フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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スピルバーグ様、振り返りのお年頃、、、
家族愛、夫婦愛、初恋、不倫離婚、、、、これ全部入れなきゃダメですか?って思った。とにかく尺が長い。けど、ご本人が振り返る半生、全てに意味があって全てが繋がっているのでしょう。個人的には聡明で常識的な眼鏡の妹さんが好きだった。
理系天才肌の父親と自分大好き芸術家肌の母親から、存分なDNAを引き継いだこと、映画監督になるということは心がズタズタになる覚悟がいること、やりたいことが決まっていて才能にも恵まれている人は大学なんて行くだけ時間の無駄であること、はよくわかりました。
プロムパーティーで上映されたサミー手作りの映画の中で、かっこよく演出されていたのに「本当の自分と違う!」と怒り嘆いて泣き出した強面同級生のローガンの気持ちがヒリヒリと伝わってきて、あのシーンは自分なりの白眉だった。
リベラルイメージの強いカリフォルニア州だけど、あの当時はあんな風にユダヤ人いじめがあったのかとちょっとびっくり。構内の暴力沙汰に教職員も素通りしていたような、、、唖然。
無邪気な映画愛だけでなく、芸術の「呪い」も感じることができる
劇中、最も印象に残るのは、祖母が死んだ後に突然やって来たその弟が、主人公の少年に語って聞かせる言葉だ。
曰く「芸術という麻薬の中毒となった者は、孤独という代償を払わなくてはならない」というもので、まるで、魔法使いが、少年に呪いをかけているかのように描かれている。
おそらく、これは、長年、映画という芸術に携わってきたスピルバーグの実感、あるいは本音なのだろう。
確かに、主人公の少年は、映画作りにのめり込みながらも、その一方で、両親が離婚したり、人種差別でいじめられたり、プロム会場で彼女にふられたりと、必ずしも幸せ一杯な生活を送っている訳ではない。
特に、主人公が作った映画を楽しんでいる人々と、それを映写している主人公の冴えない顔の対比は面白い。
ただ、どうせなら、芸術を選んだがゆえに味わう孤独のようなものが、もう少し明確に描かれても良かったのではないかと思われる。
芸術家の母親はもちろん、技術者の父親にしても、主人公に対する理解があり過ぎて、映画の道に進むに当たっての葛藤のようなものがまったく描かれないのは、どうしても物足りなく感じてしまう。
ところで、ジョン・フォードのエピソードは、スピルバーグが経験した事実なのだろうか?
いずれにしても、ラストショットのカメラアングルのズレには、ニヤリとさせられた。
自伝的作品もエンターテイメント作品に。
タイトルなし(ネタバレ)
小さい頃から才能あったんだなとか家族みんな愛らしくて可愛らしいなとかブルーが象徴的に出てくるなとか云々置いといて。
ETやキャッチミーイフユーキャン等等でも出てきた両親の不倫・離婚について、じっとりねっとり描かれる。両親死ぬの待ってから作っただの、実名でやりたくなかっただの散々言われているが、驚くほどガッツリやっている(だからそう言われるのもわかる)。“あの2人“の目線の交差を過剰に何度も繰り返すので、ビックリするぐらい説明的(に感じる)
それで言うと、キャンプ場でドレス姿で踊るシーン、性的に見つめるアイツの眼差しでのちに訪れる不穏を予感させるの上手い。(いちお、妹に抵抗させるのは時代的な配慮か??)
ミシェル・ウィリアムズはブルーバレンタインに出ていたので、余計に「the・夫婦倦怠モノ」の色で見ちゃう。ので、自伝的映画と言いながら半分は夫婦倦怠モノ。とは言え、キャラクターの愛らしさもあって、ジメッとし過ぎない。
人種差別やいじめについても描かれるが、本人のあのハンデについてはさほど描かれていない。
スピルバーグの過去作は見といた方がいいに越したことはない。いろんな場面で、プライベートライアンとか「これはあの映画のことか」と言わんばかりのシーンが出てくる。
あと、「地上最大のショウ」と「リバティ・バランスを射った男」は見といた方がいいんだろな。。。
同級生らが、サミーが撮った映画を見て感情剥き出しにするシーン、一瞬??とはなるものの
サミーが自分の才能に畏怖を抱く瞬間でもあって、こんな形で自己言及しちゃうんだという変な驚き。「自分すげぇ」までの威圧感とかは感じないけど、すごく変なことをナチュラルにやってる。あの本人だからそんな表現してもこちらも平伏すしかないんだけど。
ラストのあの人、半年前にカメオ出演についての記事見たような気がするけど、それでもここでこんな形で!?という驚きはあった。
映画愛についての映画は最近散々見たが、仕上がりとしてはこれが1番上品に感じた。
芸術を取るか家族を取るか
スピルバーグの自伝、といっても、映画監督になってからのキャリアの話ではなく、青年期までのスピルバーグとその家族についての映画です。
夢を持つ子供とその一家の物語として楽しみました。
「芸術を取るか家族を取るか」という問いが、この映画の一つの主題のように思います。
科学の道を極める父親や、ピアノを弾いたり踊ったりと「表現者」な母親。
家族それぞれに芸術肌な一面があり、よく言えば個性的、悪く言えば収まりの悪い家族に見えます。
芸術を極めることと、家族の一員として生きることは相反することで、夢を追う人はいつでも、どちらを選ぶかという選択を迫られているのだと思います。
夢を追う人だけでなく、その家族にも見てほしい映画だなと思いました。
最後のワンショットがとてもいい!
映画の時間から何十年も経って、今も生き生きとカメラを持っている「少年スピルバーグ」が最後に出てきてくれたように感じました。
淡々さに若干違和感が‥
スピルバーグ監督の映画愛
映画に魅せられた少年が映画作りの道へ進むまでを、家族の物語を中心に描きつつ、芸術を仕事にすることへの喜びと困難にも触れていて2つの面で楽しめた。
映画作りの楽しさが中心となっていて2時間半があっという間に感じるくらい、エンタメ作品として完成度が高かったと思います。
ユダヤ人差別の描写などメッセージ性もあって、監督の経験がベースになっているのがよくわかる作りになっていたと感じました。
エンドロールのつづき、バビロン、エンパイア・オブ・ライトを見て感じた共通点は、映画の仕組みや映像として見える仕組みも含めて映画という存在が好きなんだなってこと。
この部分はどの監督も語っていて見比べるのも面白いと思います。
作品は、幼少期に初めて映画を見てから虜になり、青春時代の話と、彼が...
作品は、幼少期に初めて映画を見てから虜になり、青春時代の話と、彼がプロダクションに入るまでのストーリーを描いています。 思春期に家庭環境や生活環境が変化し、悩みながらも映画を取り続けた人生が描かれています。
この作品の中で映画を撮るシーンがとても印象的で良かった。
また、スピルバーグの人生の一端を見ることができて、とても良かったです。
夢を描く全ての人!地平線の位置を面白くしよう!
試写会にて鑑賞!
映画.comいつも試写会ありがとうございます!
スティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的作品と言うことで絶対観ようと決めていた作品!
もちろん脚色はあるだろうけど、若かれしスピルバーグ監督には世界がこんな風に見えていたのかな?
ファッションや街並み、色合いカメラワーク…とにかく画面に映るもの全てが美しい!
流石スティーヴン・スピルバーグ。
映画館に初めて行った時の高まる気持ち、映画と共に歩んだ人生…。
自伝的作品というだけあって、スティーヴンスピルバーグ監督の原点を少しだけ知れたような気持ちになる作品でした!
芸術家の想像力の豊かさと家族と葛藤…。
スピルバーグ監督の作品で家族の絆が素晴らしい表現で描かれる理由も少し覗けた気がする。
鑑賞後にはぜひラストシーンの地平線とポスターの地平線に想いを馳せてほしいです!
夢を描く全ての人!
さぁ!地平線の位置を面白くしていかないとね!
私事ですが…スティーヴン・スピルバーグ監督と誕生日一緒なんです✨
だからなんだって話なのですが、誕生日が一緒の有名人(しかも好きな映画の監督)ってドキドキワクワクしませんか?
スピルバーグの映画愛
スピルバーグも1人の人間:)
試写会にて。
スピルバーグがフィルムと出会うきっかけとなる幼少期からプロダクションに入るまでの自伝映画。
フィルムは真実を映したり、みんなの心を一つにしたりすることもあれば、誰かを傷つけてしまうこともある。フィルムと共に生きてきた彼だからこそ伝えたい教訓がたくさん詰まってた。
まさに原体験にフォーカスしたお話なんだけども、好奇心旺盛な時期に傍にいる人のサポート含めて環境って肝心だよなって再認識。毎日原体験インタビューしてたあの頃が懐かしい〜。
ダイナミックな映像はなかったので、ど素人の私には技術の高さは伝わってこなかったけど、プロムの上映会のアングルは好きだったなぁ。映したいものを同時に全部見せちゃう、それでいてオシャレなかんじ。。
隣の人の背中にスピルバーグのロゴが。しかも黒Tシャツに白のロゴ。。
最後に素敵なエンドロールが見れて良い気分。
フツーに良い話
直前に見たエンパイアオブライトと 同じ表現が何度か出てきて きっと...
直前に見たエンパイアオブライトと
同じ表現が何度か出てきて
きっと映画人なら誰でも語りたいポイントなんだろうなと
微笑ましかった
生家のことは色々あったけど
普通にドラマとして楽しめた
お母さん、憎めない
お父さん、がんばれ
タイトルなし(ネタバレ)
基本的に自伝映画は知らん人の話だし、知らんわ、となるのだが基本的に面白くなるように出来ているから、流石のスピルバーグである。
彼のフィルモグラフィに常に潜む人を怖がらせるエンターテイメント性と父性への疑心の理由を解き明かす。お父さんがあれで嫌われちゃうのは可哀想というか、お母さんのほうがあかんヤツなのだが、それも織り込み済みの現在だから描ける、と言われちゃえばそこの文句はどうでも良い。
ラストに非常におしゃれな助言をくれるジョン・フォード、演じるのはデヴィッド・リンチという説得力もまた、スピルバーグのなしえたものだ。
「自分」と「他者」で揺れる物語は見事だが…
◯作品全体
自己完結した感情と他者との関わりに揺れる物語だった。
映画作りに没頭するのは、父・バートからすれば夢を追うのと同義だ。ここでいう「夢」はロマンだとかそういうポジティブなものではなくて、実在しないものを追いかけるというネガティブな使い方で、作品に想いを込めることは自己完結に近い行為として序盤は存在する。主人公・サミーはその自己完結的な趣味と家族との関係性によって揺らぎつづける。
サミーと同じく「芸術家」と家族から言われるサミーの母・ミッツィは、サミーと似たようでいてまったく異なる人物だ。自分自身で向かうべき方向を完全に自己完結させている。アリゾナへの転勤話が出たときのミッツィの行動が顕著だ。親友・ベニーを置いて転職するバートを非難する一方で、タイフーンが出たと聞くと赤ん坊を一方的にバートへ押し付け、自分自身の人生観をも子どもたちに復唱するよう求め、危険なタイフーンへ向かっていく。その行動に自己嫌悪するかのような仕草をするけれど、ベニーとの関係を離さないあたり、ミッツィは終始自己完結している。
サミーに数学を勧めたり母のために記録映像を作るよう指示するバートも、サミーに想いを込めるという自己完結に近い育児をしているわけだが、ミッツィとの関係性に思い悩んだりするシーンも多く、自分の想いと他者の考え、どれを優先すべきかで人生が左右される人物だった。
終盤では、それぞれにある自己完結した感情と家族との関係性の調和に歪みが生じ、それぞれがそれぞれの道を歩みだす。それでも悲壮感がないのはそれぞれの熱意が一番あるところへ向かっていくからだろう。
妥協ではない、自分自身の感情を信じる決断は決して平坦ではない。でも、そういう人生こそ自分らしさに溢れた進路を進むことができる。真ん中に地平線がある画面ではなく、上や下に地平線があるような進路を良しとするラストシーンでは、そのことを強く訴えていた。
自分自身の決断という意味ではミッツィが物語の軸にいたのだけど、包み隠さず言ってしまうと、そのミッツィがすごくノイズだった。
ミッツィの自分勝手な行動もちょっとイラつくし、ベニーの転職とかについてバートを非難しつつ、自分は赤ん坊をほっぽりだしてタイフーンを追うのも最悪だった。しかもそういうベニーへの執着は浮気をしていたからだし、家族とのキャンプでそれを匂わせちゃうし、最終的にそれが原因で家族がバラバラになるし個々の自己実現としては良かった、というラストなんだけど、やってることが最低すぎる。
ミッツィを擁護するシーンもちゃんと挿れているんだけど、サミーの妹が「父は優しく話を聞いているだけで、母と並び立つことはなかった」みたいな、ミッツィのやったことに対してあまりに不釣り合いな擁護をしていてモヤモヤした。バートも確かに悪い。転職ばかりで、収入が良くなることを第一にしてしまっていて、家族の気持ちを配慮してない。それが家族をバラバラにする原因でもあった。でも、個人的にはそれがミッツィの浮気を正当化するものではないと思う。
怒ってすぐ感情的になるところ含めて、ミッツィが嫌なキャラクターだったなあ。それがチャーミングであれば良いんだけど、結構不快だった。
サミー自身の世界が広がったり、揺れたりする物語はすごく繊細に描かれていて、自分自身の経験を重ねられたりもできて面白かったんだけれど、その根幹をなすキャラクターを「天才肌」で終わらせようとしている感じがしてラフな造形に感じたし、あまり楽しいキャラクターでもなかったのは残念だった。
◯カメラワークとか
・題材が題材だからか、構図で見せるカットが結構あった。一番印象的だったのは終盤のシーン、大学生となったサミーがバートのアパートへやってきて、ミッツィから届いた写真を見せるところ。バートが写真を見たとき、画面右下にバートを映し、左側にバートの影が映る壁を見せる。バートの暗い感情、ミッツィが隣りにいないという余白…バートの感情へグッとよる演出だった。
・個人的に面白かったのはサミーがガールフレンド・モニカにベッドへ押し倒されるシーン。ダッチアングルのあおり気味のカットで、二人の真上にキリスト像を置く。アングル自体もエッジが効いていたし、コメディチックなキリスト像も面白かった。
・「おサボり日」の記録映像を上映するとき、司会の先生(?)がジェスチャーと言葉を間違えて、やり直すみたな芝居があった。これがすごい良かった。みんなを喜ばせようと慣れないことを考えてきたんだろうなっていうのが伝わるし、やり直すのも面白い。司会の先生はここしか出てこないけど、キャラが立ってた。
◯その他
・親友の妻を寝取ったベニーはどういう心情だったんだろう。家族といるミッツィを引き離して二人っきりになったとき、どういう心情だったんだろう。サミーへカメラをプレゼントする気風の良いヤツとして物語から退場するけれど、それじゃあダメだと思うんだけどなあ。
・家族の会話シーンは、なんというか、演劇っぽかった。外国作品ってセリフの演技の良し悪しが分かりづらい気がするんだけど、かなりわかりやすく演技が過剰だったと思う。やってることは突拍子もないことなのに、やけに段取りが良いところとか。ミッツィの爪を切るシーンとかが顕著だった。
・この作品に限らず、「浮気された側」を良き理解者として達観したような存在にさせちゃうのは、なんかもったいない気がするんだよなあ。しっかりと感情を掘り下げている作品だったらなおさら、急にフィクションになってしまうというか。もっといろんな葛藤があったり、達観するに至る経緯があるはずなんだけど、退場したキャラクターみたいな役割になってしまって放置されがち。
・一番グッと来たのは同級生・ローガンとサミーの衝突シーン。サミーはローガンを嫌っているけれど「画になる」ローガンを映すことに抗えない。映画人としてのサミーの矜持を感じるし、それを真っ向からローガンにぶつけるのもカッコいい。対するローガンはローガンなりにカッコよくあろうと努力しているんだけれど、そういう自分も含めて「チープなかっこよさ」を映像で露わにされてしまう。その核心を突かれた映像に打ちのめされてしまう、というのが、すごくローガンの内面に潜り込んでいるようで、素晴らしいアイデアだった。ほんの一瞬だけの邂逅だけれど、そこに日常生活の何千倍ものエネルギーが動いている感じが、とても良かった。
なんとなく『桐島、部活やめるってよ』の菊池と前田の関係性を思い出した。終盤の屋上で前田が映画への気持ちを吐露するんだけど、菊池からはなにも出てこない。カメラに映された菊池はルックスはカッコいいんだけど、中身がない、ということをカメラ越しに露呈されてしまう。「自分の本質を見られる」という意味では同じような使われ方だった。
タイトルなし(ネタバレ)
私ごとですが
劇中に登場する8ミリ編集機
幼い頃に祖父の家にあったように記憶しています
祖父が撮影した旅行の風景とか
見せてもらいました
そんな祖父に影響されたのか
私の父は映画が好きでよく観に行ってました
(息子を連れて行ってはくれない)
今頃、天国で祖父と父とで8ミリ上映会を楽しんでいるかもです
この映画を観て
映画の素晴らしさを改めて感じました
エンディングが好きです
ですが、母の行動は許せない派です
スティーブン・スピルバーグの自伝的作品。 映画業界に足を踏み入れる...
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