「タイトルなし」フェイブルマンズ えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
完成度の点で、消化されきれてない感。が、文学性という点では素晴らしかった。ミシェル・ウィリアムズはとても好きな女優さんで、癖もある人だけれど、違う人かと思うほど、役に融け込んでいた。非常に難しい役だった。天才でもあり、天才になれなかった落伍者でもあった。その苦しさが伝わる。あれだけ手放してはいけないとし、愛してるとした夫では満たされなかった彼女のあり方はとても複雑。
スピルバーグは、恋愛要素は弱い人で、母親の影も感じていた。小さいときの母との秘密のやり取りは、とてもセクシー。
少年の恋愛もめちゃめちゃ。面白い。
そして、彼が高校で撮った映画の、スポーツ少年とのやり取りの物語も深い。
最初の衝撃の映画、女の子がキャーキャー言う映画、精神分析的解釈もありだろう。
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