SHE SAID シー・セッド その名を暴けのレビュー・感想・評価
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この映画を作ったすべての人々に100億点!!
あのTwitter上で一大ムーブメントとなった
#me too 運動の発端となった
ニューヨーク・タイムズ紙の報道が
如何に困難な取材のもと実現したのか?
ハーベイ・ワインスタイン氏の悪業だけでなく
レイプや性的暴行に対する法律や社会システムの理不尽さにも
言及した本作!
選挙の前にトランプのパワハやセクハラの実態を報道することで
社会問題にしようとしてきた女性新聞記者に
新たなる取材対象としてハリウッドでの
セクハラ事件の噂が飛び込んでくる。
調べて行くうちに、ワインスタイン氏の
セクハラ事件をもみ消すために多額の賠償金を
ミラ・マックスと言う会社の金で払い
その見返りとして事件の一切を他言しないと言う
誓約書を書かされていた被害女性たち。
それはセクハラの上にパワハラを上乗せする様な許し難い事実。
何をしようが金さえ払えば無いことに出来る!
そんな間違った解決作を男性達が常套手段として
使っていることこそが全女性に対する不敬だとして
告発する女性記者たちと、
立場上、はっきりした事は言えないが
「女性」としてその怒りに共感する名もなき女性たちの、
できる範囲での協力と言う、か細い糸の繋がりが
大手メディアの記事となり、
やがてTwitterの大きなウネリとなって
ハーべイ・ワインスタイン氏を追い込み
世界中に女性の権利を守る動きとなった事。
そんな重大な事実を
ここまでエンタメとして面白く観せてくれる今作!
まるで一級のサスペンスのように、主人公や証人達を
ちょっと後ろから追うようなカメラワークや、
なんだか不穏に車が近寄ってくるシーンなど
ハラハラ〜〜が止まらない!上手いね〜〜!!。
兎に角、現代を生きる人間なら絶対観て欲しい。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
この映画、中心になった新聞記者達が
子育て中の一番大変な時期の女性達であること。
所々にその記者達の夫が子育てに協力しているシーンがあって
旦那さん偉いな〜〜と感じたけど
よく考えると、ちょっと前までは
同じように頑張ってる男性の映画で
奥さんが家で頑張ってるシーンなど、
ほとんど描かれていなかったよな〜〜。
それとこれは脚色だと思うけど
20年程前に被害に遭った女性が今は娘を持つ普通の主婦として、
子供達とテレビで映画を観ているところに
ワインスタインの事件を取材する新聞記者から
電話が掛かって来る。
電話の直前に何気なくテレビにむかって子供達と
「ペッパー・ポッツだ」と会話するシーンがあった。
それだけで、ワインスタインの被害者の1人が
誰の事か映画ファンなら直ぐに解る。
ドキッとするよね。
最後の最後、時代だな〜〜と思ったのは
やっとの思いで書き上げた新聞の記事を電子版として
PCの画面で確認して「アップロード」に当たるクリックを
皆で息を飲んで見つめるシーン。
これが数十年前が舞台の
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密」では
新聞の輪転機が周りだすシーンだったけど、
どちらも、調査報道の大事さとそれを行なう記者達への
エールと鼓舞を込めて描かれたシーンだと思うわ。
記者の皆さん!どうか、この世の不正を
諦めずに伝えてくださいね。
最後にキャリー・マリガン!
「プロシング・ヤング・ウーマン」に続き、お見事!!
(これも↑ぜひ観てね!)
1/26 追記
米アカデミー賞の運営がこの映画を一切無視した!!
もう許し難い!!
自分たちの悪行を反省する気持ちが全く無いと感じた。
米のアカデミー賞の運営は偏りを解消するために
世界の多様な層の会員を増やした!と豪語しているが
この映画を無視した現実を見たら本当とは思えない。
日本のマスコミはもう、米アカデミー賞をこれ
以上宣伝するべきで無いと思う。
米アカデミー賞は、作品を評価する賞ではなく
あくまでも仲間内での人気投票だということを
もっと強調するべきだ!
権威でも何でも無いのだから!!!
貴方の隣でも⁉️
先ずこの作品を企画し公開まで携わった全ての方々に、「有り難う」謝意を示さずには要られない。
一方的な報道パワーの作風ではなく、主人公等の私生活と仕事の描写バランスがとても絶妙に思う、「娘たちにはこんな世界の中で生きて欲しくない」・・っと言う思いが、ラスト募って行く。
人が農耕を始めた遥か昔から綿々と存在する立場を利用した「私欲暴力」
既に報じられている事とは言え、当、映画業界の報道後7年も経っていないスキャンダルを社名、団体を含め実名で創り上げた、そこには想像を絶する幾多の勇気と決断の局面有った事でしょう。
回りに与える影響等を考慮し「グレー」に仕上げる我が国では完成が難しい作り方。
「エンターテイメントとは言え、事によっては観て、考えて貰おう。」っと言うスタイル。
悪いものは「悪い」とハッキリ言う、声にする。
立場を利用した「権力の暴力」特別な事では無く、国の間からアルバイト先でも・・・さっき目にした看板の会社で起きているかも知れない、隣にいる方が被害に有っているかも知れない事象ではないだろうか?
「知ってもらい、考えてもらいたい」とメッセージを送ってくれる作品、世界はまだ棄てたもんじゃないな・・・っと今、この様な世の中だからこそ
尚、強く思えて嬉しい限りです。
タイトルの「SHE SAID」は何を含んでいるのか、確りと考えなければいけませんね。
見て見ぬ振りをする・・その行為も又・・・・
THANK YOU Ashley.
相関図欲し目
そう言えばこんなことあったな、くらいの記憶しか無かったんで、この作品でようやく何があったか理解した。
取材対象の人物関係や過去と未来が行ったり来たりして若干混乱したから、もう一回整理してから観たい。
良質で力強い作品。
邦題のサブタイトルは別にいらんかな。
女性記者たちの日常と地味な取材の様子を単調なまでに繰り返します。本作の単調さは、欠点とは限りません。逆にそれが 「武器」になっていると思います。
2017年10月。米ニューヨーク・タイムズ紙に、世界を大きく揺り動かすスクープが 掲載されました。ハリウッドのプロデューサーで、絶対的権力者だったハーヴェイ・ワインスタインタインによる性的暴行事件です。
固く沈黙を守る被害者に取材を続けた記事は反響を呼び、ピュリツァー賞受賞。2020年に、ワインスタインが禁固23年の判決を受けることにつながりました。この記事を書いた2人の女性記者の回顧録が原作となっています。
さらに事件は性被害に遭った女性たちの告発運動「Me Too」に発展し、今も世界中に広がっています。また、ワインスタインに2度目の有罪判決が下ったのは、つい先月のことです。
被害女優たちも現役で、作品の中でも実名が登場します。アシュレイ・ジャッドに至っては本人役を演じているのです。
物語は、ニューヨーク・タイムズ調査報道部の記者ミーガン(キャリー・マリガン)とジョディ(ソーイ・カザン)は、性暴力の情報を得て取材を開始することから始まります。数十年にわたり多くの女性たちが被害に遭っていたことを知るものの、守秘義務付きの示談や報復への恐怖、絶大な力を持つ相手への無力感やメディア不信など厚い壁に阻まれる。2人は粘り強い取材を重ね、証言や証拠を集めてゆくのでした。
けれども「パルプ・フィクション」「英国王のスピーチ」など、映画界に新風を吹き込んだワインスタイン側の守備は固く、証拠は消されていきました。権力者の性的暴力に始まる事件から浮上する現実の壁は厚かったのです。権力・金そして政治の癒着。裁判にかけても、フェミニストを自称する弁護士までもが示談を勧めてくる始末。ワインスタインは100万ドルの示談金を提示します。示談に応じた側は口外しない一項に署名。応じなかったのは、ひとりだけ。さらにジャーナリズムへの圧力。
ワインスタインは、仕事を名目にお目当ての女をホテルに呼び出した事は認めましたが、多くを否認しました。女にしてみれば、屈辱、心理的恐怖を受けたのは明白です。
有名になりたい。金持ちになりたい。ハリウッドが生んだスター・システムの歴史の裏側はあるにしても、事務所で働いていた女たちまでが辞職に追い込まれ、住む土地も変える事態となっていたのです。
この事件は21世紀の今も起き続けました。示談金は会社経費で決済。情報は経理担当から漏れ始めたのです。
真実が暴かれるスリリングな展開や記者の正義感と情熱、それを支える新聞社の信念という要素は「大統領の陰謀」以来のこのジャンルの定番です。通常ならここを強調してエンタメ作品にするところ。しかしワインスタインの裁判は続き、告発も後を絶たえません。ドラマ化するには生々し過ぎる現在進行形の出来事をどう見せるか。女優でもあるマリア・シュラーダー監督は、あえてドラマチックな描写は避け、禁欲の道を選びました。被害女性たちへの暴行場面を一切描かれません。ワインスタインも声と後ろ姿だけ。顔は見せず、ほんの少ししか登場させません。その代わり、女性記者たちの日常と地味な取材の様子を単調なまでに繰り返します。本作の単調さは、欠点とは限りません。逆にそれが 「武器」になっていると思います。
取材先に電話をし、メールを送り、話を聞く。連絡が取れない相手は、直接自宅を訪ねてみる。2人の記者、ジョディとミーガンが、ゴツゴツと取材を重ねる様子を、家庭での「母」としての姿を交えながら積み重ねていきます。その点は女性が出産、子育てをしながら働く困難さを描いた映画としての重みも感じられることでしょう。
さらに、話は聞くことができても非公表前提の「オフレコ」。示談成立に伴う秘密保持契約も大きな壁となります。悪を捉えながら記事にできないもどかしさは、見ているほうも記者の気持ちに感情移入されていきました。
しかし勇気を振り絞り、報道前提の「オンレコ」の取材を受ける被害者が現れ、重い口は開かれていくのです。それが電話やインタビュー、編集会議など、同じような場面の繰り返しで淡々とつづられていきます。
そのため娯楽作品としてのバランスやカタルシスには少々欠けてしまいした。しかしそれを犠牲にしても強調するのは、問題の根はワインスタイン個人ではないということ。権力者の不祥事を金と守秘義務契約で闇に葬る男性支配社会を厳しく批判し、事件の現代性を訴えているのです。
余談ですが、わたしはセクハラをはじめとするハラスメントには懐疑的でした。冗談も言えない社会になってしまったことについて閉塞感を感じるからです。そんなわたしでもワインスタインの傲慢さと女性を単なる性の道具にしか見ていない人間性を見せつけられて、次第にこんなセクハラは許せない思わずにはいられなくなったのです。
さて、本作の単調さに話を戻します。
デリケートな題材に対し、その単調なリズムが一種の上品さを生み、倫理を保つものではないでしょうか。記者たちをことさら英雄視しない、抑制した語り口や扇情的にならず、一方でひたひたとサスペンスを醸成していく単調さは、欠かせない要素なのだと思います。同じようにジャーナリストを描く「大統領の陰謀」や「スポットライト 世紀のスタープ」とアプローチは似ていますが、禁欲度はより高いといえるでしょう。
ハリウッドには昔から、「キャスティングカウチ」という言葉があるそうです。プロデューサーらが自分の部屋に女優を呼び、カウチ(ソファ)での性的行為と引き換えに役を与えることなのだそうです。残念ながらそれが今も死語にはなっていなく、次々と映画関係者のセクハラが露見しています。
物語は素っ気なく、突然ラストシーンを迎えます。映画は終わっても、現実の問題はまだ終わっていないことに留意すべきでしょう。
追伸
セクハラ取材と並行して、当時の大統領選挙の話題が頻繁に挿入されます。徹底しているのは、挿入されるニュース映像がことごとくトランプのスキャンダルばかりということです。セクハラを起こしたハーヴェイも熱心な民主党支持者でしたが、本作もトランプバッシングの挿入を通じて、相当な民主党支持なんだということを実感しました。ハリウッドというところは、民主党の牙城なのでしょうね。
気づきが多かった
「ヒトラーの虐殺会議」に続き、
毎秒、怒りと悲しみで震えながら観るような映画でした
ほぼ小説通りなのだけど、
レイプという言葉をカジュアルに使っちゃいけないとか
そういうさりげない所に、重要なことが潜んでいた
彼女らも作中で言及していたけど、
出社するなり無意味に名前を呼ばれたり、
すれ違いざまにぶつかった時、ごめんと触られたり
そういう一つ一つの所動が女性を鬱にさせてるのよ
そんな所も繊細に描かれていて、現実味が増した
最初に記者二人がコンタクトを取る場面のように
互いのアイコンタクトで交流をはかってよ
一方的なアクションはコミニュケーションじゃ無いのよ
あと、向こう側の弁護士が訪れた時の、
ミーガン(キャリーマリガン)の絶望的な瞳
自分が助けようとしている女優たちへの蔑み
弱い者へ口を閉じろというアクション
あれを受けて失望しているあの瞳が忘れられないです
こういう映画を観ると無力感に苛まれる
でも、常に弱い者の、力無い者の味方でいたいと思う
女に生まれた事を後悔したことはあるか
女性の様々な悩みがギウギウに詰め込まれた映画だった
セクハラ、産後うつ、乳がん、そしてキャリア
私は女性に生まれた事を何度も後悔した。
婦人科系の疾患の疑いがかかった時、ハードめなセクハラを受けた時、結婚適齢期に差し掛かったとき。
女性に生まれて良かったと感じてる人はいるだろうか
一度は後悔した事があるのでは
特にセクハラは、私たちにいつまでも重い影を落とす。
セクハラはどこにでも転がっている
それはとてもフラットなものから断りようのない重いものまであるが、世界共通なのが、権力者は男であり、女は権力者によってどうとでもなる存在であること
若い頃に生涯残るような辛い思いをしても「そんな事で騒ぐな」によくある事だ」といなされる。
被害者側も将来のキャリアと今のポスト、爪弾きにされる恐怖を考え沈黙する。
そしてセクハラの連鎖は止まらない
ここで声を上げた女性、連鎖を止めたメディアを称えたい
BRICK WALL
劇伴のおどろおどろしさが随所に演出を増幅させる構造になっている作品である
紛れもない"#MeToo運動"のきっかけとなった映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる性的虐待の告発を促したニューヨーク・タイムズの記者、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイー、それぞれが母親でもある2人の軌跡を描いた作品である
ルッキズムを彷彿とさせてしまい甚だ遺憾なのだが、確かにかのプロデューサーの容姿は問題を匂わせる ああいう"お山の大将"的容貌と振る舞いは、一定の数存在する ドラえもんでいうところのジャイアニズム的位置づけだろう 自分の人生に於いてもああいう輩は存在していたし、誰にでもそれは身に覚えがあると容易に想像出来る そんな極端に利己主義、独占主義的な思想が許される背景は、決して与えてはいけない、但し容易に奪取できる先見の明、そしてタイミングの妙という"運命"だったのかも知れない そもそもが親分気質で成長したであろう、体格的にも恵まれた人生に於いてその人格がかなり曲がった形で形成されてしまったことは手に取るように解る 残念なことに勉強も出来たであろう 容姿の怖さのインパクトもあって、上下関係を構築しやすい構図が容易く手に入れてしまったことに、この世の不条理を禁じ得ない モラハラ、セクハラ、パワハラ等の"ハラスメント"の根源は、強烈な個性の持主にリーダーシップを奪われるという負の側面が大きくなった状態からの原因なのである
今作品のキモは、その"必要悪"を如何にして対峙すべきかの術を懇々と説く内容である 兎に角証拠!証拠!証拠!・・・ 被害者は1人ではない、そして今でも拡大生産中である最悪な状況を、周りの誰も"自己防衛"という消極的力の加担の中、世知辛い毎日を諦観に馴らされた殆どの人間達にぶつけてきたストーリーである 人間はこの"ジャイアズム"を利用し続けるのか、それとも排除するのか、それが問われるプロットなのではないだろうか?
性搾取、性差別の是正は始まったばかり
#metoo運動はここから始まったと言える。人間の根本的な悪徳が性から始まっていると思う。日本でも酷い事件があったが、加害者は未だに社会生活を送っている。その罪を償うこともなく。権力、男性優位社会は腐っている。全ての罪悪はそこから始まって、都合良く揉み消されている。映画の世界ではなく、この作品は私たちの今であり、現実に起こっていることなのだ。他人事ではない。見て見ぬふりは出来ない現実なのだ。
サプライチェーン
MIRAMAX創業者ハーヴェイ・ワインスタインが長いことやりたい放題だった自社従業員や女優への酷い性犯罪を、ニューヨークタイムズ紙の女性記者が執念の取材で世界に問うた # MeToo 震源の実話、御仁が叩かれまくりの起訴されまくりで収監されてるのは周知の通り
ただ実はより闇が深いのが「サプライチェーン」
加害者と被害者の間には、調達からアフターサービス迄を担う、たとえば会社の人事や芸能プロダクション、定宿の高級ホテル、事後を示談で処理する弁護士、経費捻出した財務担当者とか、一定程度そうだと知りつつ自身の便宜を得ていた (そして多分いまも無傷の) 人たちがいること
そして加害者と被害者の間のもう一つが、我々みたいな、大事になるまで無関係で無関心だった大衆、120%明瞭に非がある加害者を、安全なところから叩けるだけ叩いて、溜飲が下がったら、そして飽きたら通り過ぎちゃうから、より本質的な課題構造を見逃す
これはおすすめ、映画が好きだとかなんとかじゃなくて、大仰にいえば、現代を生きる一人として観るべき
双子のように呼応しあう二人の記者
怒りと悲しみで辛くなるだろうから見ないと決めていたが、ドイツ映画「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」の監督(マリア・シュラーダー)がこの映画の監督だと知って見ることにしました。構成というか編集がとてもいい映画だと思いました。
辛くて苦しくなってもタフな二人の記者をキャリー・マリガンとゾーイ・カザンが素晴らしく演じてました!笑うことさえできた。
二人が白の夏ワンピースのお揃いで「双子みたい」と言い合ったところがいろんな意味で好きだ。その時々の二人の服の色、素材、デザインが自然に呼応しあってた。幸せも正義感も辛さも仕事の達成感も共有しているかのように。
家族やインタビュー相手や同僚の為の感情労働をこなしながら、強く優しく冷静に客観的な仕事をする彼女たちと同僚の仕事に敬意と感謝の気持ちを抱いた。
ジョディが祖母の話だったか、腕の黒い数字の入れ墨に触れていた箇所は辛かった。
#Me Too という言葉の重みが
ニュースや世界の情勢に明るくなく、#Me Tooという言葉が話題となった時も、なんとなく事の概要を知っているだけで、対岸の火事だと思っていた。でも、そうではないことを知った。
最後には全てが暴かれるという安心感がありながらも、思うように進まない取材、そして少しずつ明るみになる真実。最初から最後まで緊張感があり、釘付けになった。取材シーンは特に、張り詰めた空気が漂い、まるで自分が記者になったように、証言者の言葉を噛み締める自分がいた。
ラストで一気に緊張が解け、#Me Too という言葉の重みが胸に突き刺さり、一気に涙が溢れるという、はじめての体験をした。
性別年代問わず、いろんな人に見て欲しいと思う。
エンドロールの「HERSELF」の価値
ワインスタインの性犯罪を丹念に追った記者二人の物語。勇気を出して、実名での被害公表に応じた方々の勇気。とりわけ、エンドロールで「HERSELF」と書かれた出演者たちに拍手を送りたい。
未来への繋ぎ
♯MeToo運動が世界に広がって行くきっかけを作ったNYタイムスの報道記者ミーガンとジョディ…彼女達の記事を元にした書籍はピュリツァー賞をも受賞 世界中から大反響を呼んだ
この事件を映画化しメガホンを撮るのはハリウッドとは関連の無いドイツ人のマリア・シュラーダー
ハリウッドだけではなく世界のどこにでも起こりえる権力に対しての真実を深くえぐるだけでは無く性描写を描かない被害者サイドへの配慮を汲み込んだ作りには女性監督ならではの思いやりを感じた…
そして2人の記者を演じたキャリー・マリガン
ゾーイ・カザン
特にキャリーの前に前に出ない繊細かつ力強い
演技がたまらない!
乗り込んで来たワインスタイン一団との交渉場での無言の表情は秀悦!!!!!
…モデルになった実際の2人の記者にもそれぞれ幼い娘さん達がいらっしゃる
彼女達が成長した時
女性主導の社会が普通になる未来へと繋がっているはずだ!
そんな女性達のヒロイズムを賞賛する
注目の作品に年明け早々に出会えた事に感謝したい!
実話でも色々考えさせてくれる作品
実話なので詳細は省くが、MeToo問題が世界中で問題になるきっかけとなったアメリカニューヨークタイムズを舞台にした内容は見応えがあった。メディアのあり方、告発者とメディアとの関係など色々考えさせられた。女性記者2人が主人公だが、彼女たちの思い、それをサポートする同僚や家族もスクリーンから伝わった。MeToo問題は現在も進行中。また、日米の意識の違いもこの作品から見えてくる。女性の方はぜひ観てほしい作品。特に若い女性の方やマスコミ志望の女子大学生は必見です。
標的は札束で全てを揉み消してきた淫奔の悪魔... 遅過ぎる救援の手に憤る被害者たちのトラウマを糾合した報道に己が叫びを託した映画
数年前に世界的な拡がりを見せた#MeToo運動の大きなきっかけとなった、ニューヨーク・タイムズ紙による映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン氏の性暴力報道を世に出した二人の女性記者の闘いの物語。
ハリウッド大作ではあるものの相手巨悪からの此方の命を狙った妨害工作のような派手なスペクタクル展開は極力排されており、無数の関係者たちの自己保身と無関心の連なりによって長年野放しにされてきた裸の王様の性暴力を根絶するため、累積した悪行を丹念に取材して詳らかにする地味で堅実な一本です。
記者たちがその被害者たちの声を掬い上げに行くことで彼女らは封印していた自らのトラウマに己を曝すことになるのですが、力無き普通の人々がなけなしの勇気を振り絞って巨大な不条理に立ち向かう姿は実話ベースゆえの凄みを感じさせます。
忖度なし
スクープ繋がりで、なんとなく日本のドラマ「エルピス」を思い出したながら観てしまいましたが、日米のジャーナリズムの違いが顕著に現れてましたね。ニューヨークタイムズと日本の民放を比べるのがナンセンスなことは承知していますが、前者にあって後者にないもの。それは絶対的な正義だと思いました。特に「組織」としての。日本でも東京新聞の望月記者をモデルとした作品がありましたが、絶対的権力を転覆させるだけのエネルギーはありませんでした。「エルピス」もそうでしたが、グレーな部分が多過ぎてモヤモヤするというか。きっとジャーナリズムの在り方や志が根本的に違うのでしょうね。上司のキャラを見比べると歴然。数年前には「スポットライト」という名作もありましたが、アメリカという国は問題こそあれど、ある意味で健全だと思える、そんな作品でした。
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