「映画館は我らの家」銀平町シネマブルース サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館は我らの家
想像通りのほっこり映画。たまにはこういうのもいいね。「バビロン」とは180度も違う作風だけど、どちらも映画愛に溢れている。映画って素晴らしい、映画館って素晴らしい。全国の小さな映画館を廻りたくなりました。
吹越満、宇野祥平の表現の豊かさ。
2人とも、やっぱりいい演技してくれます。城定秀夫監督といまおかしんじ脚本にぴったり。どんな役をやっても、自分の味を出せて作品に色を足す。この2人は、現実でもこうやってミニシアターを救っていると思います。
安っぽくて粗い作りではあるけれど、全体的に暖かくて包み込まれるような優しさがある。人生、なかなか上手くいかないけれど、映画はいつだって自分を肯定してくれるし、映画館はいつだって自分の居場所。嬉しい時も悲しい時も、やっぱり映画が持つ力って偉大。お金が無くても、月2本は見るようにしているんだよね。すごくいいセリフ。
全体的にパンチが無くて、見応えは薄いんだけど、感動しちゃう場面がいくつかある。「過去に追いつかれるな!」は、主人公含め、登場人物にも訴えているようなセリフであり、今を生きる私たちにとっても少しばかり勇気づけられる一言で、ちょっとじーんと来るものがあった。
シンプルながらに、いい作品だった。
城定監督、こんな映画も撮れるんだね。もっと長くして、骨太な群青劇にもできたかも。映画好き!ではなく、映画館好き!映画館はみんなの居場所!
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