劇場公開日 2023年9月22日

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「1週目の公開を見るか見ないか…。ウクライナ要素は少な目。」ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.01週目の公開を見るか見ないか…。ウクライナ要素は少な目。

2023年9月22日
PCから投稿

今年321本目(合計971本目/今月(2023年9月度)31本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 まず、一言でいうと「評価が割れそうだな」(「荒れる」と「割れる」は異なる)という状況です。公開の22日からの週では「日本語吹き替え版」しか放映されておらず(少なくとも近畿圏で放映している映画館はない)、それもまた理由があるように思えるからです(後述)。

 タイトルの割に、実は映画内で「ウクライナ」や「キーウ(キエフ)」という語は出てきません(ほか、ロシアだの黒海だのという語も出ない)。よって、ここの予告編などから連想できるようなディズニー映画のような展開になってしまうところ、なぜか「フランス」という国名は出ます。いったいどこが舞台なんでしょうか…。

 ウクライナアニメという扱いで期待された方も多いと思うのですが…。途中から実質的にディズニー映画と変わらないような展開・品質で(おそらく色々な事情で間接的な協力はあったのかな)、「ウクライナらしさ」があるのか…というと微妙な気がします(本当にタイトルの「キーウ」以外に何一つ出てこないし、ウクライナ語(キリル文字)すら出てこない)。

 ほか、明確に気になる点を挙げると、

  ・ 日本語吹き替え版「しか」どこにも存在しない(北海道~沖縄まで放映されている映画館がどうもないらしい)が、大人の事情?
  ・ 途中の謎解き(さやえんどう(枝豆?)に関するところ)がやや突飛すぎる(日本の観客の方では趣旨がわからないのでは…?特段のこのトリックに「さやえんどう」が必要な要素は見当たらない)
  ・ 上記のように舞台がどこなのかも謎(ただし「キーウ」はタイトルに、映画内では「フランス」だけは出る)な割に、最後まで見ると「世界がひとつになれますように」のような語句は出る(ここ「だけ」実はウクライナ語で表示、日本語が下に出る)。

 お子さんを連れて行く分には特段問題のない作品でしょうが「なぜか選択権(日本語吹き替えでみるか原作で見るか)が本当に存在しない」(あるとかないとかではなく、日本語吹き替え版「しか」ない)など、何がどうなっているのか「大人の事情」がいろいろあります。

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 (減点0.8/日本語吹き替え版を事実上強要してしまう、舞台がどこなのか明確でない等

 実はこの映画、作成は大手がかかわっていますが、クラウドファンディングを募ったようで、「日本語吹き替え版」では(字幕版ではどうかは不明。確かめようがない)最後にこの関係でリストがずらっと出てきます。つまり、日本語吹き替え版に関しては放映権と翻訳にかかる費用もろもろに加え、さらに吹き替え費用その他もプラスされ、その部分がメインにあてられているのではなかろうか、と思えます(もっとも、趣旨的には「映画の放映にかかわることすべて」とされたものと思われます)。つまり、こうした事情からこの「クラウドファンディングのリストを出す必要(出資者に対する配慮)」から逆に言えば日本語吹き替え版「しかない」状態になっているのではないか??というように推測でき、それもそれで理解できるものの、そこまで「一般の観客が考慮しなきゃいけないのか」という疑問は残ります。

 ※ もっとも、クラウドファンディング事業やその活用を否定する趣旨のものでもない。

 また、結局「キーウ」はタイトルに、映画内では「フランス」、そして最後に「世界がひとつに~」とは表示されるものの、「ウクライナ」「ロシア」等という語は一切出ないのも、それもそれでロシア側に配慮したのではなかろうかとも思えるものの、そうすると「世界がひとつに~」が何を指すのかも「察しろ」ということであり(まさか、「日本の近くで、ミサイルをバンバン飛ばしてくるとある地域」を指していっているという解釈は無理すぎる)、妙に「政治思想が極端に入っているなぁ」というところです。

 こういった「特殊な大人の事情」があるので、日本語吹き替え版でみるかどうか…も含めてもう1週間待っても良いのかもしれません(まさか、日本では吹き替え版「しかない」???)。
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yukispica