「必要なもの:ゲーム知識 と 派手な画面作りがあれば細けぇことはいいんだよの精神」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
必要なもの:ゲーム知識 と 派手な画面作りがあれば細けぇことはいいんだよの精神
全体的にマリオにまつわるゲーム作品のモチーフや展開があちこちに波状的に登場して、「アレだ!」という感じが尽きないので満足感が非常に高まりやすい作品。
詰まる所、マリオシリーズのゲームを知っていれば知っているほど満足度が上がりやすい傾向にある。
とは言え、元になっているデザインがかわいらしく、画面づくりが華やかなのでゲームを全く知らないから楽しめないということもないはず。
映像面がSに対してストーリーがCの総合A…という印象。
マリオシリーズのキャラクターはヨッシー以外は公式のデザインのブレが少ないので、本作のデザインはシリーズの今後の可能性を広げうるものとして個人的には評価・歓迎。
ただし、ピーチ姫のデザインはほうれい線が目立つものなので個人的にはあまり好きではなかった。
ピーチ姫は性格面でも大幅な改変がなされており、ゲームに登場する同名キャラのどのシーンにも通じるものがない独自的なものなので落胆は禁じ得なかった。
(ピーチ姫はプレイアブルキャラとして荒事にも手を出すキャラではあるが、それを加味してもあの性格は私の解釈とは合わない)
工事現場を縦横無尽に渡り歩いたシーンが有りながら修行シーンで失敗を繰り返したり、
20代半ばのキャラクターに対して与えられた欲求が「父親を始めとした周囲に認められたい」というのも、
「兄弟の絆」を締めに持ってきておきながらルイージの描写がとてつもなく乏しいというのも、
ルイージがクッパに捕まったに「違いない」という予測でクッパ軍と戦うことになるなど、
物語の展開が非常にチグハグな印象を受ける。
(全体的にピーチ姫の性格改変の余波によってこれらのチグハグが発生している可能性を感じる…)
マリオの目の前でクッパにルイージが捕らえられるシーンを挿入し、そのルイージが兄への愚直なまでの信頼するシーンを描くだけでクッパとの因縁とクライマックスの兄弟の絆が十分に演出されただろうに…