フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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ベーグルって食べたことないけど、なんだか食べたくなってきたなぁ。
両親に連れられて初めて観た映画『地上最大のショウ』によって幼い頃から8ミリカメラで映画を撮る楽しさを覚えたサミー少年。機関車模型をプレゼントされるやいなや、早速観た映画のような撮影をする天才。ボーイスカウト時代に仲間たちと自主映画を作るなどして、10代のうちに監督の才能が開花してたんだなぁ~と、スピルバーグファンならば垂涎モノの劇中劇。むしろフィルム編集の方に力を入れていたような気もする。 ユダヤ人にはクリスマスは関係ない!ハヌカ祭りを祝おう♪などとユダヤ人に関する豆知識もいっぱいで、高校時代のユダヤ人差別も描かれています。そんな中でも初恋は「ジーザス命!」といった雰囲気のキリスト教徒の同級生モニカ(クロエ・イースト)が相手。恋愛には宗教も人種も関係ないといったエピソードも。 なんと言ってもこの映画最大の魅力は母親役のミシェル・ウィリアムズ。ピアニストとしての魅力とともに妖艶な踊りも披露してしまう(透け透け度は『バビロン』のマーゴット・ロビーの方が上)。『ジャズ・シンガー』絡みでバビロンとも共通点があるところが面白い。 母親の言葉とか色々と納得する台詞もあったけど、最も印象に残っているのは「Art is a drug」かな。登場人物で言えば、ボリス伯父さん(ジャド・ハーシュ)やジョン・フォード(デビッド・リンチ)のインパクトが凄い。 気になるのがスピルバーグの作品群に影響を与えた体験は何だったのか。祖母の死に立ち会った際に見た頸部の律動なんかは『E.T.』や『ジュラシックパーク』に影響してるし、ペットの猿なんかは『レイダース』に?ほんのワンカットだったけど、サミー少年が手で影絵を作ってるところは『E.T.』その他に見られる手のこだわり。さすがに「おサボり日(ditch day)」のビーチは『ジョーズ』に繋がるかはわかりません・・・
原点なんだな。
これがスピルバーグの原点なんだね。 少し以外だった。 家族皆が楽しく、耐えて、励ましあって、生きて、 でも、筋は曲げないというそれぞれの主張を 通していく後半は胸が張り裂けそうになった。 特に母の心の揺らぎが痛いほど伝わってきた。 家族愛、ユダヤ人としての誇り、幼少時観た 映画の記憶… ここから始まったんだな。
それでも人生は続く
衝突に魅せられて映像撮影をはじめた幼少期
キラキラとしたアルバムのような撮影から
映画という芸術作品を作る青年になっていく成長
役者にも徐々に熱く指示を出し始めた青年は
単なる趣味というには片付けられない
そこに情熱が生まれている明確なシーンだった
映画への愛、監督になる覚悟、その始まり
母親の気持ちに気づくまでは幸せな家族だと思っていた
母親も人間であり女であるということが
それが現実として突きつけられるのがリアルだった
夫婦、愛、幸せ、寂しさ、出会い、別れ、死
家族、友達、猿、いじめ、差別、アイデア
病気、裏切り、優しさ、プレゼント、夢
ヒエラルキー、虚像、孤独、フィルム、映画
地平線が真ん中だとクソほどつまらん
芸術がそうであるように
人生も同じかもしれない
現実は楽しいだけじゃない、辛いこともあるし
心が引き裂かれるようなこともあるし
つまらない人生に思えるかもしれない、だから
色んなアングルから撮った方が面白いに決まっている
面白く思えないと辛い出来事もただ辛いだけ
全ての出来事に意味がある と思いたい
ラストカットは遊び心があって
スピルバーグ監督らしい〜と心地いい脱力でした
監督自身がこの作品を通して
ズタズタになった心を昇華したように思える作品
成長物語と夫婦のお話
あと!ポール・ダノの父親役が最高
優しくて賢くて愛妻家で家族想いで
笑顔が素敵で穏やかな理想の男性
そこに退屈さを感じてしまい
自由奔放な芸術家肌な妻は物足りなくなり、、
全て分かって暮らしていたようで切なかった
妻と親友、幸せな家族を失ってしまう
やっぱりポール・ダノ好きだ
貫禄があって、また新しい顔が見れて嬉しい!
今日たまたま芸術作品に対して批判している人が
目の前にいて、その場面に出くわして、、
作品を観る前の出来事で効いた気がする
この出来事に意味があったかもしれない、、
人生と地平線
スピルバーグの自伝的作品ということですが、基本的には、サミーのパパとママの話とサミーの高校生の頃の話を軸に物語は進んでいきます。
最後の絵の地平線の話が面白いですね。最後の映画関係者の上司は、絵の地平線が上か下にあるのは面白いが、真ん中にあるのは面白くないと言っています。個人的な解釈ですが、これは今までのサミーの山あり谷ありの人生とリンクします。
つまり、中庸な人生は面白くなく、人生は上下するから生き甲斐のある人生を送れるんだよという意味と感じました。
もう少し感動があれば満点にしましたが、上品で心地良い作品でした。
映画の申し子なんだなぁ
サミー少年が映画に傾倒していく様子から目が離せなかった。 当然事実と異なる脚色はあるだろうけど、よくできた話だった。 6歳の子供に映画館に入ることを説得するシーン、実直な父と芸術肌の母、観ていて自分自身のようで苦笑いした。
この人のジョン・フォードでもう一本作ってほしい
眼鏡の妹ちゃんかわいいなと思ったらワンハリの美少女ジュリア・バターズだ。かわいいはずだ。 あっちに住んでた頃、「Taxi」の再放送毎日見てたから、ジャド・ハーシュがイエローキャブ乗り込むところ感慨深かったなぁ。 マニアックな作品や作家がもてはやされるのも、スピルバーグやジョン・フォードのような正統派あってこそ。 もう一度、ジョーズあたりから観直してみようかな。
すべての出来事には意味がある。
毎度の遅がけレビューにてストーリーは割愛。 ミシェルウィリアムズとポールダノの好演がとにかく素晴らしく、どの場面も終始魅了されました。 特に母ミッツィの弾く美しいピアノの音色(グランドピアノは勿論スタインウェイ&サンズ)と、至る所で使われる光と影の対比の演出がジョンウィリアムズ御大の音楽と相まって印象的でした。 葉巻を燻らす矍鑠なジョンフォード監督の言葉も素敵! (こちらのキャストは後で知ったらまさかのお方) そこからのウィットに富んだこれぞスピルバーグ節と言わんばかりのラストカットに思わずニヤリ。 『バビロン』や『ワンス・アポン・ア・タイム・インハリウッド』を観た時と同じく、この時間がまだ終わらないで欲しいぐらい多幸感に溢れた約2時間半でした。
これでイイのだと思える作品
スピルバーグの自伝的映画が、アカデミー作品賞候補に挙がった!? その興味だけで観にいきました。 有名映画評論家(町山氏)が ずいぶんと前にスピルバーグの青春時代のことを 「映画オタクで、いじめられっ子の陰キャだった」と語っていましたが その触れ込み通りに描かれていました (本人が描いたのがスゴイ!) 本編は展開力が素晴らしく 母親のキャラ付けも面白く 編集も、映像、音楽も付けるクレームは見当たりません 映画のお手本というべき作りでした なんで作品賞候補になったのか分かりません 普通に面白いけど テレビ東京のお昼の枠で見るような映画かな とも思いました。 他の監督のクレジットだったら、ここまで評価されなかったかも 最後にデビッド・リンチを連れてきたのは スピルバーグ流エッジの効いた演出でしたね。
自伝的であり家族を描きエンタメでもある
スピルバーグ監督と巨匠ジョン・フォード監督の概要を頭に入れておくと、自伝的要素をより堪能出来て感想が違ってくる作品。 内容的には、少年が色々な経験を経て、どのように映画に関わり、映画を愛するようになったかを描く。自らの人生をベースにエンターテイメント作に仕上げる辺り、やはりスピルバーグは天才ですね。 後半からエンディングに掛けてはニヤリが止まらないです。そして、いつもの通りネタバレ厳禁で上映に臨んだので、あのサプライズキャストには鑑賞後もうひとニヤリ。
自伝と寓話(fable)の狭間で展開される家族の物語
そうかこうして、『スティーヴン・スピルバーグ』という映画監督は 形作られて来たのだな、との思いを深くする。 電気技術者の父とピアニストの母。 奇しくも「理」と「芸」が交差する出自。 それを冒頭のシークエンスで実に上手く描き起こす。 映画とは何かを論理的に説明する父。 それに比して「兎に角、わくわくどきどきするの」と より蠱惑的な誘いをする母。 暗闇を怖がる少年をどうやって映画館に連れ込むかの手練手管に、 両親の特性が現れる。 あとあと登場する妹達を含め、 こうした家族(Fabelmans)の存在が大きく影響したのだと。 彼の映画館での原体験は〔地上最大のショウ(1952年)〕。 それも五歳の頃だと言う。 翻って自分は「東映まんがまつり」だったことを考慮すると 彼我の差は大きい(笑)。 初めて観る大画面に興奮し 「すげ~」「面白れ~」とつい口に出していたら、 隣に座った人にキツク注意されたのは今でもトラウマ。 二本目は〔怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967年)〕だったのだが、 その後はふっつりと観に行けなくなってしまったのは何故だろう。 おっと、閑話休題。 以降、彼は観ることと合わせて 撮ることにものめり込む。 与えられた8ミリカメラで、 最初は家族旅行のスナップ的な記録が、 やがては妹達に演技をさせた物語り作品に、 あげくには同級生をも大挙動員した大作へと繋がり。 カメラとフィルムは常に共に在り、 楽しさを生み、時に苦々しさの元となり、 やがて生きる為のよすがへとなって行く。 が、その根底には、 初めて映画館で観た映画に驚きの目を瞠った原体験が。 中でも彼が最も入れ込んだシーンが 『リュミエール兄弟』による 〔ラ・シオタ駅への列車の到着(1895年)〕と 近似の描写なのは象徴的。 本作でとりわけ印象的なシーンがある。 母親の『ミッツィー(ミシェル・ウィリアムズ)』が実母を亡くしたあとで鬱状態となり、 夢現の中で、亡き母からの電話を取るシーン。 これって、〔ポルターガイスト2(1986年)〕で 『キャロル・アン』が(翌朝に亡くなる)おばあちゃんと (おもちゃの)電話で話すシークエンスと瓜二つ。
よかった
特別波乱な生い立ちがあったようには感じられず、結構幸せな家庭に恵まれて、映画監督になる為の要素いっぱいの子供時代を過ごしていたんだなぁと思います。しかし、見せ方がとても上手で、心が動かされて、涙が出ました。登場人物全ての気持ちがよくわかり、とても心動かされました。キャスト全員の演技もとてもよかった。
映像から訴える力は流石
数々の作品を送り出したスピルバーグ監督は恵まれた家庭環境の中、その才能を活かす母親の理解があったからだと思いました。 学生生活の中でも人種差別を受けた事や自ら製作した8ミリカメラの映像が観る者のこころに訴える力の凄さに感心するばかり、流石でした。 様々な逆境を乗り越えて自分の進む道を切り開き夢を現実にした監督は素晴らしい。 喜怒哀楽をしっかりと描いておりました。
巨匠は巨匠を知る
『地平線が下にあるといい画が出来る。上にあってもいいのが出来る。しかし真ん中だとくだらない作品になる』スピルバーグは終盤にジョン・フォード監督を登場させているがフォードは概ね同世代のアルフレッド・ヒッチコックやハワード・ホークスと較べても構図における地平線へのこだわりが強かったようだ。 西部劇の神様を相手にしても少しも物怖じしないように見える駆け出しのサミー・フェイブルマンは立派だ。
スピルバーグ監督の原点を通して訴えるメッセージとは
スピルバーグ監督ができるまでの少年期から青年期にかけての物語。
衝撃的だった映画体験
初めてカメラを持った時
家族との時間
アリゾナ、フロリダへの引越し
ユダヤ人として生まれた彼の葛藤や差別
いじめ
恋や失恋などなど、
スピルバーグが大人になるまでの出来事が綴られているけど、彼にとって最も衝撃的だった出来事は、家族でのキャンプの時のフィルムに映っていた母親の女の顔、父の親友で慕っていたオジサンとの関係性を知ってしまったことじゃないだろうか。
カメラを回さなかったら、編集していなかったら真実は知らずにすんだのに…
そして皮肉なことに、彼は歴史に名を刻む映画界の巨匠となった。
とはいえ、結局数年後には両親は離婚し、母は父の親友のペニーと一緒になったのだけど。
そんな母から得たことは
“心のままに生きること”
彼も大学を中退し、心のままに愛する映画の道へ進んだ。
そして本作は、映画と芸術へのオマージュでもある。
配信によって映画館や映画が転換期を迎えている今、『モリコーネ』や『バビロン』そして本作などが映画の尊さを訴えているようにも思える。
画もピアノの音楽も美しかった。
「地平線は下でも上でも美しい」
「真ん中に描いたらダメだ」
監督の最後の言葉、印象的だったな。
私もスピルバーグの母から学んだことがある。
我が家も食卓はテーブルクロスと紙皿にしよう!!面倒な後片付けの手間が省ける(笑)。
家族の物語
The Fablemans、つまり「フェイブルマン一家」ということで、家族のストーリーでした。 スピルバーグを忘れてしまうほど、家族の物語に没頭し、そういえば、bergとかcamp とかで終わる姓はユダヤ系だったな、と途中で思い出しました。 Fable=寓話から、話をつむぐ監督に繋がっていく話かと思いましたが、違いました。 超大作!とか感動作!より、こういう話のほうが好きです。
観客の心を惹きつけまくります
アカデミー賞で作品、監督、脚本、主演女優(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優(ジャド・ハーシュ)ほか計7部門にノミネートされています。 さすがスピルバーグ監督です。 観客の心を惹きつけまくります。 スピルバーグの自伝的物語ですが スピルバーグが映画と出会った出来事や 両親とりわけ母親の愛情にまつわるストーリーが秀逸です。 映画の力、映画の功罪、映画の夢を物語で教えてくれました。 母親役のミシェル・ウィリアムズが素晴らしい演技でした。 また最後に出会った人物が最高に素晴らしかった。
タイトルなし
完成度の点で、消化されきれてない感。が、文学性という点では素晴らしかった。ミシェル・ウィリアムズはとても好きな女優さんで、癖もある人だけれど、違う人かと思うほど、役に融け込んでいた。非常に難しい役だった。天才でもあり、天才になれなかった落伍者でもあった。その苦しさが伝わる。あれだけ手放してはいけないとし、愛してるとした夫では満たされなかった彼女のあり方はとても複雑。 スピルバーグは、恋愛要素は弱い人で、母親の影も感じていた。小さいときの母との秘密のやり取りは、とてもセクシー。 少年の恋愛もめちゃめちゃ。面白い。 そして、彼が高校で撮った映画の、スポーツ少年とのやり取りの物語も深い。 最初の衝撃の映画、女の子がキャーキャー言う映画、精神分析的解釈もありだろう。
やっぱりスピルバーグは正統派。自伝的作品も【虚も実も正統派】映画そのものの力を示す。敬意で星つけた。
ワシ、変な人で 【ジョーズ】テレビで繰り返し観て 【プライベート・ライアン】大シネマで圧倒され 【シンドラーのリスト】はVHS📼→DVD📀で何度も分割鑑賞で奥の深さに感動した でも【E.T.】(点が打ちにくい)【インディ・ジョーンズ】は何だかなぁ❓❓ という「自称スピルバーグ通」だから、ほとんどの作品見てる 【レディ・プレイヤー1】は未だ観てないけど・・・ 最近、映画そのものの作品、インドの少年、イギリスの中年女性 と多いのだけれども やっぱりスピルバーグは別格でした。 既にオスカー、アカデミー作品監督2回の【大人の余裕のある】スピルバーグ キチンと正しく、【半分事実、半分フィクション】で、 映画の虚と実。映像の残酷さと素晴らしさ を 家族の物語でうまくまとめてて 誰でも共鳴できる心の機微 ボリス大叔父さんの映画的存在感も ハイスクールカースト上位の性格の悪い同級生の心の動き【騙されないぞ、しかし、負けた悔しい】 技術者のお父さん と ピアノ芸術派 のお母さん の複雑 全てうまく咀嚼された人間ドラマ。 スピルバーグ的には、あまり盛っていない 等身大の主人公 家族の軋轢、失恋等、非常に正統派すぎる描き方で共感できる。 とは言っても、初日、2日目、3日目に映画館に来る客は【スピルバーグ値・・がかなりある人ばかり】とお見受けしたから 【そうですよねぇ、スピルバーグは押さえないといけないですよねぇ・・】的な、「同志、戦友」雰囲気が半端ない。 皆、そこそこ笑い、そこそこ(共感、心の中で泣ける)好作品 撮影 ヤヌス・カミンスキー 音楽 ジョン・ウイリアムズ の鉄壁の布陣を理解できる人に取って最高の作品 【無料小冊子 シネコン・ウォーカーによると】スピルバーグは1946年アメリカ・オハイオに生まれる。 そのスピルバーグが 人生の集大成的な作品。確実に【日本的には🇯🇵戦後は終わりつつある】実感した。 アメリカはベトナム🇻🇳とか中東あるから感覚わからんけど・・・ どうでもいいけど 理系技術者+音楽家 というのは 天才スピルバーグ を生んだ 最高の組み合わせ だったと思う。
もっと
33本目。 情報が多少入った状態で観たせいか、贔屓目だったりする。 ひとつひとつシーンに、監督の表情、感情が一緒なのかと思いながらの鑑賞。 全ての作品を観た訳ではないけど、ひょっとしてと思わせる所があったり、気付くと、あっと言う間に終わった。 もっと、と思ってしまう作品。
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