「予備知識や共感ポイントが必要」フェイブルマンズ うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)
予備知識や共感ポイントが必要
151分という長尺ながら、夢追う少年サムの成長譚としても、フェイブルマン家の物語としても起承転結の途中で終わっている感が否めない。この映画がスティーブン・スピルバーグの自伝的作品で、彼が何者か、そしてどの時代にどんな作品を生み出したか、を知らずに見ると前述のような散漫な印象を受けるだろう。
スピルバーグ作品をリアタイで経験した人や、サムと同世代の人、サムや家族の境遇に共感する部分がある人には響くものがあると思う。事前に力を入れたPRがされていたり、公開のタイミングでアカデミー賞の多部門にノミネートされたりと、追い風が沢山あったにも関わらず話題が尻すぼみになったのはこの辺りの難しさがあったのかも知れない。
ポール・ダノの繊細な演技と、ジャド・ハーシュの存在感がとても良かった。
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