「カオスと断片」デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
カオスと断片
氾濫するイメージ。ライブ映像にインタビュー映像、彼の出演作を交えながら自由自在カラフルにモンタージュされて新たな意味を帯びていくボウイ史 = 神のいない20世紀とその"時間"について。そこにあるのは過去と未来。
だけど一貫している。時代を超え、その時々で一つのテーマに沿って並べ替えられた言動・振る舞いや彼を彼たらしめる掛け替えない要素。時代順を解体して切り貼りすることで浮かび上がらせる本質みたいなもの。例えばペルソナ、考え方の変化はアーティストとしての成熟かはたまた単なる時間が変えたものか。
タイトルに偽りなし、正しく月世界で見る白昼夢のような2時間超。よくある音楽ドキュメンタリーの類ではなかった、そんな場所からは遥か彼方の何光年も離れた作品は、デヴィッド・ボウイという"スターマン"に相応しい内容だったかもしれない。彼のアーティストとしてのスタンスというか、その自由な開拓精神溢れる音楽性やパフォーマンスとも寄り添うように親和性高そうな。少し眠くなりそうにもなるくらいには如何せん取っ付きにくさもあるけど…きっとその価値はある。やっぱり唯一無二な存在だな、と。
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