「さくらんぼの種は2つが致死量」ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
さくらんぼの種は2つが致死量
前作よりも、ややスケールダウン。そして、コントが冗長。だが、アクションは大幅アップデート。同時に、キャラクターの魅力も大爆発。後半の勢いと見応えに見事にやられ、前半のモヤモヤは一気に晴れてしまった。気持ち4.5。満足度はかなり高い。いやぁ、公開終了間近だったけど、見てよかった〜...!!
前作はヤクザとの抗争がド派手であり、初回ということもあってか、ゆるりとした女2人の殺し屋という斬新な発想を生かした笑いが、沢山詰め込まれていた。しかし、本作はヤクザとの抗争という大掛かりなミッションではないし、2作品目となると女2人の殺し屋の新鮮味は薄れ、切れ味も悪くなり、笑いはあまり起きなかった。ただ長い。もっと前回みたいに日常を描いて欲しかったのに、ひと足遅い時事ネタをぶっ込んでくるせいで白けちゃう。コメディの質はだいぶ落ちちゃったな。
前半はチープな笑いが多く、展開も読めて、正直しょうもなかった。が、後半から目を覚ましたように面白くなっていき、観客の眠気を一掃。これは狙いなのか!?と思っちゃうほど、一気にブーストがかかりました。段々笑えてきたし、胸が熱くなってきたし、ストーリーも燃えてきた。ついつい前かがみになっちゃうほど、スクリーンに釘付け。これだ!これが見たかったんだ!
この監督は敵にまで感情移入しちゃうほど、キャラクターを描くのがとんでもないほど上手い。特に今回はヤバかった。前作のヤクザよりも一見薄れたように見える敵が、ヤクザ以上の魅力を放っていました。こっち側(主人公側)が勝っても、敵が勝っても、どっちでも文句ない!ってくらい、最高に良かった。主人公のちさと&まひろよりも、敵兄弟の方をしっかり描くという斬新さ。2だから出来ること。こんなに愛おしいと思えるなんて、ホントにすげぇ!!!
そして、1番の見どころのラストバトル。
このシリーズのアクションは邦画ベスト級じゃないだろうか。低予算にも関わらず、このクオリティ。日本×銃という違和感のあるシチュエーションを、ここまでリアルに魅せれるのは超人の業。ラストの濃厚なバトルには、手に汗握るだけでなく、思わぬ展開で涙しそうになった。あの持っていき方はずるい。殺し屋という職業をこれ以上なく描ききった作品でした。。。面白いっ!!
もっと予算があれば、殺し屋協会というシステムを描いた骨太なドラマも作れそうだし、この作りならまだまだ続編作れそう。笑いと前半部分は前作を、アクションとドラマは本作を参考にし、更なる新作を期待しています。あー、大満足!!!