理想郷のレビュー・感想・評価
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相手を知ってから自分を知ってもらうコミュニケーション
人と人のコミュニケーション、特に異国籍の方とのコミュニケーション方法を書かれています。他国では受け身となってしまいますので、まず相手を知ることが大切だと再認識されました。
あらすじ
フランスからスペインの自然豊かな村に移住した夫婦アントワーヌとオルガ。生まれたときから中年の現在までこの村過ごしているシャンとロレンソの兄弟はアントワーヌ夫婦と対立をしていた。対立の原因は村に風力発電を作る計画だった。自然を守りたいアントワーヌと支援金がほしいシャンとロレンソ兄弟。風力発電に反対しているアントワーヌに不愉快なことが起きていく話です。前半は旅で見つけた地で自分の理想ばかりを追求するアントワーヌ視点。後半は夫を応援し続けた妻オルガ視点で描かれます。
いまいちなところ
村の風力発電プロジェクトはどうなったのか?
SDカードで他のアクションもできたのでは?
アントワーヌ夫婦の過去も欲しかった
考察
原題のThe Beastsがわかりやすいですが、決して移住した主人公が可哀想な映画ではありません。主人公の行動次第で防げた悲惨な出来事です。
結末は明白されず、自由に考えさせる映画でした。尺の長さ的に結果がほしかった。
学び
相互理解が足りないです。前半はアントワーヌの移住したことに満足し、この自然と村に感謝し守るという理想と村にうんざりし、どうにか違う生活をしてみたいシャン兄弟がお互いの希望だけをぶつけ合い、結果対立となった。一歩ずつ譲ってお互いの気持ちを理解することで他の解決方法があったのではないか。もちろん異文化を理解したうえで。青空マーケットでトマトを予約したおばあちゃんのように。
後半でわかりやすいですが、対立していた母と娘ですが、娘が一歩譲ったことにより見送りが感動でした。
どの場所にもいい人もいれば悪い人もいる。避けるだけでは解決できないこともあり、他の街に引っ越しても結局悪い人はきっといる。どのように付き合うかが大切ですね。
カメラに残っていたものは…
独特な世界観。
まさかあれで終わるとは・・・
しっかりと結んで終わってくださいとは言いません。消化不良で突然終わってしまう作品なんてたくさんあることでしょう。にして、あれで終わってしまうのかという気持ちが正直なところ。確かに、あそこから何かしら結末をつけようとすると、結構難しいのかもしれませんが、あそこから見ている方に投げられても・・・と思ってしまいました。
取り扱われてる内容は、確かにムズい。互いの主張に頷くところもあれば、拒絶したくなるところも同様に両者にあるように、そう感じるように作られていた気がしました。まぁ途中からは違いましたが─。自分にとってはある時点からはもはやなんの対立軸もなくなってしまって、ちょっとした事件推理ものになっていたのですが、それなりに張り詰めた気持ちでは観賞できた反面、多少、何だよ・・・と思ってしまうところもありました。
この邦題も、結局は大いなる皮肉にしか思えないのが残念なところ。
人間関係の複雑さ
田舎暮らしを求めてやってきた夫婦と、その地に生まれ住み続けてきた隣人の諍いから始まる物語。
一人一人思考が違えば感情も違うし、何を愛し・憎み・求めるのかも違う。
誰もが自分の信念のまま生きるエゴだらけの世界で、唯一無二の夫婦の愛がとても美しく映る。
差別と言い争いの激しさの中で描かれる、細やかな感情と仕草がとても好き。
途中までは「田舎暮らしって怖い!」と思っていたし、ずっと心がざわざわしていたけど、スリラー要素とは違う物語の別のテーマに気づいた時にグッと好きになったし、物語の見方・描かれ方がガラっと変わるのもよい。
サスペンスだと思って観ていた所からの、癒しや救い、愛。そこは前作の『おもかげ』と共通していてとてもおもしろい。
季節の流れ、時間の移り変わり、場面転換が秀逸。
印象的な場面はいくつかあるけど、隣人兄弟と夫アントワーヌが酒場で、各々の気持ちを吐露するシーンが記憶に残る。
それまで兄弟の執拗な虐めが悪だと感じていたけど、あそこだけ一瞬、アントワーヌがこの村を脅かす侵略者の様にも見えた。
『わらの犬』みたいな話かと思ったら全く違う展開を見せる、いかにもスペイン的な陰影の深い後味の悪さが印象的
ガリシア地方の山間にある小さな村に移住して農業を始めたフランス人夫婦。村人から何かと揶揄われながらも慎ましく暮らしていたが、電力会社から持ち込まれた風力発電所建設の利権に夫婦が毅然と反対したことから隣家に住む兄弟との関係が悪化し、やがて陰湿な嫌がらせが始まる。
村八分をテーマに据えた映画は沢山ありますがこれもそれ。陰惨なド田舎あるあるを散々見せつけられてげんなりするわけですがそんなありきたりな物語は冒頭で映し出された静かな映像が何を暗示していたのかを示して突然ポッキリと折れます。『L.A.大捜査線 狼たちの街』の終盤のような置いてけぼり感に呆然としている間も淡々とドラマは続きますがそれも突然急展開して終幕。イヤな余韻だけが延々と残るとってもスペイン的な陰影の深い後味の悪さが印象的な作品でした。
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