「きわめて評価の高い映画。2023年のベスト10入りはほぼほぼ確定かなぁ。」ガール・ピクチャー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
きわめて評価の高い映画。2023年のベスト10入りはほぼほぼ確定かなぁ。
今年134本目(合計785本目/今月(2023年4月度)29本目)。
日本ではあまり見ることができないフィンランド映画で、その中でもいわゆる「シスターフッド」を描いた映画です。その「シスターフッド」の性質上主人公を1人に定めるのは難しく(3人セットととらえるのが妥当?)、表現としてやや厳しいところはありますが(性的表現の一部。PG12ですが、PG12を若干超えているように思える)、それでも良い映画ではあります。
過去作でこの手のシスターフッドの映画で見たものといえば趣旨が同じ(アクションものではない、など、一定で絞りをかけることしかできない)映画だと、2021年の「プリテンダーズ」等があるかなと思いますが、展開は似ているところもありますが違います。
映画として明確にストーリーの中の発言として「フェミニスト・フェミニズム」という単語が出たもの良かったし、登場人物の大半は女性なので(残りの5%は大人の営みのシーンでちらっと出るだけに過ぎない)、その「シスターフッドとしての映画の在り方」はこちらの映画はかなり強く感じられます。
一方でこの映画は性自認やアセクシュアル(他人に恋愛関係を描かない、ということ)といったテーマも入ってくるのが新鮮でした。これだけの内容を100分ちょっとでおさめたのはとてもよかったです。
大阪市内では放映されている映画館が1つ(シネリーブル梅田さん)しかないのですが、ぜひぜひ見ていただければ、と思います。
評価に関しては以下の通りです(5.0を超えられないのでここで記載)
(加算3.0/シスターフッドを描く映画について)
・ 男女同権思想やシスターフッドを描くような映画は、趣旨が妥当であり、女性の人権の尊重をうたったりするなどのテーマ性がある限り、一律3.0の加算を行っています。
(減点0.3/字幕がわかりにくい部分がある)
・ フィンランド映画なので、固有名詞などでも何を指しているかわからないか理解に支障をきたす部分があります。序盤かパーティに行くシーンで「カレはどこ?」のセリフは「彼氏」か「「カレ」という人物」(男女は不明)か、パーティなので「「カレ」という食べ物(はどこか)」等いくつかの解釈ができます。
ほか、これらにこっそり混じってフィンランドの地名や、アイススケートに関する語(主人公の一人はアイススケートの教室に通っています)等が出てくるなど、固有名詞が「何を指すのか」「属性がわかりにくい」点は言えると思います。
(減点0.3/「腕をねじ折ってテレビに投げる」って何?)
・ あまりにも珍妙な字幕だったので鮮明に覚えています。厳密な表現は違うかもしれませんが、「腕をテレビに投げる」という点においては同じです。ただこのあとそのような行為を行っている様子もなく(暴力的行為だし、そもそも物理的にできない)、何を指すのかよくわかりませんでした(フィンランドのことわざか慣用表現??)