「興奮度マックス、でした。」非常宣言 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
興奮度マックス、でした。
こういうベタな展開の映画に結構弱いんです。
興奮して、
めちゃめちゃ面白いし、泣けて、しかも笑える。
犯人が頑張るかと思えば、30分位で退場しちゃう!!
(ハリウッド映画なら、犯人をめちゃめちゃ引っ張りますよね)
パニック・アクション映画で2時間20分って、
やたら長いですよ。
でも長さには理由があったんですね。
こじれにこじれます。
ねじれにねじれます。
航空機テロ→生物兵器です(バイオ・テロ)
犯人は韓国機のハワイ行きに、殺人ウイルスを機内に持ち込んで、
ばら撒きます。
(乗客の中には捜査にあたる刑事(ソン・ガンホ)の妻もいます)
トイレで感染した乗客が第一犠牲者。
程なくして犯人も感染して死亡。
やがて感染は乗員と乗客のほとんどに広がり、
乗客を治療して助けるために、一刻も早く着陸しようと、
アメリカそして日本に打診するが・・・
ここで日本政府が韓国機の着陸を拒否して、
自衛隊機で撃ち落とそうとする場面!!
《これはないと思いますね》
ロシアや北朝鮮ではないんだから、
日本の政府はそこまではやらないですよね。
そこまでの度胸はないけれど、
威嚇射撃位はやるかも知れない。
コロナの初期に横浜港に寄港していた「ダイヤモンド・プリンセス号」は、
日本政府に下船を許さずに3700人超えの乗客・乗組員が、
3ヶ月間船内に止まったのですね。
これも今となっては、もう少し方法があった気がしますね。
あと第二次世界大戦中にドイツから亡命するユダヤ人を乗せた
「セントルイス号」がアメリカにもキューバにも寄港を拒否されて、
太平洋上を彷徨った実話。
「さすらいの航海」という映画になってますが・・・
この映画も思い出しました。
それにしても見せ場は満載でしたね!
最終的に韓国にまで着陸を嫌がられ、
飛行場では韓国民の反対派のデモ隊や、
乗客の家族のバスの内部などが交互に映される。
ここで韓国機の乗客は全員、着陸を諦めて、
「星になろう」と決断します。
鎮魂のシーンで胸打たれました。
これはまるで「タイタニック」で、沈み行く船の甲板で、
「主よ御許に近づかん」を最後まで演奏する
音楽隊七人の姿と重なって見えました。
そして主役のソン・ガンホとイ・ビョンホンの2人。
ソン・ガンホはこの映画の牽引役で、妻を飛行機に残した当事者です。
ラストでウイルスの治療薬の効果を試す人体実験のくだりは、
やり過ぎ(笑)
裸で発疹だらけになって真っ赤な身体。
しかも心電図は真っ直ぐな直線でほぼゼロ状態。
そこから復活して、
「治療薬が効いたぞ!!」
(そんなに短時間で効果出るか?)
でもその結果を見て、
韓国政府は着陸許可を下す。
そしていよいよイ・ビョンホンの見せ場になるのですが、
イ・ビョンホンは元パイロット。
以前にエンジンから火を吹いた航空機事故のパイロットで、
強行着陸を決断して乗客全員を助けるものの、
2名だけ乗員が焼死する。
その事故から飛行機恐怖症になっている設定。
韓国機は機長がウイルス感染で死亡。
そして副操縦士も瀕死の重病。
そこでイ・ビョンホンが悪天候の中、短いたった一本の滑走路で
着陸を試みる訳です。
なんかこの映画。
撮影に臨場感が半端ないです。
迫ってきます。
ソン・ガンホの追跡する自動車がひっくり返るシーンの写し方。
ホントに自分が180度ひっくり返った体験をした感覚。
飛行機の揺れや着陸時の恐怖。
手振れカメラみたいに、まるで自分で撮影しているような感じ。
分からないけれど3Dや4Dより臨場感迫って来ません?
ともかく日本映画にもハリウッド映画にも真似できない
エンタメ・パニック・ムービー。
ラストにかかるドビュッシーの「月の光」。
韓国映画にしてはと言っては失礼ですが、
とてもセンスが良くて、
心に沁みました。
最近ではここまで興奮したのは久しぶりでした。
早速の返信ありがとうございます。
コロナの影響で映画館公開とサブスクの関係が大きく変化しましたよね~
特にディズニー配給のものは公開終了と同時に配信スタートとか、すごい世の中になってきました。
俺も映画館鑑賞が減ってきてしまい、ちょっと申し訳なく思ってます(汗)
共感とコメントを有り難うございました。ご丁寧に有り難うございます。
そうですね。撮影の臨場感が凄かったと言うのも、飽きなかった大きな理由ですね。手振れカメラの大迫力。
車椅子でろくに話せないソン・ガンホの現実味もおっしゃる通りです。
韓国映画は、のけぞるような過激演出と、地味なリアリティを織り交ぜてくるのが巧みだなと思います。
共感ありがとうございます。
突っ込みだらけの脚本ですがオモシロイです。
映像の写し方とか臨場感とかフィクションでいいから楽しめるものを作って欲しいです。
その点に於いては韓国映画が前に一歩も二歩も抜き出ている様に思いました。
音楽も含めてです。