「良いレビューも悪いレビューも、無駄なものはない」いちばん逢いたいひと エリジウムさんの映画レビュー(感想・評価)
良いレビューも悪いレビューも、無駄なものはない
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難病もの、アイドルが主演、キャストも豪華・・・この時点で不安になるものの本作は自主製作作品。てっきりメッセージ性の強い作品かと思いきや、お涙頂戴物の安っぽいストーリーでもなく、重くなりがちなテーマでありながら、あくまで希望を感じさせる演出です。物語前半で白血病と闘う子供たちの演技や、後半に登場する病気を乗り越えた主人公の倉野尾成美さんが、アイドルとは思えない演技で(失礼!)物語に説得力を与えています。エンタメで病気や命を扱うことには、ともすれば批判をよびやすいですし、例えばドナー登録に結びつけたいならば、もっと違う作り方があるだろう的な批評はあるでしょうが、それでもこの作品は、白血病とか骨髄バンクについて理解してもらうには充分に鑑賞に値する作品だと思います。病気が単なる物語上のトッピングであるようなエンタメ作品として評価すれば☆3くらいでしょうか。突っ込みどころは沢山あるかと思います。芸達者な役者さんに、例えば二宮和也さんなどに迫真の闘病シーンを演じてもらえば、よい病気ものの映画は作れるでしょうが、この作品の目的はそこではないでしょう。脚本は監督の手によるものですが、ベースは白血病と闘った娘さんを持つプロデューサーの実体験ですから、この映画に込められた想いは、病気でも感動でもないと判断しました。今、白血病と闘っている人のために、沢山の方に観ていただきたい映画です。観ても損はない映画であると自信をもって推したいです。
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