Pearl パールのレビュー・感想・評価
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後からじんわり何かを感じる
初日に鑑賞
前半は抑圧された狂気がまだあまり解放されていないので、ちょっと冗長気味。後半、ゴアシーンとなるのだが、被害者は4人で、決定的なとどめのシーンは見せてはいない。殺人という狂気性より、亡くなった両親とウジノワイタブタの食卓の異常性の方が怖かった。
動くことも話すことも出来ない父。そんな姿になった父だけには献身的なパール。パールの行為に対し、何かを訴えている父の眼差し。
前作「X エックス」の前日譚であるが、今作で戦争から帰還した夫は、この狂気の場面を目撃していても60年も共に生活したわけで、夫のその精神状態が知りたい。
「X エックス」の老婆パールは、寛容な若者の性に対して、自身は抑圧されていた為、敵視していたのだと思っていたが、今作ではそこまでの描写はなかった。自分の解釈違いか?
エンドクレジットになっても、ずっと映され続けるパール。もう直視出来ない。
帰りに誰ひとり声を出さず無言で劇場を後にする。観客が少なかった事とは関係ないと思う。
パールの心情と映像のシンクロが絶妙。
昔映画のざらついた映像に明るめの音楽、それにパールの不安定な心情がクロスしてなんとも怖い雰囲気に引き込まれる。分裂気味な心情をミアゴスの長回しな表情演技でたっぷりみせる。三部作らしいからあと一遍。待ち遠しい。
顔がとにかく怖い
前作のエックスも70年代ホラー感たっぷりの傑作ホラーだったが、今作は、作風をガラリとかえているが、抑圧からの解放感も非常に楽しめた
とにかく顔の演技が凄い
義理の姉に独白する場面もずっとバストショットのみだが怖すぎる
さらに最後のThe ENDの張り付いた笑顔、目からながれおちる涙、もう、しばらく脳裏から離れない映像
次回作は、タイトルからすると1作目でパールの頭を潰して走り去ったマキシーンを主人公にして描かれるのだろうか?
あの、テレビで流れていた新興宗教みたいな映像、マキシーンを探しているような内容だったがあれがなにか絡んでくるんだろうか?
今から、最終作が楽しみ
脳裏に焼きついて離れない『THE END』をぜひ劇場で。
A24制作×タイ・ウエスト監督×ミア・ゴス主演によるホラー映画3部作の第2作目であり、前作『X エックス』の前日譚という位置付け。
前作『X エックス』にて主役マキシーンを演じたミア・ゴスが、特殊メイクに身を包み一人二役で演じた殺人老婆パール。
老婆を演じた役者は公開まで隠されていたため(むしろそこにサプライズがあると私は思いもしなかった)、特殊メイク肌ならではの“違和感”や、若者特有のしっかりとした骨格、いや、むしろエンドクレジットを見るまで気が付かずに驚かされた方も多いだろう。
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本作では、精神的に追い詰められた若き日のパールが殺戮魔に化すまでの経緯や背景を、まるで『オズの魔法使い』や『メリー・ポピンズ』のような極彩色なタッチで描く。
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『X エックス』と『Pearl パール』はホラーという同じ骨格を持ちながら、全く異なった肉付けをされたシリーズ。予告編を観るだけでは、そのポスターやビジュアルからは両作に強い結び付きがあるかさえわからない。
舞台となる牧場と民家、小道具、随所に挟まれる小ネタ、そして前日譚ならではのテクニックで魅せる“伏線回収”。
タイ・ウエスト&ミア・ゴスという2人の天才が生み出た両作は、完全なる地続きなのだ。
あまりに異なる作風に、もしかしたら『X エックス』のファンには『Pearl パール』が刺さらないかもしれないし、その逆もありえる。
そう、これが何よりも堪らない。
前作『X エックス』は1970年代を謳歌するストリッパー、マキシーンの物語。
今作『Pearl パール』は1910年代に縛られた牧場の娘、パールの物語。
それぞれの主人公が抱える事情と時代背景に合わせて築き上げた、二つの世界観を持つ、演出も脚本も音楽も全く異なる映画を「シリーズ」として成立させるウェスト監督の手腕に惚れ込んでしまう方も多いはず。
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試写のトークショーで不吉霊二さんが仰った通り、時代が違えば彼女たちが夢を追い求める手段が無数にあり、仮に今この時代に生きていればTikTokや YouTubeで自分の未来を自らの意志で掴むことができただろう。
パールとマキシーンは常に対として描かれる。
そして、彼女たちが壊れゆく姿を銀幕を隔てた楽しむ私たちも、決して他人事ではない。
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本作最大の功績は、前作『X エックス』にて築き上げたタイ・ウェスト監督とミア・ゴスによる信頼関係によって成り立った凄まじい「アドリブ」、そしてミア・ゴスの脚本家としてのデビューともなった2人の「共同脚本」だろう。
『X エックス』は“あくまで男性視点から語られるスラッシャーホラー映画”だったが、『Pearl パール』では明らかにミア・ゴスにより書かれたと思われるセリフや描写が多数存在する。
現在はパートナーであるシャイア・ラブーフとの間に授かった一児の母としての面も持つが、若手時代は過激なヌードシーンも演じきる事で役を掴み、のし上がった個性派俳優ミア・ゴス。
パールが抱える複雑な家庭の事情や1918年という時代ならではの閉塞感やジレンマが一気に噴き出すクライマックス、そして脳裏に焼きついて離れない『THE END』をぜひ劇場で。
最強ヒロイン降臨!
さすがはXエックスの前日譚。期待に違わない内容!
パールがキュートで可愛い!そして無垢。
誰でもこれ程母親から抑圧されたら反発したくなる。それも正論で抑圧されたらね。
妖精だけど限りなく悪魔的ヒロイン。ただ、愛されたい、華やかな世界に憧れる女の子なのだから。
彼女から振り下ろされる、顔とにつかわない武器。そのギャップにある意味、拍手するとしたら問題かな?!
正しいかは別だけど、とにかく最強!
怖いけど、ある意味、抑圧からの解放ではなたれたパワーは本当に凄い!
単なるホラーとは別物!
それにしても凄いヒロインが現れたものだ!
顔演技スゴすぎなスプラッター版『オズの魔法使』
前作(というか本作の後日譚)『X エックス』でポルノ映画スタッフ達を惨殺していった老婆パールが、なぜシリアルキラーと化したかが描かれる。
スタンダップコメディアンを目指す『ジョーカー』のアーサーのように、映画スターを夢見る若きパールだが、理想と妄想と現実の狭間で常軌を逸していき、ついには憎悪の塊となっていく。後年、映画スタッフを殺す動機が、なりたい者になれなかった者の嫉妬が根本にあった事が伺える。『ジョーカー』に影響を与えた『キング・オブ・コメディ』のマーティン・スコセッシが賛辞を贈ったというのも納得。
ストーリーやザラついたフィルム画質などからも『悪魔のいけにえ』、『悪魔の沼』オマージュの前作に対し、本作は『オズの魔法使』。鮮やかな色彩に豪華なオーケストラ劇伴、そして何よりも抑圧された生活から脱却したいというパールはドロシーとダブる。案山子が出てくるあたりもご愛嬌。まぁその扱い方はとんでもないが…
とにかくミア・ゴスの演技、特に“顔演技”が圧巻。長回しで映される表情だけで銭が取れる。次作『MaXXXine』で完結との事だが、新たなホラーアイコンにもなりそうなパールをこのまま終わらすのはちょっと惜しい気が。どうせならジェイソンや貞子のようにどんどんシリーズ化してもいいんじゃ。
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