プロセスに似ているんじゃないか。なんと恐ろしい。AIにしても人間にしても教育って大事なんだなと思わせてくれた映画だ。いや、本当に近い将来に起こりうる話に思える。その怖さをジワジワ感じてしまう。
個人的には、ミーガンが意外と音楽好きなところもよかった。ケイディに向けて歌う曲がデヴィッド・ゲッタだったり、ピアノで弾いていた曲が「トイ・ソルジャー」だったり、字幕には出てこなかったけどジャニス・ジョプリンのことを話したり。ちゃんと曲に意味を持たせていて、ミーガンやるな!って思った。
これ、続編あるのかな。ちょっとだけ楽しみに待ちたい。