「芸術は痛みを伴う」フェイブルマンズ きいろいくまさんの映画レビュー(感想・評価)
芸術は痛みを伴う
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スピルバーグの自伝映画。
小さい頃から才能があったのは予想通りだった。
母親の才能を受け継いだのか〜。
でも誰もが思い描くような、こんな努力をしてのし上がった〜とか、環境に恵まれてて華々しくて理想的な人生〜とかいう訳ではなかった。
現実は映画通りじゃないと思うけど、なんか上品な作品に感じたからよかった。
ごく普通(ちょっといいとこの子?)の日常で、でも父親からの理解が得られなかったり、母親の裏切りがあったり、ユダヤ人だからと差別を受けてしまったり。
ただ、そんな関わり合う人たち、家族、友人、恋人といった身近な人たちのひとつひとつの言葉や思いが、本人の中で積み重なって、映画に対する抑えられない情熱が膨らんで、夢へ一歩ずつ近づけてくれるのだと思った。
人生の中で何度躓くことがあっても悲観的になることなく、今をひたすら生きているって感じ。
辛いことをされても、すれ違っても、愛する家族だからどうしても憎めない。
そう、全ての出来事には意味がある。
それが映画に活かされていると思うと...深い!
映画は大事なものを壊すし痛みを伴う。
情熱は痛みを吸収しながら大きくなっていくのかな。
派手な自伝映画ではないけど、映画監督になるべくしてなったんだな〜と思った。
最後のシーンで、これから彼の映画人生の始まりを感じてワクワクした!
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