「これはいけません!涙腺ゆるゆる人間には危険です!」オレンジ・ランプ marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
これはいけません!涙腺ゆるゆる人間には危険です!
実生活でも父が認知症との診断されて色々な意味で覚悟を決めたのが20年近く前。でも全然許されるレベルのわがままに家族揃って対応していました。昭和一桁生まれの頑固な、亡き母に言わせると『まるで明治時代の男』だった父は家族に迷惑をかけまい、と思ったのでしょうか、数年で他界してしまいました。
同じ頃、親戚にも夜中に徘徊してしまう方がいて人ごとではありませんでしたが、いつしか自分自身がそんな年代に近づいている今日この頃、この作品のような若年性認知症のこともメディアでは知ってましたがこの作品がそれを題材にしたものとはなんの前知識なく観ました。何しろ『オレンジランプ』という言葉さえ初耳でしたから。このところ映画館で鑑賞できるタイミングが土曜日の朝イチ回なので、たまたま(運良く)観た感じでした。
最初は和田正人さんと貫地谷しおりさん以外メジャーな役者さんが出てないなぁ、くらいのレベル。市民ランナーの妻から「箱根駅伝の選手だったんだよ、和田さんって!」そう聞いて池井戸さん作品にたくさん出てるいい役者さんだなぁ、なんて。貫地谷さんも10年くらい前の『しら雪姫殺人事件』以来かな。唯一メジャーと言えるのは主人公のお父さん、元『ずうとるび』(『みかん色の恋』笑点で座布団ためて結成したんだっけ?誰も知らないですよね?)の新井さん、くらいかな???
とにかくノンフィクションに近いお話なのに様々な人たちに支えられて、生きる価値を見出した主人公。そして家族はもとより会社の人たち、認知症の仲間たちなどなど、とにかくいい人ばかりで涙ものでした。なかでも特に帰り方がわからなくなった主人公にバス停まで案内してくれたり、若い女性も降りるバス停まで教えてくれたり、主人公がニコニコ顔で帰宅したシーンは感慨深いものがありました。
色々な映画を観てきましたが『偏見』や『先入観』がいかによくないことか教えられ考えさせられます。老若男女観て感じてほしい作品です。もっと大々的に宣伝して欲しいですね。偶然とはいえ観てよかったです!
この映画本当に勉強になったなーと思います。
この手の映画やドラマで、「さっき言った3つの答えを言ってください」のような先生からの質問を、自分も一緒に覚えようとするのですが、いつも全部は思い出せないのですよ( ; ˙꒳˙ )