「振り回される息子と老母の恋路の行方」こんにちは、母さん てつさんの映画レビュー(感想・評価)
振り回される息子と老母の恋路の行方
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周囲の人間に振り回されて困憊する昭夫の視点で見入った。富幸の言い分はとても理不尽に感じたが、最終的に身代わりになった昭夫には快哉の念を抱いた。フーテンの寅さんめいた台詞もあった。穏やかな表情になった富幸に、ようやく宮藤官九郎氏の面影を見出すことができた。高齢者同士の恋愛は、スウェーデンの例を出すまでもなく、目新しい話題ではないと思うけれど、男性に振られてやけ酒を煽る吉永小百合氏の役柄というのは珍しいのではないだろうか。周囲の女性たちが嫉妬しないのは、少し不自然に感じるくらいであった。ホームレスへの温かい目と、本人のプライドを尊重した姿勢が貫かれていた。「イノさん」という名は、映画『学校』で田中邦衛氏が演じた重要人物の名でもあったことを思い出した。
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