「既に大きな仕事をやり終えたオジのライフワーク」マッドゴッド せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
既に大きな仕事をやり終えたオジのライフワーク
不気味なクリーチャーと残虐非道行為がひしめく世紀末のような星の地獄めぐりをストップモーションで描いた話。
元々3つの短編だったものを1本に繋げたみたいで、ストーリーはほぼない。とにかく気持ち悪いけどちょっと可愛いクリーチャーの造形やこの星の世界観、あとはストップモーションならではの「これ動かしたの!?」を楽しむ作品。
比較するべきではないとしてもやっぱり最近の『JUNK HEAD』が頭の片隅にちらほら出てきてしまって、『JUNK HEAD』がレベル100なら今作はレベル1000ぐらいに感じた(単純に記憶が薄れてるだけかも?)キャラの全身が柔軟に動く上に造形が複雑、さらにそこに風が吹いたり何体もいたりするし、普通に動いてる人も出てきたり。予算が違うとはいえ貫禄を見せつけられた感じ。
監督のやりたい世界観で、やりたいシュチュエーションで、監督のフェチ全開のクリーチャー、が先行していて、まさに既に本業で多大な業績をあげたオジの趣味兼ライフワークだなと思った。観客を楽しませるぞ!より、俺の好きなものを見てくれ!!って感じね(笑)庵野さんみたいな感じね(笑)
ストーリーないとはいえ、謎の惑星で働かされている奴隷が何の因果もなく簡単に踏み潰されたり飛ばされたりするのを眺めている主人公的なマスク男も足元の小さい生物を気にせず踏み潰し、さらにその男もさらに大きな存在に使い回しにされているにすぎない存在だったという、因果応報的なところは好き。
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