「HIDEOUT」OUT ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
HIDEOUT
ヤンキーものが盛り上がっている中、過去にヤンキーを超えてギャングやヤクザものを手がけた品川監督がヤンキーものを手がけるとなったら、観に行かなければと思い鑑賞。
アクションとストーリーがうまく噛み合っており、王道ヤンキーものながら、ダレることなく突き進むカッコよさ全開で楽しかったです。
族でドンパチしている最中、警察に捕まり少年院送りになった達也、出所直後にもチンピラを殴ってしまい速攻で少年院出戻り。
保護観察期間中に'三塁'という焼肉屋の夫妻に預かってもらい、更生しようとするが…といった感じのあらすじです。
コンビニで通りすがった際に良いバイクを見つけて、見つめていたら、見るからに族な安倍要がメンチを切ってきて、なんやかんやで相撲を取ることになって、壁蹴りも含めて狭いところでのアクションが詰められていてとても良かったです。
速攻で打ち解けて、名前を名乗りあってというスピード感も良かったです。
幹部の紹介シーンがとてつもなくカッコいいです。幹部の特徴を見せつつ、剣術や格闘技、柔術と盛りだくさんで回避にクルクル回転したりと見応え抜群です。
最後に別称でバチコーンと決まるんですが、カッコいいのもあればそんなストレートな!と言うものもあり、楽しかったです。
過去に斬人の総長が抗争に巻き込まれて亡くなった過去があり、その総長の妹である千紘が働くボウリング場で、斬人との対面が果たされます。最初はみんなメンチを切ってきますが、なんやかんやあった後は打ち解けるなど、同じ雰囲気を纏っているからこそ、互いをわかりあうスピードが早いのがヤンキーものの良いとこだと思います。
そこからギャングまがいの事をしている爆羅漢との対峙が中盤からは描かれて、斬人のメンバーをボコしたり、'三塁'まで押しかけて店を破壊したりなど、中々なことをやります。敵としては最高の暴れっぷりでした。
抗争で数の利で押し通す場面は絶望感が漂っていましたが、反撃の狼煙を挙げるときの斬人の突撃する潔さは最高のシークエンスになっていました。
集団戦を描きつつも、どのシーンも無駄にならず、ここはいいから先に行け!のベタなセリフもカッコよく映って良かったです。
勝負の付け方も真っ向勝負で終わらせる、漢って感じが似合う終わり方なのもとても好みでした。
飯テロポイントもかなり高く、焼肉は言わずもがな、MTKG(明太子卵かけご飯)の破壊力は抜群でした。近くで三塁見たいなお店やってないかな〜。エンドロール後の映像でも美味しそうにどんちゃん騒ぎをやっているのも良かったです。
役者陣も概ねヤンキー突っ張っていて良かったです。倉くんは前作の「こいびとのみつけかた」の印象を引きずってしまいそうでしたが、しっかりとヤンキーになっていてイメージ復権しました。
水上くん、最初は全然気づきませんでした。めちゃイカつい理想的なヤンキーでした。根は良いやつの通り、友情に熱い奴で好きでした。
醍醐くんは漫画的なキャラが飛び抜けており、最初は気になってしまいましたが、段々と慣れてきて頼もしい総長のあっちゃんになっていました。くるくる回るアクションも見応え良しです。
JO1のメンバーたちも溶け込んでおり、アクションもこなしていたので、ナイス人選だったなと思いました。
品川監督繋がりで吉本の芸人もたくさん出てきます。千鳥の大吾さんにバッ常にシモリュウのシモタさん、相方の庄司さん(まさかのフルボッコ)にシソンヌじろうさんと自身のギャグやコントをするわけではなく、しっかりと物語に溶け込んでいて、その上でお笑いを提供してくれるのが良かったです。
じろうさんは悪代官みたいなポジションで、悪ガキを捕まえるためにはなんでもやるような目つきや言動が最高でした。コンビ揃って役者としてのレベルが高いです。
全体的にうまくまとまっており、ヤンキーものとしてのベースを押さえつつも、熱さと儚さを惜しみなく出したヤンキー映画の一つの到達点だなと思いました。興行収入次第では続編も狙える終わり方だったので、なんとかヒットしてほしいものです。
鑑賞日 11/19
鑑賞時間 13:40〜16:00
座席 F-10