「現代をいきる人へのおとぎ話」ウィッシュ せいしよさんの映画レビュー(感想・評価)
現代をいきる人へのおとぎ話
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この手の話に私は弱いなと感じます笑
普通に感動してしまいました。
抽象度の高い設定で細かくキャラクターの背景は描きませんがその分自己を投影する余白を残していると感じました。現代社会をいきる人へのおとぎ話だなと思います。
アーシャの友達のサイモンは願いを捧げることで「面白くなくなった」とも「大人になった」とも評価されます。私たちもそうではないでしょうか?
叶わない夢を見ることを忘れて大人として現実を生きる。18歳という願いを捧げる年齢の設定も多くの人が夢に区切りをつける境界という気がします。このシーンあたりからこれは私たちの話なんだなとぐっと映画に引き込まれました。
ただ、ラストには少し注文をつけたいです。王を打倒し願いを市民が取り戻すわけですが、人々がみんなイキイキとしているのはちょっと楽天的すぎないでしょうか?
叶わない願いを思い出し、ギャップに押し潰されそうな人を是非描写してほしかった。その苦しみと向き合うことこそ人が願うことの本質であり、この物語で市民が取り戻した人生の本質だと私は思いますので。
とにかく良いお話でした!CMで歌が流れる度に心が熱くなります。久しぶりにまたみたいと思わせる映画体験でした!
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