「オーバーアクション」ウィッシュ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
オーバーアクション
言いたい事は分からなくはないのだが…結構、力技なような気がする。
とにかく物語の展開が早い。
早すぎると言ってもいい。今の子供達を飽きさせずに見せきるには、そんなにスピードが必要なのかと思う程に。
そして、とにかく表情筋が大活躍で…めちゃくちゃ動く。おそらくならば、言葉をまだ理解できない年代とかへのアプローチなのかなぁとは思うけど、ちょっと凄まじいレベル。
その表現力とテーマにズレがあるように思えてならない。
自分の夢を他人に預けるとか結構強引な設定にも思うし…うがった見方をするなら自分が叶えられなかった夢を子供に押し付ける状態にも見えなくはない。
100周年の記念作品らしいのだが、どうにもこうにも解釈に困る作品なように思う。
キャラの感情の起伏とかお構いなしなような気もするし…助走もなければ余韻もないような感じ。
CGの質感は絵本のザラついたような温かみも感じて嫌いじゃなかった。
色んな人種が出て来るのは昨今の条件みたいな所もありはするが…それを表現するにあたり特徴を強調して描いたりすると、馬鹿にされたとクレームがあがるご時世で、子供向けのアニメを作るのに滅茶苦茶センシティブな事を考えねばならなずで凡庸な外見になってしまうのは本末転倒なような気もしなくはない。
が、そんな中でも描き分けてるデザイナーさんは相当大変なんだろうなぁとも思う。
声をあててる方々は皆様達者だった。
生田さんの声は素敵なのだけど…いかんせん和訳が俺には合わずで堪能できず。内容が内容だけに挑む歌詞が後半は多くなって、これからの100年は闘争や主張が反映されていくのか?と戦々恐々だ。
御伽話は鳴りを顰め「自分達で立ち上がれ」的な現実的なメッセージを打ち出すのだろうか…。
夢の国に代表されるコンセプトが崩壊しない事を祈る。