非常宣言のレビュー・感想・評価
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【”新感染・ファイナルジェットプレーン。”人間の醜さと尊厳を描いた作品。ストーリー展開は、時折ダッチロールに陥りますが、イ・ビョンホンとソン・ガンホがガッチリと映画を支えています。】
ー 少し、突っ込みたくなる部分もあるが、ハラハラしながら鑑賞。そして、最後は少し琴線に響いた作品である。-
◆感想
・ウイルスを飛行機内に持ち込んで、乗客を大混乱に陥れたリュ・ジンソク(イム・シワン:「名もなき野良犬の輪舞」以来かなあ。)のソウル空港での不気味な態度と、ジェヒョク(イ・ビョンホン)の娘スミンにウイルスを体内に入れた事を見られたのか・・、と思い纏わりつく姿が何だか、嫌ーな気分になる。
ー 突っ込み① 121名の命と引き換えにバイオテロを行う動機が、少し弱いんじゃないかな・・。外資系薬品会社、ブリコムを馘になったからって・・。母親から長年、抑圧されていた事により、サイコパスになったと勝手に判断して、観賞続行。ー
・リュ・ジンソクが、飛行機内のWCでウイルスを、ちょこっとだけ使用するシーン。及びその後の観客の感染の進行の描き方。
ー 突っ込み② 吸入器で、拡散させようとしたのだろうが、何故に機長のステーキにウイルスが・・。一気に、症状が悪化し、死亡する人と徐々に感染して行く人との違い。ウイルスだから、個体差があるんだろうと勝手に判断して、観賞続行。-
■この作品は、後半に真価を発揮する。
”出来すぎ”とかと思った人もいるかもしれないが、私はあれで良かったと思う。
何故なら、後半には”人間の尊厳”を描いたシーンが多数、描かれていたからである。
・ジェヒョクが飛行機嫌いだった理由が明らかになるシーン。
ー 彼が元パイロットで、飛行機の発火の際の管制塔との齟齬により、乗客は全員助かるが、感染したK1501便のヒョンス副操縦士のスチュワーデスだった妻が、焼死していた事が分かり・・。
だが、感染したヒョンス副操縦士が、懸命に飛行機の操縦桿をにぎるジェヒョクの姿を見て、彼を赦すシーンは、少し沁みる。-
・更に、K1501便は、ハワイへの着陸を許可されず、仕方なく引き返し成田に着陸しようとするも許可されず・・。
ー 絶望的な飛行機内の雰囲気。
ソウル市民にも”戻って来るな!”と言われた時に、機内の生存者達が、苦渋の思い出下した決断。”戻らない・・。”
ここは、可なり響いた。機内の生存者達の、人間としての尊厳を表しているからである。
”自分たちが戻る事によって、大事な家族がウイルス感染をしては駄目だ!”-
・だが、地上でも人間の尊厳を貫いた男が居た。
リュ・ジンソクの捜査をしていたク刑事(ソン・ガンホ)が、制止を振り切り自ら感染し、ブリコム社の抗ウイルス薬を打つシーンである。
ー 血を吐きながら、苦痛に耐え心拍数が途絶えようとした瞬間に、彼が蘇生する姿。そして、”抗ウイルス薬が効く”という情報は、キム国土交通省大臣(チョン・ドヨン)に伝えられ、K1501便は着陸を許可されるシーン。ク刑事の母親が乗っていたとはいえ、ナカナカ出来る事ではない。臨床試験もしていないのに・・。-
・だが、流石、韓国映画である。ここで、メデタシメデタシとはならず、燃料切れになったK1501便の操縦桿をにぎるジェヒョクの操縦にも、ハラハラする。
ー ギリギリまで電源をOffにして、着陸時に電源をOnに戻し、フラップを最大角度にするシーン。そして、オーバーランしてしまったのか!と思った瞬間に、キム国土交通省大臣が裁判に掛けられるシーンへの転換で、観る側は飛行機が無事だった事を知るのである。巧いなあ・・。-
<ラスト、K1501便の生き残った乗客の一部と、ジェヒョク親娘と、車椅子に座り未だ回復途中のク刑事が、初めて会うシーンも良い。
今作は、前半は、突っ込む所がややあるが、後半一気に盛り返す、ハラハラドキドキの、韓国飛行機バイオテロ映画である。>
「ヤバい奴感」がえげつない
題材的には不謹慎な言い方になりますが、いやぁ、楽しい。最高です。
ソン・ガンホ、イ・ビョンホンの二枚看板が素晴らしいことは言うまでもなく、キム・ナムギル、キム・ソジン、そしてチョン・ドヨンなど見せ場にきっちり仕事をしていてどの役の立場にも深く感情移入できます。
そして韓国映画における最高の醍醐味と言えるのが「ヴィラン」。
本作のテロ事件を起こす犯人リュ・ジンソクを演じるのはイム・シワン。出てきて早々、そのたたずまいだけで感じるヤバい奴感がえげつなく、そして言動の全てが「サイコパス」という表現では収まり切れない超異常者で恐ろしすぎます。
また、観ていて誰しもが考える「同じ立場にいたら」という仮定について、作品上の登場人物たちに、けして格好つけることなく正直な姿勢を見せる部分も韓国映画に感情移入できる重要な要素です。
悩ませ、揉めさせ、一旦は分断させるからこそ、一体感が生まれたときに「キレイゴト」に見えず素直にカタルシスへ誘われて涙腺を刺激します。
そして、俳優たちの演技も然ることながら、急降下する飛行機の機内シーンや、バイクを追いかけるカーチェイスシーンなど、観ていて身悶えすること必至です。
これは劇場で観ないと勿体ないですよ。是非。
バイオレンス感満載
年初に見るには最高の作品
展開は凡庸、サブスク待ちが正解
第74回カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部⾨出品。ソン・ガンホとイ・ビョンホンの共演ということで、観に行ってみた。
飛行機内という密室で発生したウイルステロの恐怖、右往左往する地上を描いたパニックスリラー。
お定まりの閉鎖された空間における恐怖、人間のエゴがぶつかるという既定路線。ソン・ガンホの演技は光るも、人間ドラマ的側面は希薄。
韓国映画らしく、激しい人間模様、これでもかと押し寄せるストーリーのため、2時間27分という長尺を感じさせない作品だが、純粋な商業映画。
一本調子な展開で、映像的な演出にも乏しく、「パラサイト 半地下の家族」には遠く及ばす、大衆向け娯楽映画止まり。
お急ぎでなければ、サブスク配信後に観るのが正解。
アトラクション
刑事がテロ搭乗飛行機を特定⁉️
新年早々、秀逸な韓国映画に出会えて満足。
新年初の映画館来訪で、初レビュー。
昨年は貧乏暇なしなのに、映画館で頑張って180本鑑賞し、自分としては新記録。私的ベスト1位は『RRR』でした。レビューを書く余裕も足りず、今年は控えめにしたいのだが・・・最近は本当に観たい映画が多くて、今年も嬉しい悲鳴の日々になりそう。
今年最初の映画は、たまたま韓国映画に決まり。刑事役ソン・ガンホと乗客役イ・ビョンホンの2大スターがダブル主演というだけで、「これは観るしかない」と即決して映画館へ。宣伝が足りないのか、外がめっちゃ寒過ぎるせいか、公開初週にしては30人に満たない客数。鑑賞後の余韻が凄く良い映画だっただけに、この少なさは勿体ない気がしました。
持ち込み禁止なのに、白いレジ袋に買い込んだ食い物を取り出し、ガサガサと物音を立てながら長時間食べ続けるオッサン客がえらい迷惑でした。短髪・メガネで背が低いクソジジイで、劇場で見かけたら要注意。レジ袋のガサガサ音、遠くまで聞こえてくるんだが、数分ならまだしも、2時間超えるまで、いつまでもガサガサとうるさい物音を立てながら食い続けてる無神経なジジイ。映画館を自分の食事場だと思ってるらしい。周囲のお客さんに丸聴こえなのに、本人は平然として知らん顔を決め込んでガサガサと大きな物音を鳴らしまくる。こういう迷惑客、何とかなんないのかなー。
タイトルの「非常宣言」とは?
映画の冒頭で流れ、公式HPでも書かれてますが抜粋。「飛行機が危機に直面し、通常の飛行が困難になったとき、パイロットが不時着を要請すること。“これ”が布告された航空機には優先権が与えられ他のどの航空機より先に着陸でき、いかなる命令を排除できるため、航空運行における戒厳令の布告に値する」との事。
内容は簡単に言うと「飛行機内でウイルステロが起こって大パニック!」というもの。数年前、めちゃ面白かった韓国映画『新感染』もウイルス題材でしたが、あちらはゾンビ系ホラーなので、全くの別物。ゾンビが大群で襲い掛かって来るような派手な場面は無いが、こちらはリアルな恐ろしさで観客を引きずり込む絶妙な展開が素晴らしい。冒頭は平和な家族風景、のっけから大きな鍋にいっぱいのコムタンが美味しそう。食べた過ぎる!単にパニックばかりに焦点を絞るのではなく、登場人物の家族や背景や過去や人間関係など様々な視点で物語を構成して、伏線の回収の仕方も見事。人の生死についても考えさせられる、深いヒューマンドラマ的な見せ方にも魅了させられます。パニック時の機内の映像とか、今までの映画で観た事のない場面が多くて新鮮で、「よくこれだけの映像が作れたな~」と感心。邦画ではここまでは出来ないであろうと思えるレベルで、制作費も相当にかかったに違いありません。
ハラハラドキドキの展開に引き込まれ、141分の長尺を全く感じさせないほどに、最後まで飽きさせずに楽しめた満足のいく秀作でした。ラストシーンも自分好みで、この映画のメッセージ性は人間愛に満ち溢れています。観る前の期待度を超えるクオリティに「やはり韓国映画は当たりが多い」と感じた次第。文句無しの5つ星です。「邦画は当たりハズレが目立つけど、韓国映画はどれも唸らされる秀作が多い」と普段から思ってる私のような鑑賞者さんには特にオススメです。
良い意味でメンタル疲れた(^_^;)
泣きました。
終盤は荒いがおもしろい!
今日は2023年最初の金曜日で、公開作品がめじろ押し。で、上映スケジュールを考慮して4本目に選んだのが本作。
ストーリーは、ハワイ行きの飛行機の中で乗客が次々と謎の死を遂げてパニックとなり、機内では元パイロットのパク・ジェヒョクがその経験を生かして対応にあたり、地上ではバイオテロを疑ったベテラン刑事ク・イノが執念の捜査を進めるが、機内の感染は瞬く間に広がり、各国の空港が着陸を拒否する中、燃料があとわずかとなり、墜落の危機が迫るというもの。
いや〜、おもしろかったです。もうとにかく緊張の連続で、全編にわたってドキドキさせられます。一人の乗客の変死をきっかけに一気に緊迫感に包まれる機内。ネットの犯行予告動画やわずかな情報から容疑者を特定してじりじりと真相に迫る捜査。この二つが同時進行で描かれる相乗効果で、観客は固唾を飲んでスクリーンを見つめるしかなく、作品世界にどっぷりと浸れます。
その舞台設定だけでも興味深いのに、そこに自分勝手な人間の醜さ、国家間の利害、政府と企業との駆け引き、刑事としての矜持、パイロット同士の確執など、ありとあらゆる要素をこれでもかと盛り込んでいます。それでいて、ほぼ破綻なく成立させている脚本もなかなかよかったです。とはいえ、上映時間の長さや終盤の荒さを考えるともう少し内容を絞り込んでもよかったかもしれません。
また、映像的には、車内カメラで撮った迫力のカーチェイス、360°回転セットで撮影した乱高下する機内などが、かなりの迫力で描かれます。臨場感あふれる映像が、さらに没入感を高めます。視界不良の中で見えてきた空港の灯、暗闇の中で増えていくスマホの光は、乗客の希望のようでもありました。
ただ、終盤になって腑に落ちないシーンがちらほら。そもそも冒頭であれだけ「非常宣言は…」って謳っておいて、宣言後も着陸拒否されるとはどういうことでしょう。逆に、そこを問題提起したかったのでしょうか。また、日本の航空自衛隊が、民間の旅客機に対して威嚇射撃するなんてあり得るのでしょうか。ましてや着陸体制の機体に向かって正面から突っ込むなんて考えられません。そうまでして成田着陸の強行を試みたのは、燃料切れが迫っていたからだと思うのですが、その後また韓国まで飛行できるものなのでしょうか。その間、ク刑事が体を張ってワクチンの有効性を証明しようとしていましたが、彼一人のデータで実証されるのでしょうか。その一方で、乗客全員が着陸を諦めるのですが、ウイルス蔓延の機体をパクはどうするつもりだったのでしょうか。おそらく韓国内陸か近海に墜落するのでしょうが、海に落とせばウイルスは死滅するのでしょうか。怒涛の展開でまんまと押し切られた感はありますが、内容の詰め込みすぎのしわ寄せがここにきていたような気がします。
主演は、ソン・ガンホとイ・ビョンホンで、地上と機内でそれぞれの持ち味を生かした演技が光ります。その他の俳優は知らない方ばかりでしたが、犯人役のイム・シワン、副操縦士役のキム・ナムギル、チーフパーサー役のキム・ソジンが印象的でした。
政府に突きつけられるトロッコ問題
バイオテロが航空機内で起こった時に、各国の政府はどういう対応をとるのか。国益と人命を天秤にかけた政治リアリズムが描かれる。
アメリカの塩対応は当然ですよね。アメリカファーストは伝統です。我が日本の描き方には、ちょっと悪意があるかな。とはいえ、「ダイヤモンド・プリンセス号」乗員の上陸を許可しなかった前歴がある。ただ、この作品で日本官邸が下した決断を今の政権が実行できるかというと、それは無理だよね。そこまでの胆力がない。
この作品は、141分と長いんだけど、全然ダレない。ウイルスを機内に持ち込む方法は、これならあり得るという現実的な手段だし、機内に乗り込むまでのエピソードもテンポよく進んでいく。
ウイルスがばら撒かれてからの機内の混乱と人間模様が一段落すると、航空機が錐揉み状態に陥るんだけど、機内の様子がめちゃくちゃリアル。人が天井方向に向かって何度も落下して、叩きつけられる。撮影中にケガ人が出てもおかしくないくらいの激しい衝撃をスクリーンから感じる。
終盤は韓国映画お得意の長〜いクライマックスだけど、感情を2段階で揺さぶってくるからやっぱり泣いちゃいます。感動の後のエピローグがこれまたよくて、いい余韻のままエンドロールを迎えることができます。
人間の誇りを失わない‼️❓命よりは‼️❓いや、命の次に‼️❓
専門家監修が必要な酷いストーリー、ゾンビ映画かよ
ネタバレ無しでプレビューしたいですが、さすがにこれはキツい。
テンポや映像、演出、演技はさすがです。VFXシーンはしょぼいところもありましたが。
特に前半の導入部分の引き込まれ方はワクワクが止まりません。
後半、「成田」と出てきた時はゾクゾクしました。
さすが韓国映画。ここまでは期待通りです
でも、あまりにありえない展開でガッカリです。専門家の監修が必要ですね。
映画なので、ある程度は誇張があったり、有り得ないご都合展開も良いと思いますが、この映画はあまりに酷いです。
まず、、、
未知のウイルスの陽性判定が早い。あんなに簡単に陽性判定できるなら苦労しないよね。
てっきり、、未知のウイルスと見せかけて、、?って政府の陰謀とか?思ってしまった。
更に、ワクチンと治療薬が簡単に見つかるのも、あまりにご都合主義です。致死性の生物兵器を作ってた企業って、、、そんな怖い企業があるわけが無いでしょう。
これが、この映画のキーポイントなので、これは酷い。
犯人が意味不明。もっと魅力のあるキャラの方が良かった。「とくに理由もなく大量殺戮する人もいる」っていわれてもね。
なぜハワイを目指したのか不明。あんなことになったら「自国に引き返す」一択でしょう。なぜアメリカと日本に着陸しようとするのか分からない。
日本政府がダメダメで、着陸させるならまだ理解できるけど、自衛隊機が成田上空であんなことする訳が無い。民間機に発砲とか。墜落したらどうするのか。(あれくらい強硬な態度できれば良いけどね)
燃料持ち過ぎ。往復できるわけが無い。
韓国まで着陸させないって。韓国世論か知らんけど、いちばん怖いのはそのままどこかに墜落でウイルスばら撒きだろうから、どこかに着陸させた上で隔離しか無いはずなのに、、、 機内の一体感、逆に冷めます。
この世に飛行機内しかないウイルスなら、「撃墜して焼却」の可能性もあるかもしれないけど、韓国内にもウイルスあるからね。着陸させない意味がわからない。
非常宣言って何??
一連のコロナと、日本のダイヤモンドプリンセス号のやり取りから発案してそうだけど、それであの対応は酷い。
かっこいいセリフや、感動ストーリーにするために、あまりにご都合主義で有り得ない設定になっていてとても残念。
ストーリー以外は5点満点近いですが、ストーリーがバカバカしくて失笑レベル。
韓国映画のパワーを感じました!!
ストーリーの細かいところに突っ込み何処はありますが、グイグイ映像に引き込まれるパワー全開の映画でした。
現在進行形の新型コロナウィルス蔓延問題(ダイヤモンド・プリンセス入港問題)やSNSによる世論分断の問題。
また、過去の日航機墜落事故や領空侵犯によるソ連軍の大韓航空機追撃事件が思い出されました。
(飛行機でハワイに行けなくなりそう)
映画ではアメリカ、日本が着陸拒否したり、自衛隊機が領空侵犯で威嚇射撃したりしてました。実際にそんな事はしないという方が作品としての評価を落としてますが、あくまでもフィクションなので変な感情は持ち込まない方が良いです。
数年前に観た同じ様なテロ事件を題材にした日本映画のサイレント・トーキョーとは作品として雲泥の差だと思いました。あの映画は酷かった!!
映画やK-POPと言ったエンタメやEV(自動車)では、世界を意識している韓国には日本は大分水を開けられた気がします。
サッカーは日本が追いついて来た様がしますが‥
日本も人口減が進むので、本当に世界に出て活躍する人材を育む気運を高めないといけないですね!!
スケールの大きなアクションパニック映画ですが・・・
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