ピンク・クラウドのレビュー・感想・評価
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after or with
コロナ前に撮影自体が終わって、公開時期はコロナの真っ只中という不思議な作品。ディザスターものかと思いきや、ディストピアものの作風なので、どんなものになるんだろうと思って鑑賞。
中々興味深い作品でした。まさにコロナ禍の現在とシンクロした鬱屈とした環境の中で、人が互いの嫌な部分を見つけていく様はコロナ禍初期にもあったなと思いました。現代はマスクさえしていれば外を彷徨くことができますが、この作品の世界では出たらピンクの雲に触れるだけで10秒で死ぬという恐ろしい世界になっているのも、初期コロナを彷彿とさせるようでした。
最後の場面は立ち向かったのか、それとも耐えられずに自殺を図ったのか、含みを持たせるラストでしたが、これもまた現在とシンクロしている不思議なラストでした。
ただまぁいくらなんでも辻褄が合わなさすぎじゃないかという場面は多々見られました。ライフラインが充実しているのは謎だし、体型の変化も何も無いのも謎ですし、どうやって社会が動いているかの説得力が欲しかったです。物語も家であーだこーだ言ってるだけなので、仕方ないっちゃ仕方ないんですが、ピンククラウドとどう対峙するのかというシチュエーションが欲しかったです。子供もよく育ったなとも。
ピンクは性欲のメタファーのようにぼんやり思いましたが、それぞれの解釈によって見方が変わるんだろうなと思いほくそ笑んでいました。もっとピンククラウドと対峙して欲しかったなぁ…。
鑑賞日 1/27
鑑賞時間 18:55〜20:45
座席 G-1
対比を見つける映画
生きるか死ぬか
外に出るか出ないか
一人なのか二人なのか
二人から一人なのか二人から三人なのか
美味いのか不味いのか
外に出すのか中に出すのか
現実なのか電脳社会なのか
受け入れるのか拒否するのか
ディストピアなのかユートピアなのか
無害なのか有害なのか
正解なのか不正解なのか
答えは出たのか出ないのか
救いは有ったのか無かったのか
そんな映画
タイムリーとは思うけど。
偏見だけどブラジルのニュースとかみるともっと激情的な展開かと思った。リアルな展開と思うけどもう少しフィクションらしい描き方もあったんじゃないかなー。閉じ込められた大人達とロックダウン下に生まれた子供の対比ももっとくっきり表現してたら面白かったかも。淡々過ぎて物足らず。
能天気はだ~れ?
世界が突如触れると10秒で死に至るピンクの雲に覆われて、マンションの一室で暮らすことになった夕べ出会った男女の話。
世界中で外出出来なくなる中、たまたま一夜を過ごした男女が、いつまで続くか解らない共同生活をすることになるストーリーで、ディザスターかと思ったらディストピア。
子供つくる?からの葛藤はありつつ、あっという間に1年経過。
そしてあっという間に懐妊、出産、更に数年後だけど、ここからが長い。
主に自分本位な女と振り回される男と子供をみせていく展開で、確かに機微はあるけれど、尺の割に本質はあまり変わり映えというか変化がなかったし、衝撃もなかったかなと。
withピンク・クラウド
2017年に書かれ、2019年に撮影され、内容が現在(withコロナ)と似てるのは偶然、だと説明が入り、
if(もし)という言葉で映画が始まります。
映画の世界は、現在を予見したような、分断、隔離、された世界で、
if(もし)という言葉とは裏腹に、
やたらリアリティがあり、現在の日常であり、非現実的な感じを受けません。
映画って、非現実的な世界を楽しむ事がメインだと思うので、これはマイナス。
withコロナが起きてなければ、if(もし)として描かれた、分断、隔離、された世界は、
斬新な発想だよね、こうなったらイヤだよね、と、
非現実的で、映画として楽しめたと思う。
オカルト寄り、ミステリー寄り、じゃなく、人間ドラマです。
60点~70点の間で厳しめの星3つです。
静かで退屈で眠くなりました(笑)
突如世界中に発生した10秒で人間を死に至らしめる正体不明のピンク雲...
突如世界中に発生した10秒で人間を死に至らしめる正体不明のピンク雲。母になることから逃れ、自由を謳歌したいジョヴァナと、家族を持ちその地に安住したいヤーゴが、1つ屋根の下でロックダウン生活を共にしたことから、少しずつ人生の歯車が狂い始める。
コロナ以前に脚本作成も撮影も済んでいたにも関わらず、後に否が応にもコロナ禍とリンクして、より社会性を帯びてしまった今作。運命の悪戯か、あるいは必然か。閉じ込められた密室の中で、終始メランコリーな気分を引きずりながら、人間の欲望と性(さが)がじりじりと炙り出される。
ウィズクラウドかアフタークラウドか、それが問題だ
コロナ禍前に企画・撮影されていたという偶然性はさておき、この手のディストピアもの作品をやたら目にする。系統でいえば『ビバリウム』や、ロックダウン下で撮影した『ソングバード』に近い内容。
抑圧された生活からの脱出を求めていく女性と、現状を受け入れて適応する生活を選ぶ男性。特にVRに逃げて常軌を逸し、ヒステリックになっていく女性の姿が痛々しく生々しい。キーとなるピンクの雲や、母性と性欲を露わにした描写から作品全体からフェミニン要素を感じる。もちろん監督が女性だからという点が大きいのだろう。そういえばヒステリーの語源は「子宮」だった。
女性はアフターコロナ、男性はウィズコロナと、一向に終息しない現実と向き合う姿勢のメタファーにも映る。どちらが良いのかは観た人次第。
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