「深夜2時の揚げ物」テリファー 終わらない惨劇 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
深夜2時の揚げ物
公開直後だと人がごった返すだろうなと思い、3週間過ぎてからの鑑賞。グロのR18+の映画を劇場で観る機会なんて年間通しても数えるくらいしか無さそうなので、貴重な機会だと思い劇場へ。グロ耐性は年々強くなってきていますが、現実的な痛みの方が苦手な自分にこの作品はまだ相性が良いかなとは思っていました。
ここまでのグロ祭り映画をやってのけたのは本当凄いなと思いました。色々と難を抱えている作品だとは思いますが、それでもこの時代にとんでもない出血量を劇場のスクリーンに撒き散らす暴挙(褒め言葉)を成し遂げた製作陣に拍手喝采です。
もう今作の魅力はアート・ザ・クラウンのこれでもかというくらいの暴力祭りです。もうこれだけでお腹いっぱいになるレベルの満足度でした。胃の中に食べ物入れてたらやばかった気がします。空腹のはずなのにちょっとウエップってなりました。
冒頭で遺体安置所の職員の目をほじくり出して自分の目にはめるというなんつー悪趣味なことを冒頭からやるんだと爆笑してしまいました。
ほうきをコインランドリーで寝てる何もしてない客の頭に突き刺しますし、ホラーアイテムを売ってる店員さんをこれでもかとぐちゃぐちゃにしますし、シエナの黒髪の友達の頭をかっ裂いて落武者にしたり体中パックリさせますし、シエナとジョナサンのお母さんの顔面を高火力の銃弾でぶっ飛ばしますし、車を出してくれたやさチャラ男のチンチンをもぎ取るという股間がヒュッとなるシーンが長い間映されますし、クスリを決めてる金髪の友達をじわりじわりといたぶりますしでもう画面はずっと血まみれでした。監督はこのキャストの人たちに何か恨みでもあるのかってくらいぐちゃぐちゃにしていて、スプラッター映画への愛がとんでもない方か、ガチのサイコなのかどっちかなんだと思います。前者であって欲しいです。
中盤までは殺しのテンポとか見せ方とか面白いなと思っていたのですが、アート・ザ・クラウンが無敵すぎて、トドメを刺したかと思いきやまた復活するというのが終盤は多すぎて飽きが来てしまいました。
というか姉弟にすぐに殺さない辺りが非常にもどかしくて、それまでは容赦なく武器を使っていたのに、この2人に対してはキックやパンチばっかりなので、そこは決着つけようよと何度も何度も思ってしまいました。あのラストバトルはもっと短くまとまっていたらなと、このシーン別にグロが凄いわけでもないので、非常にもどかしかったです。
エンドロール後の映像、正直もう死んだやろと思っていましたが、予算がもっと潤沢になった3作目に繋げるためにどういう奇を衒ったアイデアをぶつけてくるのかと思いきや、被害者の女性の腹からアート・ザ・クラウンの頭が生み出されるというヤバすぎる終わり方をしやがりました。最初の姿頭なんだ…とドン引きしましたが、この繋げ方は良いなと思いました。
上映時間が長すぎる弊害が見事に出ていて、このタイプの作品ならせめて100分くらいには収まってほしかったかなというのが最終的な印象です。グダグダしたラストにどんどんイライラさせられたのが残念でした。それでもグロのオンパレードをこの身を持って体験できたのは本当に良かったです。しばらくはどんなグロ映画も平気で乗り越えれそうな気がします。2回目観たいと言われると…観なくていいかもです笑
鑑賞日 6/26
鑑賞時間 14:40〜17:10
座席 E-4