「庶民的な人魚姫とエリック王子」リトル・マーメイド 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
庶民的な人魚姫とエリック王子
34年の時を経て実写化された「リトルマーメイド」
実写版の良さが生かされていない。
そんな気がしました。
意外とワクワクしないし、感動の涙が溢れないのは何故?
人魚姫のアリエルに気品がないから?
でも目と目の間がとにかく離れてて、キュート!!
ただ無邪気でヤンチャで好奇心が強い・・・
そんなキャラで深みも憂いも哀愁もないのも事実だ。
そしてエリック王子も、あんまり魅力が見受けられません。
若さも乏しく体型も小太り?顔も平凡。
魅力を感じない主役の2人でした。
人魚姫アリエルのハリー・ベイリー。
歌唱力は素晴らしい!!
伸びのあ高音に表現力・・・申し分ありません。
エリック王子のジョナ・ハウアー=キング。
朗々とセリフを舞台劇のように歌い上げる。
演劇畑の素養を感じます。
そして歌唱力も素晴らしくて、実力で選ばれたのですね。
ただストーリーで疑問に思う事が2点ありました。
ヴィラン役のアースラ(メリッサ・マッカーシー)との契約で、
人間の足を手に入れた代償として「声」を失った人魚姫。
声を失ったのにその後に3曲も歌うのは何故?
歌は歌えるけれど話せない?
歌は心の中の声だから、人には聞こえない?
それにしても疑問でした。
それから美女に化けて婚約者に成り済ましたアースラが、
見破られて殺される場面。
結婚式が阻止されたのは、結婚指輪を宰相のグリムスビー卿が、
海へ投げ飛ばしたから・・・
しかしアリエラはアースラの呪い・・・
「3日以内に王子と真実のキスを交わす・・・」
これが果たせず人魚の尾ひれに戻っていましたね。
それがラストのでエリック王子の婚約者として登場する場面では
人間の足に戻っている。
(実はアリエルの父親のトリトン王がアライテッドの刀を使って、
(アリエルに足を与えている?)
私には端折りすぎてまったく分からなかった。
この辺の説明は親切ではありません。
そして、この実写版のラスト。
アリエルとエリックが広い世界を見るために2人で船出して行く。
結婚がゴールではなくスタートなのだ。
その解釈は現代的だと思いました。