こんにちは、母さんのレビュー・感想・評価
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梅雨明けの7月29日に鑑賞!
梅雨明けかぁ、季節が一緒だななんて思って見ていたら、ラスト「今日は7月29日あんた(息子)の誕生日よ!」 なんとこれが鑑賞した日だった!!こんな偶然はなかなかない、あー驚いたー!
映画の方は、ホームレスの人に食べ物などを届けるボランティアで知り合った牧師さんの事を好きになった母(吉永小百合)と会社の人事で参っている息子(大泉洋)、家出しておばあちゃんの所に居候している孫娘の話。所々昔懐かしい風情があったけれど、吉永小百合の家の外がセットされた感が強くて少し残念。産婆さんが来て自宅で(大泉洋を)産んだとか、時代が違うような気もした。
「死ぬのが怖いわけではない、いつ歩けなくなって、いつ寝たきりになって、人のお世話になるかって事が怖い」と言う吉永母さんのセリフは心にズーンと響いた。みんなそうだと思う。
これからもよろしくお願いします、山田監督
山田洋次、92歳。
映画監督歴は63年、監督本数は90本。
自分の人生の2/3を映画に捧げ、自分の年齢と同じ数ほどの映画を監督。
超人的な製作意欲は敬服に値し、往年の名匠が多く旅立つ中、令和の今も新作を見られる事は奇跡的ですらある。
今でも精力的に活躍しておられる源は、映画への飽くなき情熱であろう。
…しかし近年、古臭さが指摘される事度々。
台詞回し、人物描写、演出に作風…昭和テイストそのまま。時折時代錯誤感も見受けられる。
いつぞやの山田監督のある発言。最近の映画館のシステムは苛々するほど面倒臭く、映画も見た気にならない。昔みたいにワーワー騒いだり、座席を蹴飛ばさんとする勢いで見たっていい。
言わんとしている事は分かるが、ちょっとねぇ…。
本作もちょいちょい違和感を感じる。
会社内で男性上司から女性社員へのボディタッチや飲みの付き合いなどが指摘されているが、昭夫のエリート思考(会社勤めは勝ち組で、ボランティアは遊び、ホームレスは脱落者などなど)、後任の外国人牧師への福江の不満(英語で説教されたって…)。個人的に何だかちょっとトゲが刺さった。
いきなりラストに触れてしまうが、昭夫は懲戒解雇の対象だった友人の木部のクビを繋ぐのと引き換えに自身が会社を辞める。仕事にも対人関係にも人生にも燻っていた昭夫が犠牲的精神で男を見せたハイライトだが、辞める必要性あったのか…? 上から睨まれつつも、会社に残り対し向き合い続ける…っていうのでも良かった気がする。辞めは逃げのように感じてしまい、あのフーテンと根本的に変わっていない。ついで言うと、クドカンが演じた木部の人物像があまり共感や同情を誘うものじゃない。周囲に喚き散らし迷惑をかけ、リアルには居て欲しくないかも…。
リストラ、家庭問題、ボランティア活動やホームレス…社会問題を取り込んでいるが、特別目新しいものではない。山田作品でだって前々から描いている事である。
山田監督ならではの視線でしか描けない“今の日本と日本人”をもっと浮かび上がらせて欲しかった気もする。
不満点ばかり述べたが、別にがっかりではない。本作も安定の山田作品。
時々ズレを感じるのは否めないが、それでも何故山田作品に魅せられるのか。
言うまでもなく、日本人の心に染み入る人情。
例え古臭いと言われても、日本人はこうでありたい、こうであって欲しいという理想像。
そして本作は久々とも言える下町ドラマ。まるであの作品の下町に帰ってきたような…。
そこに、山田監督が一貫して描き続ける家族物語。
時代は変われども一切ブレない、これぞ山田節!
昭夫の境遇には同情を禁じえない。
一流会社に勤めているが、役職は人事部長。つまり、“クビ切り”。
しかもそのリストラ対象者の中に、同期の木部が…。
家庭では、妻と別居中。娘・舞は家出中。
仕事も家庭も、今つらいよ。
さらに追い討ちが。下町の実家に戻ったら、母が変わった…?
妙にお洒落をし、何やら生き生き。
娘の舞が転がり込んでいる。
舞曰く、おばあちゃんは今恋してる。
ハァ!?
相手は同じくボランティア活動をしているロマンスグレーな牧師さん。
舞は祖母の恋を応援しているが、昭夫は…。
勘弁してくれよ!
老いらくの恋。人は幾つになっても恋をし、人を好きになったっていい。
でも、自分の母親が恋してたら…?
ちょっと複雑な気持ちになるのも分からんではないかな。
何だか皆、ファンタジーの世界の住人のよう。
そんな中でただ一人、悲哀とユーモアと同情たっぷり。山田監督作初出演だが、その世界観にピタリとハマった大泉洋。今後も常連になりそう。
大泉演じる昭夫の視点で語られるが、主演は勿論この方。
山田監督とのタッグは6作目。『母べえ』『母と暮せば』に続く“母三部作”のトリ。本作で映画出演123本目となる吉永小百合。
現78歳。映画デビューして65年。ちなみに女優デビューしてからは67年。
彼女もまた山田監督と同じく令和の今になっても精力的に活躍し続け、もはや私語になりつつある“映画女優”の体現者。
しかしよく言われるのは、どの映画出ても“吉永小百合”。
品や変わらぬ美しさは並ぶ者いないが、演技力や役幅の乏しさはちと否めない。
現在日本映画の監督のほとんどが年下。大女優に物言えない立場なのか…?
そんな中今、ただ一人と言っていい年上監督。今も尚、鋭く厳しい演技指導をしてくれる。
本作での吉永小百合は基本いつも通りは変わらないが、いつもよりかは下町の母親の雰囲気を醸し出していた。息子を「お前」と呼び、語尾が「~だろ?」だったり、失恋酒を煽ったり。そして、初の祖母役でもある。
吉永小百合の“初孫”に、永野芽郁。派手なヘアメイクに今時風のファッションで若々しさ弾けるが、祖母の恋を応援するピュアな性格でもある。
YOUや枝元萌ら福江のボランティア仲間、牧師役の寺尾聰の好演も光るが、ホームレス役の田中泯の存在感際立つ。
『PERFECT DAYS』とはまた別の視点で、東京の風景が美しい。下町の人たちはあんな風にスカイツリーを見ているんだなぁ、と。
屋台船、乗ってみたい。
クライマックスを飾る花火に、たまやー!
福江が暮らす実家の雰囲気が、あの団子屋を彷彿させ何処か懐かしい。(こちら足袋屋だけど)
光る台詞もあった。福江の「クビを切るより切られる方がマシ」。
福江と亡き夫の馴れ初め。回想シーンだが、妙なドキドキ艶かしさがあった。
心温まる下町人情劇だが、侘しさもほんのり。
福江の失恋。結局会社を辞め、妻とも離婚した昭夫が一番の貧乏くじかもしれない。
が、七転び八起き。暫くよろしく頼むよ、母さん。
終わってみれば、特別何も劇的な出来事は起こらない。
それが下町の風景や家族のありのままの姿なのかも。
下手な語りだったら退屈になりそうなものを、そうはならない。肩の凝らない作品とはアクションやコメディを多く指すが、本作もそう。
温かく、気持ち良く、心地よく、見れる。
山田洋次監督は日本人の心に寄り添い続ける。
年齢だけ見ればいつ遺作になってもおかしくない。
後何本手掛けられるか分からないが、これからもよろしくお願いします。
まずはずっと待ち望んでいる『家族はつらいよ4』を!
ほのぼのといい映画
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大会社の人事部長の大泉は、人をクビにすることに辟易してた。
しかも学生時代からの友人にも退職勧告せざるを得ず、友人は逆上し拒否。
野暮用で実家に帰ると、母親が中心になってホームレス支援をしてた。
またその活動で知り合った神父に恋をしていた。これも苦々しく感じてた。
また妻と別居が続いてて、離婚する方向になりそうなのも悩みの種。
そんな両親を嫌がった娘は、大泉の母の家に寝泊りするようになった。
上記友人は、故意ではなかったが会社の偉いさんに怪我をさせてしまう。
会社はこれを口実に、クビを言い渡す。大泉は独断で自主退職として処理。
退職金が出るようにとの取り計らいだったが、
これが原因で大泉がクビになる。もちろんそれは覚悟の上だった。
さらに離婚もし、住んでた家を売却し、実家に住むことになる。
母は、恋する神父が故郷の北海道に異動で去り悲嘆に暮れてたが、
息子との同居を喜び、共に前を向いて歩いて行こう的な感じで終了。
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寅さんは見たことないし、山田洋次監督の作品を見たのはこれが最初かも。
随所に古臭さは見られたが、決して嫌いではなかったな。
役者も吉永・大泉・永野芽郁・寺尾聡とクリーンなイメージの人達が揃う。
だから何かアットホームな雰囲気で良かったな。
予告編では吉永が破天荒過ぎる役みたいな印象を受けたが、
決してそういうわけではなくて安心したわw
舞台は多分現代やと思うのやが、チャリの豆腐屋が通り過ぎるシーンがあって、
もしかしたら古い時代を描いた作品やったのか?そのへんは不明。
目的もなくただ話が進んでいく、こういうパターンの作品を昔は嫌ってた。
今は、これはこれでいいなと思えるようになってるわ。
親子の喜怒哀楽
下町の風情が残る足袋屋の女主人とその息子の物語。
親子の関係を孫を絡めて描く。
ほのぼのとした昭和の風景が残る下町で、足袋屋の女主人の元に集う人々の触れ合いを喜怒哀楽を絡めて描く。
最近とんと観なくなったザ昭和という家族を現代的な要素を含ませて描き、観てるもの(歳を取ってるからかも)に心地よい感覚を与えてくれた。
何処か懐かしさを感じ心に染みわたる一本の清涼水の様だった。
老若男女みんな大好き大泉洋
敬老の日にイオンシネマで
55才以上はシニア料金♪
月曜日でもともと安い日だった
で映画
老若男女みんな大好き大泉洋
サイコロ地方タレントが国民的俳優に上り詰めた
天下の山田洋次や吉永小百合にもピタッとハマる
永野芽郁のキャラにはちと違和感
暗証番号を入れる家には住みたくないなどと言わせているが
それは監督の思いであってへそ出しているあの娘の気持ちではないだろ
適当に誰かに言わせた感
あと田中泯の役どころもちと映画からは遊離 設定は相当おかしい
見ず知らずのホームレスと肩を並べてビールを飲むか
大泉は器用なので絡みに違和感がなかったが
でなんか無理から空襲の話をねじ込む
ちと盛り込み過ぎ まぁ80過ぎた監督だし
撮れるうちは全部入れたいという気持ちを否定するものではない
大竹まことのラジオできたろうもそんなことを言っていた
宮藤官九郎のどうしようもない友達っぷりは最高だった
GパンにYシャツネクタイに革靴 よくわからないファッション
で靴間違える
当たり前のように女性社員の肩を触る危なっかしさ
泣きながらスーラータンメン食べる
全体としては面白かった 笑った
(以下 映画と無関係)
終了後は公園のベンチで缶ビール2本とポテトチップ
でゆで太郎に移動 肉ナスそばとコロッケ ウマ
いい休みになった
臍で茶を沸かす人情系ホームドラマ
2023年映画館鑑賞54作品目
10月9日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
劇作家永井愛原作
2007年にNHKでテレビドラマにもなってるがそちらは観ていない
こっちは吉永小百合大泉洋であっちは加藤治子平田満の共演
あちらには昭夫の娘は登場しない
山田のオリジナルだろう
テレビドラマでは中国人留学生が同じような役割をしている
テレビドラマに登場する直文の息子夫婦は映画では登場しない
監督と脚本は『男はつらいよ』シリーズ『学校』シリーズ『家族はつらいよ』シリーズ『幸福の黄色いハンカチ』『ダウンタウン・ヒーローズ』『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』『武士の一分』『小さいおうち』『キネマの神様』の山田洋次
脚本は他に山田洋次監督を師事し共に『男はつらいよ』シリーズや『釣りバカ日誌』シリーズにも携わった朝間義隆
主人公の昭夫は仲間のクビに関わる人事部長という仕事にほとほと嫌気がさしていた
妻との別居問題
妻と同居していた娘が家出
いろいろと問題を抱え久々に実家に帰ってきた
そして母は地元の教会の神父に恋をした
なんやかんやで母は失恋し昭夫は退職し離婚
母と昭夫は向島の足袋屋で同居することになった
田中泯のホームレスぶりが板についている
吉永小百合と親子役は無理がありすぎて笑ってしまったが今回は違う
昭夫と別居中の妻は声だけで顔を出さない演出
嫌いじゃない
舞の服装が悪趣味だ
永野芽郁はスリムだからまだマシだが
臍を見せるにあたり腹筋を鍛えたらしい
さすが人気若手俳優の自覚たっぷり
監督の臍のこだわりは武田鉄矢が足を引っかけ納得するまで20回くらいこけたという『幸福の黄色いハンカチ』と同様なのかもしれない
丸い掃除ロボットが何度も何度も昭夫に寄っていくシーン好き
典型的なほのぼのとした人情系ホームドラマ
可でもなく不可でもないといえばそれまでだが無難にまとまっている
『福田村事件』を観たあと体を中和し頭を冷やすにはちょうど良い
山田洋次監督のおかげで心が洗われた
他のレビューのコメント欄に同調圧力満々で殴り込みに行く活動家紛いはやはり大人のやることではないし反面教師と思い自分も戒めたい
配役
夫を亡くし向島で足袋屋を1人で営む神崎福江に吉永小百合
福江の息子で大学卒業後独立し現在では一流企業の人事部長を務める神崎昭夫に大泉洋
昭夫の娘で大学生の神崎舞に永野芽郁
元フランス文学の大学教授で現在は教会の牧師を務める荻生直文に寺尾聰
昭夫の会社の同期で大学時代からの親友の木部富幸に宮藤官九郎
売れないミュージシャンのスウェーデン人と再婚した福江のボランティア仲間の琴子・アンデションにYOU
夫と共に向島で煎餅屋を営む福江のボランティア仲間のの番場百惠に枝元萌
別居中の昭夫の妻に名塚佳織
ホームレスのイノさんに田中泯
昭夫の部下に加藤ローサ
久保田常務に田口浩正
出前の配達員にシルクロード
福江の店に客としてやってきた本人役として立浪部屋の明生
地元の巡査に北山雅康
区の職員に松野太紀
足袋屋の客に広岡由里子
炊き出しに並ぶホームレスに神戸浩
振り回される息子と老母の恋路の行方
周囲の人間に振り回されて困憊する昭夫の視点で見入った。富幸の言い分はとても理不尽に感じたが、最終的に身代わりになった昭夫には快哉の念を抱いた。フーテンの寅さんめいた台詞もあった。穏やかな表情になった富幸に、ようやく宮藤官九郎氏の面影を見出すことができた。高齢者同士の恋愛は、スウェーデンの例を出すまでもなく、目新しい話題ではないと思うけれど、男性に振られてやけ酒を煽る吉永小百合氏の役柄というのは珍しいのではないだろうか。周囲の女性たちが嫉妬しないのは、少し不自然に感じるくらいであった。ホームレスへの温かい目と、本人のプライドを尊重した姿勢が貫かれていた。「イノさん」という名は、映画『学校』で田中邦衛氏が演じた重要人物の名でもあったことを思い出した。
母さん
こんにちは、母さん
素敵すぎる吉永小百合さん
恋をして乙女な吉永小百合さん
失恋で屍になる吉永小百合さん
色んな吉永さんを拝める
現代の家族物語
離婚状態の夫婦
人生に詰まった大学生の娘
就活中のUber配達員
リストラ勧告を受けた同期
自らホームレスになる人
懐かしく、でも現代
吉永小百合と大泉洋が…新鮮!
これまでの吉永小百合+山田洋次監督による母シリーズ3弾…。
吉永小百合と大泉洋の親子が…新鮮でやり取りがコメディっぽく面白く最高でした。永野芽郁がすごく可愛かったです。
天才!!山田洋次監督、もう一度観たい作品
山田洋次監督って本当に天才だと思う。
どこにでもある普通の日常を、どうしてあれ程までに笑いと涙を誘えるのだろうといつも思う。
映像や、演出、俳優さんたちの演技力はもちろんなのだけど、本作を改めて観て思ったのだが、山田洋次監督って「詩人としても天才」なのですね。
また、本作は「男はつらいよ」でもお馴染みの朝原雄三さんとの共同での脚本なのですね。
ここから少しネタバレ。
主人公の昭夫(大泉洋さん)の母である福江(吉永小百合さん)が、思いを寄せている牧師(寺尾聡さん)にひどいことを言うときの吉永小百合さんの怒った顔がスンゴイ可愛い!!
孫の舞(永野芽郁さん)が福江に「先生に言ったの?好きだって」といったときに、「言ってもらうまで待つの」というときの吉永小百合さんがスンゴイ可愛い!!
先生との失恋の後に、家でお酒を飲んでいるときの吉永小百合さんがスンゴイ可愛い!!
また牧師さんが軽トラで駅まで?空港まで?送ってもらうときのボランティア仲間に送ってもらうときのやり取りがちょっと涙ウルっと来ました。
「男はつらいよ」ファンの私としては、北山雅康さんや神戸浩さんが出ていたのは嬉しいですね。
今日も山田映画で、癒されました(^^)
スカイツリーと屋形船
東京在住の方々には、やはり『スカイツリー』と『屋形船』には並々ならぬ思い入れがあるのでしょうか。本作なかでは「乗れなかった屋形船」「遊びに行けるスカイツリー」と今昔対極のように年代分けがされているのが印象的でした。そして片や恋人ができ、片や離婚し職も失う… 昭和と平成の差もあるのでしょうか。
ただ、ラストはお互いの世代を越えてみんなで江戸から続く花火を楽しんでメデタシメデタシと爽やかな締めでした。時代は続いていくのだよ。
牧師の荻生さんが福江さんに気持ちを打ち明けようとしたとき本編で初めて「母さん」のフルネームが出てきて「やっぱり荻生さん意識していたんだねぇ」と思うと共にそれにより母さん(福江さん)が一人の恋する女性に変わっていくところは粋で素敵でした。
そうですね最近はどこも『粋』が少ないですかね。
鑑賞後はスッキリした気持ちで劇場をあとにすることができました。
濃い味の映画もいいけれどたまには良い素材で作ったお茶漬けなんかもサラサラ食べるの感じもいいのかもと思いました(こればかりでは飽きますけれども…)
今回いちばん印象に残ったのは『田中泯』さんの軽やかでいて力強い演技でした。橋の上での昭夫とのやり取りは引き込まれました。
さっぱりしたキャラの役者さんたちの中でひときわ異彩を放っておられ、今回イチのお気に入りでした。格好良かったです!
最後に、こういう作品は当分出てこないのかなと少しばかり思いさみしくもなりました。
心が温まりました
映画の宣伝を見て、見てみようかなーと思って見ました。
大泉さんと吉永さんが親子ってどうなの?と思ってたけど、素晴らしかった‼️
2人の自然な空気感がとってもよかった。
なんでお母さんに、こんにちはなんだろうかと思ったけど、なるほどね。
私は家に帰るとただいまというから、こんにちはというのは違和感だったけど、結婚して離れていたらまた違うのかな?
さすが大泉さん、なんでもないようなことでクスッと笑えたし、官九郎さんのダメ親父っぷりも、わかるなーって。女性の肩触るのもセクハラですよ?w
逆によく人事でそれが問題にならなかったですね(笑)
めいちゃんのピンクの髪とか赤い服がめっちゃ似合ってて、かわいかった!花柄のワンピースもよかったですね。反発しながらもお手伝いはちゃんとしてるところとかも、いい家庭に育ったのかなと見えるところでもありました。
吉永さんの着物姿も美しかった!
母親の恋となると、子供としては複雑かも、、。
でもアイドルの追っかけとかで生きる楽しみになるならいいかなーとは思う。
ラストの2人の親子の感じが、決して幸福ではないけど不幸でもなくていいなーって思いました。
最初の方で大泉さんが言ってたセリフでとてもいい言葉があったんだけど、、忘れてしまいました。゚(゚´Д`゚)゚。
あと見ていたら、酸辣湯麺とお煎餅がめっちゃ食べたくなりました(笑)
何が言いたいのかわからないけど、わりと好きです
このお話を通じて何を伝えたいのかは、よくわかりません。
お母さんの家に出入りする近所の人達や、牧師さんに名刺を渡したときの反応からすると、主人公は本当に有名な大企業に勤めているのでしょう。
で、人事部長をやっていて、同じ会社に勤める友達をリストラしなければいけないので苦しんだというのですね。
それも、友達は入社以前からの付き合いで、大学生の頃には友達から頼まれてラブレターを代筆をして、それが結婚までしているのだから、そういう一番照れくさい相談事をされるような親友だったのでしょう。
奥さんとは半年前から別居中で、娘は母親が「お父さんと同じくらいのいい会社に就職しなさい」などといって将来の夢とか自分自身の望む将来に興味を持ってもくれないので家を飛び出しておばあちゃんの家に居候。
お母さんはホームレス支援のボランティア団体の活動に打ち込みつつも、息子である主人公が50歳近いというとおそらく70代や80歳くらいの高齢だろうに、死別した元夫を大切に思いながらも、残った人生を幸せに生きようとしている。
登場人物の多くが、普通に現実であり得る範囲程度で色々な悩みや思いを抱えているのは、物語の舞台としては親しみを感じるものでした。
お話を通して主人公が何か成長したとか、世界が救われたとか、よくある物語にありそうな、物語を通じて何か変わったものっていうのがわかりにくいお話でした。
だって、親友を助けたのと引き換えに主人公自身がクビになったけど、その理由がわかりません。
よくあるのは、その決断に至らしめるような、価値観に影響を与えるような出来事が描かれることでしょうが、半分呆けて戦時中の話をしてくるおじいさんと会ったり、別居中の妻から離婚を切り出されたり、一見関係のなさそうなことしか起こっていません。
日常の中で、特に大きな何かが起こったわけではないけれど、自分自身の中にあった経験なのか性格なのか、何らかの要因で親友を助けて、元々性格に合っていなかった人事部長の仕事を自分の意思で手放して無職になった。
失業したけれど精神的なストレスからは解放されてどこか晴れやかっていう、ハッピーエンドではない結末です。
映画のために作ったドラマというより、ありふれた中年サラリーマンの人生の一部をそのまま切り取ってドラマにしたような、あまりドラマチックではないドラマだと感じました。
でも、だからこそ難しいことを考えずにダラダラ観られます。
「この映画のここが好きだ」というような明確さはないんだけど、なんとなく親しみを感じて、わりと好きになれるお話でした。
大企業の人事部長を務める神崎昭夫(大泉洋)。 もうすぐ50歳の大台...
大企業の人事部長を務める神崎昭夫(大泉洋)。
もうすぐ50歳の大台だ。
妻とは別居、大学に通う娘・舞(永野芽衣)ともあまりうまくいっていない。
そんなある日、大学時代の同級生、同期入社の営業課長・木部(宮藤官九郎)から相談を受ける。
大学の同窓会、安い居酒屋チェーンはこの年齢では恥ずかしい、隅田川の屋形船を貸し切り、盛大に行こうじゃないか、ついては墨田区向島が地元のお前に屋形船の手配を頼みたい。
ま、実家で足袋屋を営み続ける母親(吉永小百合)に頼めば、伝手ぐらいあるでしょ、と。
知ってか知らずか、会社では人員整理の候補ピックアップ中。
木部がその候補に挙がっていることは昭夫は知っているのだが、業務上の秘密ということで洩らせない。
が、とうとう木部が知ってしまったから大騒動に・・・
という話で、松竹映画としては『男はつらいよ』が下火になった頃につくられた『サラリーマン専科』の流れの映画。
主役は、大泉洋演じる昭夫。
会社と友情との板挟み、加えて夫婦間の危機・・・と男性のミドルエイジクライシス映画で、母親・福江の恋物語は話の脇(宣伝では吉永小百合のハナシが中心のように喧伝されているが)。
その意味では、観る前の予想よりは面白い。
『男はつらいよ』で培った世間(社会)との軋轢の物語と恋愛コメディを、前者は大泉洋に、後者は吉永小百合に託した二面作戦。
脚本は功を奏している。
さらに、時折みせる、下町家屋のヌキの構図が抜群に上手く、美術も含めて、たぶん、現在でこの画が撮れるのは山田洋次監督組だけではないかしらん、と納得、ため息が出る。
で、映画はそこそこ面白いのだけれど、大企業に反旗を振りかざし、意地をみせた主人公の帰る場所が、母親の元というのは、いかにも前時代的。
さまざまな困難を個人や家族に押し付けてきた平成の世にモノ申してきた山田洋次監督が示す帰着点というには、安易すぎ(中心観客層に忖度したのかもしれないが)。
ということで、本作、観終わっての感想は、面白いけど、ちょっとムムムな感じ。
これには続編を期待したい。
『おはよう、母さん』で、母親と同居することになった無職50代の男性のハナシ(離婚の事後も含めて)、
『おやすみ、母さん』で、突然死んでしまう母親への惜別の情と、残った実家の処分と再出発を描くということで。
本作を現在進行形の物語にするか、やっぱり家族が良いいよね的な昭和の物語にするかは、このあとにかかっている、そう感じずにはいられない作品でした。
人の心のグラグラ
仕事、家庭、友情、すべてがうまくいかない50歳近くの主人公。
未亡人の主人公の母親は近くの教会の牧師に恋をいだくのだが、母は年も年であり、作中ぽつぽつと亡くなった父親の思い出を漏らし頑固な父が好きだったのだろう主人公はそれを良く思わず、諦めさせようとちょっかいをかける。
しかし自分の家庭が離婚の危機になると、「自分のことは母さんには関係ないだろう」と怒る。
娘は最初家出をし心は滅茶苦茶で荒れていたが、終盤には一緒に花火を見に行くような異性を見つける。
不幸から幸せへ。目が希望に満ちていた。主人公とは逆の描かれ方であった。
主人公に不幸が重なって、どん底まで落ちるのだが、作中の一言「落ちきればあとは上がっていくだけ。」というような言葉はまさにその通りである。不幸はその人間の主観であり、心である。とらえ方によって今の自分の位置が不幸か幸せかを位置付ける。
主人公を裏切者といったり恩人といったりの主人公の同級生、母親の「一緒に北海道に連れて行って」という言葉にYES、NOの返事を葛藤しできなかった牧師、牧師は嫌だが母親の言うことはそれとなく聞くホームレスの男性。
いかに人のこころは自分の立ち位置によって揺れ動くのか。
一貫性とは程遠い、人の心の揺らぎのむつかしさ、私はとても感じることができました。
「二度とこの家に戻ってくるか」と言った主人公が、最後には生家に戻り母と暮らす。そのままマンションに暮らすことも出来たのに。
不安、不幸、生き方をお互いさらけ出し、新しい一面を見た親子の暮らしが始まる。
「ただいま、母さん」ではない。「こんにちは、母さん」である。
もう山田洋次の時代ではないのにスゴイ
オープニングは大手町のビルなんだよね。「大手町をこんなにキレイに撮れるのか」と驚いた。話が少し進んでタイトルのところは隅田川で「小津安二郎みたい」という画なんだよね。カメラマンすごいな。
大泉洋が仕事でも家庭でも困って、吉永小百合が恋に落ちていて、それでテンヤワンヤでどうしようって話なんだけど、ちょっと古い感じがするの。登場人物の行動が「いま、その行動かな?」ってところがある。
大泉洋は吉永小百合の恋に対して「やめてくれよ」と言うんだけど、どうなんだろう。いまだと「死ぬまで恋した方がいいよ」ぐらい言っても良い気がするし。
永野芽郁の大学生はちょっと学生運動の頃の感じもある。
一番感じたのは、大泉洋の家に来たUberの大学生なのね。「大学四年なら就職活動してるのか」って聞くんだけど、いま四年で就活するのかな。三年生で終わってない?
そういうとこもあるんだけど、納得感もあるの。
登場人物の気持ちが、ちょっと飛ぶところあるんだよね。永野芽郁が「嘘よ。みんな嘘ばっかり」って言うところとか、大泉洋が「こういう仕事は裏切らないから」と言うところとか。少し脈略ない台詞に思えるの。
でも「人間って、こういうものかもな」って納得してしまう。捕え方が深いんだろうね。
大泉洋は大手町の現代的なビルに本社を構える会社の人事部長で50前だから、超エリートなのね。それでも最後に宮藤官九郎を救って会社を辞める決断をする。
普通は、しないよね、そんな決断。でも「首を切る方も大変ね」「逆なら良かったのに」というやり取りも振ってあって、そちらの方がいいんだよというのが、作品を通じた考え方なの。
大泉洋の離婚もそうなんだよね。永野芽郁のお母さんが「お父さんみたいな会社に勤めるか、お父さんみたいな会社で偉くなりそうな人のお嫁になるしかない」と永野芽郁に言ったことになってるけど、お母さんはその理屈で大泉洋を選んでるんだよ。
でも最後は、好きな人がいて、そちらに走る。実利より気持ち優先。
吉永小百合の恋は「好きって言ってもらうの」と述べていたのに、寺尾聰が出発するときに「私も北海道に連れて行って」と言っちゃうんだよね。観てて『ベタすぎる』ぐらいの感覚だったんだけど、隣で観ていたマダムの心は掴んでいた。声が出てたもん。やっぱり、うまいんだなあ山田洋次と思ったね。
もう山田洋次の時代じゃないなと思うけど、それでも唸るところはあって、永野芽郁も可愛いし、観ても良いかなと思うよ。
令和版 男はつらいよ 母さん篇
下町で足袋屋を営む母さんの家の店先、居間、台所、二階の部屋が主な舞台である。その息子、別居中の妻、孫娘、近所の人々、息子の友人が、帝釈天の団子屋の如き趣で人情的やり取りを繰り広げる。但し恋をするのは母さん。息子は平成的な複数の事情で苦悩を抱えている。近くの相撲部屋の力士が足袋を買いに来てたり、ちょい役で交番のお巡りさんも出る。下町の空襲の記憶から逃れられない老人の凛とした生き様が描かれたりもする。たっぷりと山田監督ワールドを新作で堪能できる。母さんの恋のほろ苦い行方もグッ来て泣ける。
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