「不死者たちの闘いは文字通り“続く”」オールド・ガード2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
不死者たちの闘いは文字通り“続く”
シャーリズ・セロンが不死の傭兵に扮し、2020年にNetflix配信で大ヒット。
続編の配信前に前作を見たら、見応えのあるアクションとドラマが非常に面白く、続編が楽しみになった。
アンディをリーダーとする不死の傭兵部隊。ニッキーとジョー、前作で仲間に加わった“新人”不死のナイル、前作では敵対関係にあったコプリーは情報収集やオペレーターやバックアップとして。
開幕から任務。不死の部隊ながら、不死ではない者が2名。普通の人間のコプリーと、前作で不死ではなくなったアンディ。
これまではどんな傷や怪我も自然治癒したが、今はたった一発の銃弾や刃物で刺されても致命傷もしくは死に至る。それでも闘い続けるアンディ。
シャーリズ姐さん不変の美しさとアクションに惚れ惚れ。ヘアチェンも魅力的。
前作のラスト。仲間を裏切り、追放されたブッカーの前に現れたのは…
アンディのかつての仲間、クイン。人間ではない異端者として人間に捕まり、棺に閉じ込められ海に捨てられ、500年も深海で溺れ続けていた…。
そんな彼女が何故ここに…? どうやって脱出した…?
アンディの居場所を探しているクイン。ブッカーに接触し聞き出そうとするも、追放されたブッカーは知らない。
アンディとの再会を望んでいるクインだが、かつての仲間としてではない。
自分が苦しんでいた時、アンディも同じ拷問を受けていると思っていた。が、アンディは自由の身だった。
アンディはあの時助けられなかった事、ずっと探せなかった事を悔やんでいた。別の意味で苦しんでいた。
ところが、500年苦しんでいたのは自分だけ。見捨てられたと憎悪が募る…。
棺に閉じ込められ深海で溺れ死んでは生き返り、溺れ死んでは生き返りを500年も繰り返してきたクインの苦しみ悲しみは計り知れない。
脱出も逆恨みもクイン一人での事か…?
いや、裏に誰かいる。
その人物を、ナイルは予知夢で見た…。
追放されたブッカーだが、密かにジョーと連絡を取り合っていた。
ナイルたちが尾行し、合流。ブッカーはクインが現れた事をアンディに告げる。
またナイルが予知夢で見た人物。
動揺と心当たりあるアンディはある人物の元へ。
トゥアという男。彼もまた不死者で、年齢は2000歳は超え、アンディの仲間たちより遥かに“年上”。
トゥアはクインの拷問の場にいた。と、もう一人。
ディスコードという女性。トゥア曰く、彼女こそ最初の不死者。アンディより長く生きている不死者がいたのだ…!
あの拷問を目撃し、ディスコードは人間への憎悪を燃やす。アンディたちは歴史の影で人助けをしてきたが、ディスコードはその対極。
クインを助けたのもディスコード。何か目的が…? 目的があるのはある人物。何とそれは、ナイルだった…!
長年不死者を研究しているトゥア。ある仮説。
最初の不死者はディスコードで、最後の不死者はナイル。
最後の不死者のナイルには他の不死者には無い能力が。不死を奪える。
アンディとナイルが初めて会った時、ナイルがアンディを攻撃し…。その時、アンディは不死の能力を失ったのではないか…?
ディスコードはその能力を狙う。
また不死者は、不死の能力を奪う事も出来れば、譲る事も出来る。ある闘いの場で、ブッカーは不死の能力をアンディに譲る。
再び不死となったアンディ。それによりブッカーは…。
ナイルの思わぬ能力。
遂に対したアンディとクイン。
ニッキー、ジョー、トゥアがディスコードに捕らわれる。
不死者たちの思惑と闘いは混迷を極めていく…。
アクションは今回も迫力と見応えあり。
各々にアクションの見せ場が設けられているが、白眉はやはり、アンディvsクイン、アンディvsディスコード。
シャーリズとベロニカ・ンゴーによるエキサイティングな肉弾戦。
今回の新キャストに、ヘンリー・ゴールディングとユマ・サーマン。
ユマ・サーマンも幅広いジャンルで活躍しているが、非常に印象を残したのは『キル・ビル』。あの作品でのユマのアクションと熱演を見て以来、敬愛し、共演を望んでいたというシャーリズ。
アクション女優のエポックメイキングとなり、『キル・ビル』以来のアクション映画出演となったユマと、現アクション女優の筆頭シャーリズ。アクションで名を馳せた二人の熱演とバトルは必見!
アクションやキャストの熱演はいいのだが、一方ドラマの方は…
前作鑑賞済みで話は進むので、一見さんお断り。
前半は不死ではないアンディ。初めて死と直面するアンディの内面でドラマに深みを持たせようとするが、不死の設定が本作の特色であり、不死でなければシャーリズの普通のアクションじゃ?…なんて思ったり。シャーリズ無双を見たい。
ナイルの能力や奪える/譲れるの新設定が唐突過ぎて…。
各々の対立や関係など複雑化。あっち見てもこっち見ても多様性色がさらに濃く。
勿論今回も見応えあり、つまらなくはなかったが、前作の方が見易さや痛快感があった。ちょっとだけ期待し過ぎたかな…。
(ちなみにRotten Tomatoes支持率は80%から25%へ大幅ダウン)
すでに見た人の間で言われ、また3部作構想と聞いていたのだが、本当に“次回へ続く”。びっくりするくらい中途半端で終わる。
再びタッグを組むアンディとクイン。ナイルの存在。ディスコードに捕らわれた仲間の救出と決着。
次回では回収しなければならない事がいっぱいで、その分期待は出来るが、こりゃ半年か一年後にでもやって貰わないと!
今の所続報ナシ。また5年後とか辞めて~!