あしたの少女のレビュー・感想・評価
全49件中、21~40件目を表示
予想外の展開に思わず泣けました。
レビュー評価が高いのと、公開日も残り少ないと思ったので鑑賞。
予備知識もなく見ましたが、後半の展開にただただ驚くばかり。
ダンスが好きで少し短気な女子高生ソヒが就職担当の先生から大手通信会社の下請け業者に実習生として
勤め始まます。てっきり主人公の少女が様々な苦難の後に何かしら救いのあるラストで終わる青春物を想定してましたが、
韓国社会は全く甘くなく、どこもかしこも生き残りの競争と激しい罵り合いでソヒの精神が削られていきます。
ここで細かくストーリーは書きませんが、たぶん韓国の労働環境の現実を描いている良心的な作品だと感じます。
全く救いはなく後半苦しい展開が続きます。エンディングでソヒが一人で楽しそうに踊る姿が脳裏から離れませんでした。
公開日も残り少ないですが少しでも興味があれば見てほしい作品でした。
ペ・ドゥナ
あしたへの光
コールセンターで働く人たちは本当に心身にかかるストレスが大きいと思う。
大体において電話をかける顧客側が既にストレスを抱えた状態であることが多い。
電話が繋がらない、そもそもどこにかけたら良いのかが分からない、繋がってもたらい回しにされ、同じ内容を何度も説明しなければならない。
このシステムがもっと分かりやすい形であれば良いのにといつも思うのだが、企業側からすればそう簡単に契約に取り付けた顧客を手離したくないだろうし、なるべくならトラブルに関わりたくたいだろう。
だから敢えて窓口を分かりにくくしているようにも感じる。
そしてその被害を被るのはいつも末端で働く人たちだ。
どこの国でもシステムは違えど、不当に安い労働力で搾取しようとする企業の問題は常にあるのだと感じた。
正直、観ていて心が苦しくなる映画だった。
職業学校に通うソヒはダンスが大好きで、責任感が強く自分の意見をはっきり言える強い女性だ。
彼女は担任教師から大手通信会社の下請けのコールセンター運営会社の紹介を受け、実習生として働き始める。
顧客のサポートが主な仕事だと聞いていたソヒだが、ほとんどがクレームの電話で、さらに会社側は解約を申し出る顧客を何としてでも阻止するように指示を出す。
まだ実習生のソヒにも重いノルマが課せられ、従業員同士の熾烈な競争を煽られる。
芯が強く誰にでも意見を言えると思っていたソヒだが、次第に会社の圧に押され萎縮していく。
会社側は成績の悪い社員を見せしめのように吊し上げる。
過度なストレスをかけられ、人格を否定され続けると人は逆らう気力がなくなり、従順にならざるを得なくなる。
このあたりの人を洗脳する術をブラック企業はよく心得ている。
ソヒは次第に心を病んでいくが、学校の友達は事情も知らずに連絡のつかない彼女を責める。
そして両親も何らかの問題を抱えているようで、虚ろな目をしながら娘に気を配る余裕がなさそうだ。
心身的に疲れたソヒはついに悪質な要求をする顧客を電話口で怒鳴り付けてしまう。
しかしそんな彼女のことを指導役の若いチーム長は責めなかった。
酷いことを言われたのだろうと彼女の心に寄り添う彼もまた、この仕事に疑問を抱き続けているようだ。
そして雪の積もった車の中で、チーム長は練炭自殺をしてしまう。
彼は不当な労働環境を遺書の中で告発しようとしたのだが、会社側は揉み消してしまう。
彼の死にショックを受けたソヒだが、人が変わったように仕事に励み、成果を出すようになる。
この会社で成果を上げることは人としての心を麻痺させることでもある。
息子が死んでしまったことで契約を解除したいと涙ながらに電話をしてきた父親にも、彼女は新しいプランの提案をしてしまう。
しかしどれだけ頑張っても会社側は実習生という理由で彼女に成果給を払おうとしない。
これは完全な契約違反であり、会社は実習生という名で不当に安い労働力で彼女をこき使おうとしているのだ。
ついに彼女は我慢の限界を迎え、新しいチーム長を殴り付けてしまい、謹慎処分を食らう。
彼女の心の苦しみを知る者は誰もいない。
責任感が強いからこそ、彼女は人に相談することが出来ない。
思わず酔った勢いで手首を切ってしまう彼女だが、会社を辞めたいという言葉は母親には届かない。
さらに追い討ちをかけるように、担任が今回の謹慎によって学校に損害を与えたとソヒを責める。
友達と昼から飲み歩くソヒだが、彼女の心はどこにあるのか分からない。
一人になった彼女は真冬の貯水池に向かって歩き出す。
場面が切り替わり、ソヒの遺体が発見されたことが分かる。
ここから視点はこの事件を捜査するユジンに切り替わる。
実は憔悴したソヒがダンススタジオに見学に訪れた時に、黙々とダンスを踊っていたのがユジンだった。
この映画の場合、冒頭にソヒの遺体が発見され、捜査を進めるうちに事実が浮かび上がってくる構成にすることも出来ただろうが、なぜ時系列通りのシナリオにしたのだろうかと思った。
観客は既にこれまでの過程を知っているから、ユジンが調書を取る場面は二度手間になるように感じてしまった。
しかし物語が進むにつれて、この映画はこの構成が正解だったのだと気づかされた。
客観的に描かれることで、ソヒがどういう人物であったのかがより深みを持って感じられるようだった。
そしてユジンが動くことで韓国が抱える社会の闇が浮き彫りになっていく。
学校側は就業率が悪くなると補助金を貰えないために、どんなに過酷な労働条件だろうと生徒を送り出さない訳には行かない。
ユジンは仲介手数料を貰っているのではないかと教頭を責めるが、彼らは不正を働いているのではなく、やむ無くこのシステムを受け入れてしまっているのだろう。
では問題はどこにあるのかとユジンが教育庁に乗り込めば、地方の教育庁には何の権限もないのだと居直られてしまう。
問題の根元がどこにあるのか分からないのがこの社会の恐ろしさであると思った。
教育庁にしても、学校側にしても、そして悪質な会社にしても、それぞれに自分の立場を守るためにもっともな理由をつけて正当性を主張する。
そして被害を受けるのはやはり末端で働く労働者であり、未来を担う若者なのだ。
彼らの姿を見て自己責任だと突き放す者もいるかもしれないが、これは韓国に限らず日本でも現実に起きている一面であることに目を向けなければいけないと思った。
ソヒが死ぬ間際に足元を照らす一筋の光を見て何を思ったのだろうかと考えさせられた。
そしてその同じ光をユジンも目にする。
それが仄かではあっても明日へと続く希望の光であって欲しい。
結局ほとんどの人間は使われるためにある道具でしかないのかもしれない。
しかし道具なら乱暴に扱えば壊れるに決まっている。
そのことを上に立つ人間は改めて考えるべきだ。
彼女のダンス
この映画は前半の高校生ソヒと後半の刑事ユジンの2パートで構成されている。
映画はソヒが一人でダンスをひたすら練習する場面から始まる。
イヤホンで音楽を聴きながら汗だくで必死に踊り、失敗して少しイラついてもすぐに立ち上がって踊り続ける姿に静かな迫力があり、そこから一気に引き込まれる。
前半パートのソヒが実習に行くコールセンターがありえないぐらいのブラックぷりで、そんなのありえないだろうと思っていたら実際の事件を忠実に再現しているとの事だったので驚いた。ソヒは数値と競争が何よりも優先される韓国社会の構造に追い詰められていく。その要因の一つがソヒの芯の強さと短気さで、違和感を訴える重要だけど、その方法としての怒りだけでは問題を解決できないと感じた。
後半パートは刑事ユジンがソヒの死を社会構造の問題として糾弾しようと苦闘する姿が描かれる。ユジンが死んだソヒの周辺の人々に話を聞き取りする事によって、前半パートのソヒの存在が重層的に浮かび上がってゆく。
そして、ユジンはソヒという存在を押し潰した構造への怒りと、その構造の巨大さに絶望を感じ始める。この感じはドラマ「エルピス」を少し思い出した。
最後まで気分がスッキリする映画ではないけれど、ラストシーンのソヒが生きたという輝きに一筋の希望を感じて泣いてしまった。
ソヒを演じたキム・シウンが素晴らしい!
結局は、国という大きな存在が捜査対象だから、
ユジン刑事の力では、あそこまでなのでしょうか…
なんとも、歯がゆく辛く、悲しく、憤りを感じなから映画館を後にしました。
実話ということで、
現実では、やっと今年になって、この作品の影響もあり、
国会でも取り上げられ、改正案が可決したという記事を読みましたが、
今年?!っていうことに驚き、
また少女の姿を思い出し、涙が溢れて仕方がないです。
とても丁寧に真摯に作られた作品で、監督の強い想いが感じられる作品です。
ソヒのような悲劇に見舞われる若者たち、いや若者に限らず弱い立場の人たちが
いなくなることを望みます。
それを防げるのは周りのまともな大人たちです。
それができる大人でいたいです。
一筋の光が導く先が希望とは限らない。
活発な女子高生ソヒが実習先のコールセンターで心を病み最悪の選択をしてしまうまで追い詰められる姿を描く前半と、ソヒの自殺を担当する女性刑事ユジンがその足跡を辿りながら真相に迫ってゆく後半の2部構成になっていて、この作り方がものすごくうまい。
上司は会社の為、学校は就業率の為。若者達の置かれた劣悪とも言える労働環境には目をつむり、いざ真実を突き付けられると誰もが目を背ける。親はコトが起こって初めて我が子の痛みを知る。
ソヒがこの世に残した唯一の動画は、労働者から都合よく搾取することを覚えた大人達への強烈なメッセージ。「嫌なら辞めればいい」が通用しない環境もあるのだと思い知らされた。そして人は静かに、ひとりぼっちで疲弊してゆくということも。誰もキャッチできなかったSOS。しかもこの出来事が実話ベースというのだから辛すぎる。
とても良質な1本でした。
よくぞここまで描いてくれた
隣国でありながら、知らないことの多い韓国
ごくごく普通の明るい高校生が、実習の現場で疲れ果て、人間性を擦り減らし、自分で解決できなくなって自死をする ぺ・ドゥナ演じる刑事が職場・学校、そして家族・友人と彼女のたどった一つ一つの苦しみを解き明かしていくのだけれども、彼女の命を救うことはできなかった 不運だの事故だという言葉で隠蔽しようとする「やつら」に、対抗しきれな
い無念さを、刑事と共に感じる後半であった
皆さんのこのレビューを事前に読んで、つらい気持ちになることがわかっていても、正義を貫いてくれる、この刑事のような人がいることを期待する思いが、この作品をどうしても観たいという気持ちにさせてくれた
ぺ・ドゥナの日本公開の前作「私の少女」でも、ほとんど笑顔をみせなくても、韓国に蔓延る封建的な考えに立ち向かう警察官の役であった 前作は地方の農村、本作は都市部であろうが、国民全体とりわけ子どもの置かれている状況には、日本とはまた違った国民の間の格差を感じるものだった
ブラック企業、という言葉がついこの間までよく使われていた 「派遣」「非正規」「氷河期」は日本においては今の40代あたりが最も多いのだろうか
日本でも多くなった「コールセンター」、PCでの在宅勤務、マニュアルさえあればノルマ達成だけが仕事の尺度となる恐ろしさを、子ども(高校生)の視点でよく描いてくれたと思います ポケットに手を突っ込んでいるぺ・ドゥナ、格好良かった
(8月31日 MOVIX堺 にて鑑賞)
タイトルなし
学ぶべきところは多い
長編2作目ということだが(残念ながら前作は未見)、見事。
韓国でまさか高校生を対象にしたこんな搾取が行われているとは思いもよらなかった。確かに韓国は日本以上の受験社会と聞くが、進学しない者にはこうした現実があるとは。また前半を見ていると、まったく日本と同様の抑圧や逃げ道の塞ぎ方で、どちらの国も社会的弱者を同じようなやり口で搾取しているのだなとよく分かる。
後半でペ・ドゥナ扮する刑事が暴いてゆくとおり、責を負うべき立場の者が誰ひとり子供たち(敢えてそう言おう)のことを気に掛けていない、そしてそれを反省もしていない、ということが分かる。
日本と違うのは、それをちゃんとこうやって公にする人がおり、その結果ちゃんと法律が作られていること。日本はどうだろう、と考えると暗澹となる。
政治家がこども食堂を応援してるようでは駄目だろ。こども食堂が不要な社会を作らなければ。
学ぶべきところは多い…
韓国の全ての高校をビビらせる感じの作品。 本年度ベスト!!
本作は多分フィクションだと思うけど、かなり衝撃的な内容だった。
ダンスが好きな女子高生のソヒ。
実習生としてコールセンターで働く事になり予想を反した仕事に悩み自殺する展開。
本作はソヒがメインと思いきや、自殺した原因を解き明かして行く刑事がメインのストーリー。
コールセンターのブラック企業的な感じが衝撃的だったけど、それ以上に高校の体質が最悪過ぎた。
この酷すぎる展開に不思議と終始引き込まれた感じ。
スクリーンから目が離せない。
中盤から女性刑事のユジンがソヒが自殺した原因を捜査する展開が熱い!
ユジン一人でこの問題は解決出来ない感じが切な過ぎる!
関係無いけどユジンの着ているアウターがお洒落でカッコ良い(笑)
本作は刑事のユジンが主役だった感じ。
鑑賞中、印象に残るのは高校生のソヒがお酒を飲むシーン。
調べたら韓国では高校3年の1月からお酒が購入出来るらしい。
更に飲酒の年齢は決まっていない事に驚く。
女子高生が一人でお店で「ビール2本」って注文するのにビックリ。
韓国凄いな(笑)
このお店で多分、ソヒが自殺を決意したと思われる光を使ったシーンがあるんだけど、その意味がよく解らない。
自分には光があたらない人生ってメッセージなのか?
と、自分的に強引に解釈。
ハッピーエンドで終わる訳でも無く、モヤモヤ感が残る最後だったけど本作を鑑賞した事に後悔は無し(笑)
自分の中では記憶に残る作品って感じ。
ソヒのダンスには切れが無いと思ったのは自分だけなのか?(笑)
気になります( ´∀`)
社会を動かす
理不尽
高校生(実習生)パートと警察パートの二部構成ですが、大どんでん返しがあるわけでもなく、後半の警察パートは展開読めて退屈でした。
音楽をほとんど使わない演出なので、静かなシーンで眠くなってしまいました。
資本主義社会の行き着く先
『私の少女』のチョン・ジュリ監督とペ・ドゥナの再タッグということで興味が湧き見に行きました。
この日本タイトル、いくら前作にかけていると言っても分かり難く過ぎでしょ。原題の「ネクスト・ソヒ」ならば観終わってからなるほどと思えるのですけどね。
しかし、久々に心にグサッと来る強烈な韓国映画でした。
テーマ的には韓国映画よりも日本のインディー作品の方が得意とする内容の様にも感じられましたが、このテーマなら時代的に今の韓国の方が合っていたのでしょうね。
現在68歳の日本人の私からすると、昔の苦い思い出を呼び起こされる様な作品でありました。
“平成”が始まる(今から34年前)高度経済成長のピークから一気にバブルが崩壊した、1980年後半から2000年位までの日本の社会をこの作品を見ながら思い出していましたが、まあこの時期の日本は労働者派遣法の流れとリンクし、私も派遣会社を転々としていた時期でもあるので、本作で描かれていた資本主義社会の根本的な構造悪は身に染みて生きていました。
資本主義の高度成長というのはアジアで(いや、世界で)日本は先頭ランナーとして走っていたので崩壊も一番早かったのでしょう。で、中国や韓国は今現在がその頃の日本と似た状況になっているのだと思います。
そして今の韓国社会が、本作で描かれていた様な(本作は実話を基にしたフィクション)世間擦れした大人達は社会悪を当然の様にスルー出来るメンタルに(改悪)され、それが“悪”であることにも気づけず(忘れてしまい)、社会全体が感覚麻痺状態となった結果、一番純粋で弱い者に皺寄せが来るような、こんな恐ろしい社会派映画を(社会悪に侵されていない人間が)作らざる得ない状況になってしまっているという証なのでしょうね。
なので本作で描かれている社会悪が、“誰が悪い”なんて単純な話ではないのは分かっているし、簡単に修正できる類のものでもないのは分かっているのだけど、何故一番先頭を走り転落した日本を反面教師とせず、どの国もどの国も同じ過ちを犯し同じ道を歩むのか?そんな気持ちで本作を見てしまいました。
本当にもっとマシな社会を作る事が可能なのか?、そこに本来の人間の本性があるのか?
日本の場合はあまりにも長く低成長が続いたので、全体的にちょっとした諦念に達したような国民性になって来ている様な気もしますが、相も変わらず“ビッグモーター”のニュースが氾濫している様な民度の低さもあり、つくづく本作のメッセージの難しさを感じてしまいます。
体のいい奴隷
僅か5年前、コロナ前に起きた事件がモチーフと聞けば尚更、観終わって改めて衝撃、そして闇の深さに不安を覚えます。
日本でもつい最近、某中古車販売業者のブラックな雇用契約が話題になり、この手の問題はいつまで経ってもなくなることはないことを実感しましたが、本作で扱われた事件を作品を通して知れば、根本になる原因はけして企業だけにあるわけでないことが解ります。
そして、その犠牲になっているのがまだ未成年と思われる商業高校生たち。(ガンガン飲酒しているのはご愛敬)「実習生」という立場で面接の翌日にいきなり現場に入れられ、数日の研修(ただし、マニュアルと先輩を見て覚えろというだけのもの)で即実務、いきなりノルマを課され成績が悪いと怒鳴られる。はっきり言ってどう見ても体のいい奴隷です。
この事件の犠牲者の一人、ソヒは明るく人当たりもいい、頑張り屋で、頭のいい女性です。理不尽なことには意見を返し、頭に血が上ると手が出てしまう、、のは正しくはない行動ですが、十分に同情できるだけの理由があり正義感が強い人。だからこそ、強く感情移入して観ながら、彼女が追い詰められる様を見て胸が締め付けられます。ソヒ役のキム・シウンはドラマ出演を中心に活躍する新進女優とのことで、ドラマまで手が回らない私はお初でしたが、難しい役柄を見事にこなしているように見えました。
そして、偶然のきっかけで事件を担当することとなった刑事ユジン。ソヒを見て見覚えがあることに気づき、なんとなく引っ掛かりを覚えるわけですが、実際に調べを進めていくうちに知るソヒという女性と、この事件の背景にある問題を知るにつれて、ユジン自身も感情移入を深めていく様に胸が熱くなります。特にそれが判りやすいのは、解剖のための「申請書」と「報告書」の2度の「サイン」。基本クールで感情を表に出さないユジンですが、静かに闘志を抱く様で演ずるペ・ドゥナ、さすがです。
疲れ切った表情でビールをあおり、ふと見た足元に差し込む陽の光に気づいてその方向を見つめる様子。事件前に一瞬とは言え繋がるチャンスがあったソヒとユジン。ソヒにはユジンのような相談できる人が居ればと思え、またユジン自身もそう思ってるからこその悔しさにも共感するのです。
好みの一本です。
問題提起
大手通信会社の下請けの超ブラックなコールセンターで実習生として働くことになったJKの話。
聞いたことない会社だけど、大手の関連会社だからということで担任から強く勧められて働き始めたが、会社の体制と風土、そして学校からのプレッシャーに疲弊して行くストーリー。
韓国では高校生にもインターンとかあるんですね…もしかして今は日本でもあるのかな?
何でもかんでもブラックという風潮は好きではないが、働いた対価を貰えないのは問題外だし、契約書が2種類っていうのも…。
若く知見がない主人公達には戦う手段がないのは解るものの、個人的には主人公の様にはなるタイプでは断じてなく感情的に理解できないところも多いいけれど、インターンじゃないにせよ日本でも同じ様な話しは多々あるし身につまされるものがある。
韓国映画で日本で公開されるものにしてはなかなか珍しいテイストの作品で、特に終盤の刑事の絶句は溜まらないものがあった。
ただ、映画として締めはもう一声欲しかった。
今の時代、戦う手段はいくらでもあるし、日本なら労基もあるし、泣き寝入りしない様にしましょうね。
強烈すぎるので心身ともに元気な時に見てください。
見ていてつらくなる。
担任の教師の言動に吐き気がした。
なのに、もしかしたら悪い人ではないのかも、とも思ってしまう。
韓国の映画はレベルが高いですね。
全49件中、21~40件目を表示