「みんな心があたたかい「山田洋次」の作品。」こんにちは、母さん ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
みんな心があたたかい「山田洋次」の作品。
山田洋次監督の作品は人間関係の勉強になる。普段はこんな態度を取っているが、本心は別の所にあったり、思っていることがそのまま正直に表れてしまったりいろいろな人を観察することができる。主人公の昭夫と福江の母子の心理状態も見れば見るほど面白い。大会社の部長という役割を演じ続ける昭夫は母には素のままで遠慮がない。福江は出世した息子を立てながらも、こちらも遠慮がない。それは社会での役割りを離れれば、いくつになってもすぐに母子の関係に戻れるということだろう。昭夫は会社や家庭での悩みを持ち込んで母に甘える気持ちがあったろうに、母はボランティアでホームレスの支援に忙しくて十分な相手ができず、少し淋しい気持ちを持ったようだ。母に好きな男性がいると知って猛反発するのも、大げさな演技で笑えるがいつまでも自分にとっては母のままであってほしいという気持ちの表れだろう。ラストの花火のシーンで昭夫の誕生時の気持ちが母から語られるが、なるほど母の子に対する思いというのはこういうものだと気づかされる。吉永小百合が演じると、何か特別に美しいものに感じてしまう。
昭夫の娘である舞がとてもいい効果になっている。母と息子だけだと単調な話になりがちだが、いいアクセントを与えている。舞が祖母の恋を心から応援する姿は可愛らしいが、女同士、祖母と孫という関係性だからこそできるのだろう。
舞も自分の生き方に悩みを抱えて家出をする。昭夫の友人木部もリストラされる不満を見当違いと分かって昭夫にぶつける。ホームレスのイノさんも戦争以来人知れぬ悩みを持ち続けているようだ。誰もが人生を精一杯生きていて、心があたたかい。そんな人ばかりだから山田洋次の映画は広く愛されるのだろう。
はじめまして、みかずきです
本作の登場人物は誰もが悩みをかかえていますが、希望を持って一生懸命に生きていると思います。自分に悩みがあるから、人に優しく出来るのでしょうね。
本作を鑑賞しながら、
強くなければ生きていけない。 優しくなければ生きていく資格がないという名言を思い出しました。
では、また共感作で
ー以上ー