「とても深く優しく悲く、でも暗くない映画だった。 正直一度の鑑賞では...」フェイブルマンズ バタピーさんの映画レビュー(感想・評価)
とても深く優しく悲く、でも暗くない映画だった。 正直一度の鑑賞では...
とても深く優しく悲く、でも暗くない映画だった。
正直一度の鑑賞では全てを理解することは難しく、追って再び鑑賞した。
パパ: IBMの天才エンジニア。妻が大好きで優しい合理主義者
ママ: 子供や夫を愛するお母さん。でも自分を自分らしく保つために必要だったのは夫ではなく、夫の友人。家族を犠牲にしてでも自分の在り方を貫いた。
サミー: 映画を諦めきれずに大学を中退しそう。
家族と自分の理想というテーマで鑑賞すると、
家族を犠牲に自分のあるべき姿を追い求めた母。
妻を心から愛していたものの、自分が与えきれていない何かを感じていた父。そして離婚が成立。
母は、父にはこれ以上の幸せがあるはずなのとサミーに話す。
しかし父は離婚によって得るものはなく、IBMでの順調な仕事だけが人生となる。
一方母はアリゾナに戻り好きな男と幸せを送る。
妹のセリフ: 自分が到達できないような人(天才のパパ)に崇められてママは大変よ。ダニーはママを笑わせてた毛けど、天才のパパは静かに話を聞くだけだった。
そんな中サミーはハードな学校生活に耐えかね、映画の仕事は諦めきれないでいた。
父は仕事を諦めない人、母は自分の理想を追い求めて人生を諦めない人。
良い意味でも悪い意味でも、自分の気持ちを最優先した親の子供であるサミーは自分の好きなことを絶対に諦めない人だと、最後、父は悟ったのではないか。
父が私生活共に幸せになるには、他の女性と結婚すべきだった。でも妻を心から愛していたから結婚し、妻の気持ちを優先して離婚した。
一方母は子供や夫を傷つけたという罪悪感はあれど、新たな暮らしを幸せに送っている。
どうすればよかったのかとかいう問題ではなく、これが運命というものなのかな。
No. 1319